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故郷の空の下、人々は祈る

いつも通り私のたびは、ほとんど無計画にみえる

いきなり行ってどうするんだ
行った先でどこを見るんだ?泊まるところは?

そんな風に思う人もいるだろうな
行く前に入念に調べたら行った時には
もう既視感に陥ってしまって
新鮮な感動が得られないのではないか?

映画のレビューや予告編をたくさん見過ぎで
行く前に予想ついてしまうのとおんなじで
そんな心配をしてしまう

今回はもう雨だからいろいろ回れない
と最初から覚悟していたし
泊まるところも厳しいだろうなあと思って
探すことすらしなかったのよね

そう思って、私が考えた作戦は
実家に寄って帰る

せかいがこんな風になって
実家に顔を出すことは割と勇気がいる
田舎のひとほど、周りに目を光らせている
何かあれば犯人探しをする
それが悪いとかは言わない
それだけ敏感なのは仕方ないのかなと思う
いろいろな考えのひとがいるから
あまり話題にすらしたくない
感染予防についてはしっかりと対策をした
とだけ書いておく

◇◇

と、話は戻す
今回どうしても故郷に立ち寄りたかったのは
今年は7年に一度の善光寺ご開帳の年だから

宗教のことは正直まるで分からない
信仰の有無というよりも、私にとっては
小さい頃から身近にあった存在だから
行事ごとは昔に戻るスイッチなのかもしれない



アサミさんに会いに行った翌日は
雨上がりのきれいなあおいろ
母と2人で善光寺に向かう
県外ナンバーを多く見かける
境内もたくさんのひとで溢れていた

回向柱に触れるのを待つたくさんのひと
御本尊に手を合わせるたくさんのひと
ここはたくさんの願いが集まる場所
願いも想いも空のあおにむかって
まっすぐに伸びていく

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憂いも哀も決してなくなりはしないけれど
少しでも雲が晴れるように
少しでも晴れ間のような笑顔が
たくさんのひとに溢れるように
そう願ってやまない

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◇◇

ふと目を向けると、小松美羽展がやっている
ことに気づき早速敷地内の史料館に足を運ぶ
※小松美羽さんは長野出身の現代アーティスト

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平和の祈りが込められた狛犬と曼荼羅
元のせかいには戻らない、戻れない
戻れないとして、かたちを変えても
より良いせかいになることを切に願う

◇◇

昨日も今日も期せずしてArt day
善光寺近くの東山魁夷館へ
美術に興味のない母にお願いをして入館

久しぶりに観る作品はどこか懐かしさと
心のおだやかさを取り戻す時間になった
この2年余りほとんど家族にも会えてなかったから
こういう一緒に過ごす時間が取れたことも
良かったなあと思う

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これでお手紙を送りたいなあと思い
ポストカードを購入
5名様にしか送れないけど

劇的に自分自身が変われないように
せかいも急には変わらない
そう思っていても過ぎてしまう時間は
あっという間という矛盾
祈るだけでは願いは叶わない
そんなことはみんな分かっている
けれど、願わずにはいられない
より良いせかいになることを

たんなるにっき(27)

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