終わりがあるから頑張れる
人はいつか死ぬ、というのはよく聞く言葉だけど、それを理解するのって簡単じゃないと思う。少なくとも私は、自分が死ぬことを自分のことだと思っていなかった。知らなかったわけじゃない。でもなんというか、すごく遠い話だと思っていた。それは自分の話じゃないってどこかで思っていた。
でもそれは突然隣に来た。気がついた。多分ずっと一緒にいたけど、気づかなかっただけ。私は初めてその存在気づいた。自分も死ぬのだと教えてもらった。
怖さよりは混乱が大きかった。どうしたらいいのか、どうしたいのかもよくわからなかった。わからない中でも考えた。生きる可能性のために大きなリスクを選んだ。結果私は今、とりあえず生きている。
ありがたいなぁと思う。でも、一度見えた死は、もう見なかったことにはできない。私は当たり前の日常に戻る中で、また目を背けて、見えなくなってしまうことが怖い。いつも隣にいること、忘れたくないなと思う。
隣にいると気づいた時は驚いたけど、今は死がいつも隣に、近くにいるからこそ救われる。頑張れる。私は、いつか死ぬから。どう生きたっていつか死ぬから。だから大丈夫。終わりは必ず来るから大丈夫。そう思える。
性格なんだろうな。わからないことは怖い。予想がつかないことが怖い。だから、終わりを知って安心というか、覚悟というか、そういう気持ちが生まれた。必ず終わるとわかっていれば、そこまでの距離がわからなくても何とか頑張れる気がする。
いつか死ぬから、今日はとりあえず生きてみようと思う。今日は、なにをしようかな。
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