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クリームパンと母の教え

家を出る寸前に親しいおばちゃんがクリームパンをたくさん持ってやったきた 

「これ美味しいのよーハマりすぎて食べすぎて わたしはもう食べたくない でもまじでおすすめだから食べてみて」どう反応するのが正解かは謎だが、そのひとつを持って仕事へ出た 

数日間家をあけるので、明日の朝ごはんにいいなと思った クリームが隅々までぎっしり詰まっているらしい 

それにしても同じスーパーに私も行くのに、このパンは見たことなかったのが不思議だった 

同じ場所にいて同じものを見ていても、見ているところがまるで違う 記憶においても如実だ 

例えば幼なじみと話ていても私の中では鮮明で印象深い出来事なのに、彼女の中では抹消されていたり 彼女が楽しそうにする昔の話に私がいたとは微塵も思えないことがしょっちゅうある

ところでこの数年間で地元密着度が増したナターシャ おかげで地元の人たちと接する機会が増えた そういう流れあってのクリームパン然り いいこともあるもんだ ありがたし 

仕事でもプライベートでも昔はあちこちへと出ていた しかしそれは大人になってからということでなく、思えば子供の頃からだった 

10代の頃だったか母に言われた 

「家を一歩出るときは、ちょっとの期間であっても今生の別れだと思って行きなさい」

大袈裟だがその心構えで母は生きてきたらしい だから家を離れる際は毎回家の中をきちんと整えて、心身整然とし悔いのないようにしろという教えだった 

それがいまだに染み付いている 無意識の行いで短期だろうが最低限整えて出る 

家に着いたらほっとした すぐにごろんと出来るしね

雨上がりの夜空 金木犀の香りが漂っている  ナターシャ     




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