入院する前

高校生くらいの時から片頭痛持ちだった。でも思春期だし、母も片頭痛持ちだったし、生理とかも不順だったから体調の乱れ、くらいにしか思ってなかった。周りに片頭痛持ちの子なんていくらでもいたし、私もみんなと同じ季節とか体調とか天気によるものだと思っていた。


大学生になってからも、たびたび頭痛くてしんどいことはあった。でもこのころも初めての一人暮らしで、大学生活も楽しくって荒れた生活送っていたから、そのせいだろうと思っていた。頻度もまちまちで、痛みもまちまちで、よくあることだったから病院に行くなんて考えたこともなかった。市販の痛み止め飲めば何とかなる、みんな同じような感じだと思っていた。

社会人2年目で仕事の担当変更があって、その1か月後くらいから吐きそうな頭痛に襲われるようになった。仕事環境が変わったストレスだろうと思っていた。性格的に根詰めるタイプというか、いろんなことをうまく発散できるような器用なタイプでもないから、こんな風になっていると思っていた。でも吐いて食べられなくなると日常生活に支障が出るし、一度朝動けなくなったからその時初めて病院に行った。実家の近くの頭痛外来のある神経内科。そこではCT検査と問診をして、片頭痛の診断をされた。何種類か薬試して飲み続けているうちに吐き気は収まってきて痛みも緩和してきたから、やっぱり片頭痛でストレスが原因だと思った。1年弱定期的に通った。多少の波はあったけど、吐くほどの痛みではなくなっていた。

社会人4年目の終わりくらいからまた頭痛に悩まされるようになった。痛くて、吐くようになって、少しずつ思考が低下してきた。病院に行く頻度も増えたけど、今度は薬も効かなくて、むしろだんだん悪化していった。ストレスのせいだと思って、いろんなことに挑戦したけど、痛みの波は変わらなかった。徐々に動けなくなった。頭痛い以外のことしか考えられなくて、どうやったらごまかせるかを考えて、1日1日生き延びるのがしんどくなってきた。病院を変えて、セカンドオピニオン、サードオピニオンも受けたけど同じように片頭痛と言われた。緊張によるものだと言われて湿布をもらったり、筋肉の緊張をとるっていう注射を首筋にされたりした。何とか必死に仕事に行って、でも痛くて夜眠れなくなってきていたからさらに思考低下して、今思えばもう満身創痍でその日その日をやっと生きているような感じだった。マグネットループとか、ヨガとか、運動とか、住む場所変えたり、新しいコミュニティに入ったり、湿布、アロマ、マッサージ、とにかくできることを片っ端からやってみた。でもやっぱりよくならなくて、だんだん物事考えられなくなってきて、とうとう職場でも吐くようになってしまった。1日も半日も耐えられなくて、1つの作業終わるごとにトイレに行って吐いた。外出先でもこらえきれずトイレに走って吐いた。吐くときにしんどいから、ものを食べなくなって、朦朧とするようになってきた。

なんであんな状態だったのに、変だと思わなかったのだろう。でも、病院にもかかっていて、どこに行っても片頭痛だストレスだと言われて、自分ではおかしいって思っていても、もうどうしたらいいのか誰に言えばいいのかわからなかった。それでも体調はどんどん悪化していって、顔色もどんどんおかしくなってきて、ついに職場の人に病院をすすめられて、もう何か所もかかりました、と思いながらもう一度だけ違う病院に行ってみることにした。行った病院は脳神経外科。行きにくい場所にあったから自分で車を運転していった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?