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誰かの価値観は長い期間のなかで作られたそのひとだけのもの
ごはん屋さんで納豆を念入りに混ぜるひとに
つい見惚れてしまいそうになる
ごはんを食べているひとをじっと見つめては
いけない、と躾をされているけれど
目を離すことができなくなりそうになる
丁寧にパッケージを開けて海苔を取り出して
いる時、そのひとはきっと味を想像しているの
だろうなぁと思えるようなほんの少しの表情の
弛緩がとても人間らしくて愛おしいと思える
まるで知らないひとについてそんな風に
思えてしまう
やはりひとが食べるという動作は愛おしくて
時として涙が出そうになる
また同じことを考えているなあと思い返すことが
できるから私は遺していて良かったなあと思うし
何らかの理由で相容れないと思ったとき
それを覆すことはほとんど不可能なんだと
改めて気付かされる
日曜の夜の飲食店はいつもよりも穏やかで
店員さんが仕事をしているのを見ながら
妄想のなかで一緒に働いてみる
誰か仕切っているのか、空き時間に何をするのか
私が入ったら何をしようかなと馳せてみる
べつの世界線の私を想像するともう少しだけ
生きてみようと思える
◇
方言について会話をする
うちの地元だけで使っていることばだと
確認すると『おらが町』のような
囲い込みや身内感を感じる
話した相手が『それはうちの地方でも使うよ』
と言われると県を越えたつながりのような
ものを感じる
いつの時代の領主が交易したのかといった
ことが想像されてつながりを思う
ひとはどこでつながってるのか
これからどこでつながるのか
考えると面白いもので
星座のように決まってしまって
もうすぐ変わらないものと違うのが
趣深いと感じた
今、アイヌの方の文化を少し学んでるけれど
とても美しく素敵だなと思う
たんなるにっき(その68)
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