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異界彷徨👺大阪歴史博物館

はじめに

大阪歴史博物館特別展異界彷徨へ
異界彷徨、聞きなれない怪しげなタイトルですが、その通り、異界はこの世でないこと、彷徨は彷徨うこと。
昔から何かわからないこと、たとえば、疫病、地震などなぜ起こるかわからないことを鬼や妖怪など異界のものが起こすと考えられてきました。
だからそれを鎮めたり災いを避けるには、神仏に祈ったり、呪文や呪具、お札を使ったりしたのです。

現在もコロナを鎮めるにはアマビエだとか、現実的ではないものに頼ったりしますよね?お守りなんかも信じて大切にしたりする人もいますよね?
サクッと耳から聞くなら

https://stand.fm/episodes/6496af47d1693c6f01bf428d


展覧会構成

次の3つ
1、怪異と幻想
2、祈りと願い
3、生と死
終章、異界彷徨

1、怪異と幻想


天狗と河童と言えば、私たちがいないのにいると信じている妖怪。
子供の頃、川で河童に足を引っ張られるとか言われました。
子供だけで川に行くなということでしょうね。
頭にお皿があって、乾くと死んでしまう。
だから川にいるのだと信じていました。
河童の置き物をもらったりしたので、形になっているので本当にいるのかと思っていたりしたんでしょうか?実際にみたことはありませんが。
山には山姥とか天狗がいるんだと昔話で語られるので、子供の頃はしんじていた人も多そう。

河童は姿からかずっと妖怪のままですが、魔物から神のような存在へ変わったのが、天狗。

天狗は中国がルーツのようで、隕石が落ちた音が犬の吠える音に似ていたことから犬の妖怪とされたそう。
でも日本では定着せず、人を化かす狐のようなイメージと鳥のようなイメージを見ることが多いようです。カラス天狗のような姿。
そして、鎌倉くらいで人間の姿に。堕落した僧のイメージだったそうです。
さらに江戸時代に今の姿、鼻の高い天狗の姿になり、神に昇格しています。
岡山県倉敷市の円通寺では火伏の神様、火災よけの神となっています。
国と時代によって変わるものなんですね。


かっこいい
可愛い河童
河童を研究したもの


一角獣とか人魚とかも


2、祈りと願い


医学、科学の発展前の時代は、病を避けるには魔除けを
生活の安定、成功には神仏に願うこと。
病は鬼がもたらすとされ、鬼退治の京都大江山鬼の話、今でも節分は鬼が家に入らないようにとの儀式として続いています。
どうしようもない病や天災の原因を何かだと知りたい、という気持ちは今も昔も変わらずです。
今でもこれってなぜこうなったか原因を知りたがりますよね。
それが、証拠がなくても多くの人が信じることが真実ではないかと思い込む。こうして、さまざまな呪いや民間信仰が生まれてきたんですね。
おまじないって日常に浸透してますよね。子供の頃から私たちはいろんなおまじないしてますしね。
今でも使われているような呪具が興味深かったのです。

鬼は地獄関連のよう 地獄絵怖い・・・鬼は可愛い、でもよく見ると地獄は怖い



百鬼夜行図 
茅の輪のお守りバージョンみたいなもの
いろんなものも呪文を込めたんですね
呪詛用人形 医療、呪い、今も昔も同じ


3、生と死


生と死は誰もが絶対に体験していくものですが、不思議なこと。
究極の神秘。どうして生まれてくるのか。そして死ぬのか。
私たちはどこからやってきて、どこにいくのか?
必ず起こるのにわからないことが多すぎる。
わからないことは不安で恐ろしいこと。
だからこそ、生きている時に徳を積んでいいところ、極楽に行きたいと願うのが世の常。宗教が生まれたのはここからでしょう。


住吉大社図 


北斗曼荼羅 星が運命を司ると信じられていたんですね

終章 異界彷徨

今は、疫病もウイルスだったりすること、地震もプレートのずれによるものなど科学的に証明されても私たちは節分には鬼退治の豆まきをし恵方巻きを食べる。
コロナだといえばアマビエが流行ったりする。
災いが起こると神仏に祈りを捧げる。
異界の世界とは切っても切れないのかもしれない

大正時代にも地震といえば「なまず」は健在を示すポスターも面白い。


全体を通じて

外国の人を含めて多くの人が平日にも関わらず訪れていました。
キャプションは日本語のみでしたがわかったのかな?他に説明文をもらえたのかもしれないですが。
異界というタイトルが興味を呼んだのでしょうか?
けしてエンタメっぽい遊び感覚ではなく、歴史博物館の展示で重要なものが多かったので満足できました。伝承されてきた異界の世界の作られた経緯、過去の人たちがどのように考えたり、その異界に対してどうタイt向かったのかを知ることができたのと、今もそれほど変わらないという感想でした。今の私たちも見えないものを恐れ、それに対して、天使、悪魔、精霊、幽霊でも名をつけようとする。お守りや線香、ご祈祷で対処するなど変わらないですね。
少し面白くなりました。そして、みんな異界、オカルト好き。
楽しく異界の民話、伝承を知るいい特別展でした。
大阪歴史博物館の学芸員さんのツイッタースペースが面白かったことも追記。


大阪城が見えます


大阪の歴史についての常設展込みで600円
さらに大阪城天守閣に登る券付きで1000円
大阪城はすぐ近く、窓から見えています。

2023年6月26日(月)まで


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