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#13 私と母の戦闘日記

母は、1つの言葉を1つの意味でしか解釈できない人であった。

だから、やり取りはずっと続く。

そのやり取りは、言葉が変わっているだけで、実際は同じことを永遠と繰り返していた。私としては無駄な時間と労力に思えた。母が、内容が変わっていないことを理解していたのかは不明だが、私は次第になんでこんな人が母親なのだ、と失望していった。

お腹を痛めて、辛い思いをして産んでくれた母親に、「失望」など、あり得ない事である、と分かっていても、その思いは拭えなかった。

母だけであれば、まだ良かった。

弟は、私に直接ラインしてきた。質問されたことに、答えていったが、会話はすぐに終わった。

母からは、弟も「あいつ、頭おかしくなってる。」と言っていたと、聞かされた。

父においても、激怒し、まだ就活し直さないのか、としきりに母に言っているようだった。

事実かはわからないが、母からそう聞いている以上、私には、家族なんていなかったのだと思ってしまうほどだった。

『あなた頭がおかしくなっているのよ!分からないでしょうけど。』

そんなことを実の母親から言われることになるなんて思いもしなかったし、父もそう言っているのだと聞かされた。

私は、父は理解者だと思った想いは、ただの幻想だったのだと思い知ることになった。


耐えきれなくなった私は、ついに告げたのだ。嘘を。

「就活し直します。」

『本当に!お金の負担はするから、お願いします。』

その言葉をみて、安堵と苦しみが襲ってきた。


実際に就活はしなかった。束の間の平和な日々を過ごし、しばらくして、母に伝えたのだ。

「就活し直したけど、どこにも通らなかった。ごめんなさい。」

『やっぱり、そう言うと思った。お父さんも言ってたのよ。就活するって言って、通らなかったって言ってくるんじゃないかって。私もそう思ったけど、そんなことないよ。って言ってのに。嘘つき。何でそうやって嘘つくの。信頼できないでしょ!・・・』

また、長文ラインの始まりだった。なぜこんなことを言われなければならないのか。そんなことさえも分からなくなっていった。

どんなに暗闇の中を走っても、光なんてどこにもなくて、真っ暗な中を必死に走るような感覚だった。でも、きっと光があるはずだと、信じて、ずっと連絡を取っていた。

多分、私は頑張っていたのだろうと、今なら思える。

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