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これから花を咲かそうとする全てのひとたちへ

今しがた一歩を踏み出して
抑圧のなかで芽を出すことすら
憚られていたところから
幾分放たれて枝についた蕾のうちの
いくつかをようやく開かせたひとたち
それでもひかれる後ろ髪はあるだろうし
解決しないまま眠る前に思い出す
しこりもあるだろう

悪いことはきっとしていない
進んだみちが正しいかどうかは
今はまだ分からないだろうけれど
迷いながらでもいい
迷うからこそ進めるんだ

たとえば、シェアして食べるパスタが
ほんとうにはんぶんこできたかを
真剣に考えてみたり
いつかまた笑って話せる日を迎えられるか
どうかを端に留めて心を砕くことも
どれもが日々をかたちづくる
大切な要素だと思うから

誰の方が苦労をしているだとか
周りからしたら簡単に解決できるのにだとか
そんなことは関係がない
それを問われたら私はきっときっと
先週の金曜日に高級住宅街を歩いていたときや
今月のはじめに自分自身に突きつけた刃に
膝をついてアスファルトを濡らしてしまって
いたに違いないのだから

生きていくことは難しいね
少なからず私にとってはとてもね
生きていることは自分に嘘をついているか
誰かを騙しているかのどちらかでしかない
と思えてしまう

誰もが誠実に生きているわけではないし
話を戻すみたいになるけれど
それがすべて正しいとは限らないのだから
必要な嘘は多分にあるのだと
頭では分かっているけれど時々それは
水で濡れて硬くなった結び目のように
指のちからはおろかすべての力が散漫に
なるような気持ちになる
ひとに助言をしながら私の半分以上は
絶望で枯れ落ちているのかもしれないね

生きていることのほとんどが
諦めそうになることや思い通りにならないこと
でできていると思うけれど
それがゼロでない限りにおいてはどうか
諦めないでいて欲しい
私にとって最も大切なことの可能性は
ゼロになってしまっているけれど
そうでないことはきっと諦めないでいれば
結果にこそ結びつかないとしても
行く末に至るみちはまるで違うものになるはず
なのだから

綺麗でなくても花を咲かせていれば
寄り道をしてくれる人が現れる
見てくれている人がいるはずなんだ
どうか結果だけを考えずに、そして
諦めることをできるだけ避けて進んで欲しいな
と、私は思う


たんなるにっき(その59)

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