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【CL2024 横浜使用】アルセウス型リザードン 解説

アローラ!あねもね!です

今回の記事は前回に引き続き『リザードンex』に関する内容になっています。

前回の記事では、『リザードンex』の単体性能の理解と簡単な草案について記載致しましたが、今回の記事ではそれらを踏まえた改善点からデッキリストの変遷とCL横浜にて実際に使用した構築の解説、各対面への戦い方を記載しています。

▽前回のリザードンexの記事はこちら


▽今回のデッキを使用した動画はこちら




1.環境考察


今回は使用デッキを決めてどこにメタを割くのかを考慮してリストを作成した為、ざっくりとした環境考察になっています。

▪CL2024 横浜 tier予想
tier=数の多さで認識しています。


<tier1>
ロスギラ
サーナイトex

<tier2>
リザードンex
パオジアンex
白ルギア



<tier3>
アルギラ
ミュウVMAX
ロスバレ
ミライドンex

その他


【リザードンex】に強いとされている【サーナイトex】と【ロスギラ】がtier1で、そこに勝てる可能性のある【パオジアンex】や【白ルギア】がtier2位置に属している印象でした。

※【パオジアン】と【白ルギア】は【リザードンex】に対してそこまで強くないのでtier1位置までは増えないと予想。

tier3のデッキは雪道+手札干渉ギミックでテンポを取れたら強いものの相手依存なことが多いと考えました。(≒純粋な殴り合いだと勝てないデッキが一定数ある)


2.原案の使用感


まずは今回の原案となった『アルセウスVSTAR』×『リザードンex』デッキの使用感に関して記載したいと思います。

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原案としては安定感もそこそこあり、回しやすいリストができたと自負しています。

原案リストでは『アルセウスVSTAR』を試合を通して使用しながら、後半に『リザードンex』を準備して押し付ける形を想定してリスト作成しましたが、『リザードンex』単体のカードパワーが高いので最大限『リザードンex』を押し付けながら『アルセウスVSTAR』などのシステムポケモンで目一杯サポートする形の方が総合的にデッキパワーが高くなると判断しました。

それにあたって『ふしぎなアメ』の枚数を最大枚数まで増やして『アルセウスVSTAR』ラインを最低限まで削減する方向性を取ろうと考え、『ふしぎなアメ』を強く使える『ピジョットex』を採用した型でチューニングをしようと考えました。


3.リストの変遷


ここからはリザードンexの草案リストとリストの変遷に関して記載していきます。使ってみて気になった点をひたすらリストを変えながら試し打ちしている形になります。

[リザードンex草案ver1.0(8月3日)]

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こちらがスタート地点となる草案リストです。

先程のデッキを基盤として、『アルセウスVSTAR』ラインを削り、その枠を『ピジョットex』と『ふしぎなアメ』に回しました。

序盤の安定性を維持できるようスタジアムは『ボウルタウン』を採用しています。この日に出たジムバトルでは3-0と好調だったものの、序盤の安定性にはまだムラがあるように感じました。

また、『かがやくフーディン』を強く使えたシーンが少なかったので活かせるようワンギミックが必要だと感じました。


[リザードンver1.1(8月7日)]

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かがやく枠として単体で使いやすい『かがやくリザードン』と序盤の安定札としてボール系統・ふしぎなアメなど必須パーツに触れる『ミュウ』を採用しました。

また、【ロスギラ】対面や【アルセウス】対面を意識して『こだわりベルト』を2枚に増やしました。『アルセウスVSTAR』が2ターン目から230点狙える点や『かがやくリザードン』が終盤に280点を出せる為、強く動かしやすくなります。


[リザードンver2.0(8月11日)

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【ロスバレ】や【ロスギラ】対面で序盤に『ポッポ』または『ヒトカゲ』が倒される展開になった場合でも盤面を崩さず維持できるようボール配分を『バトルVIPパス』軸に変更。

デッキによっては序盤に『アルセウスV』をプレイできないとそのまま置くタイミングがない対面も存在するので、そういった面でもVIP軸は序盤の展開に期待できると認識しています。

『ヒトカゲ』と『ポッポ』を必ず2面展開できるように『ポッポ』は3枚目を仮で採用しました。

中盤以降は腐るものの2ターン目の『ゲッコウシュリケン』はゲームロスに繋がる為、『マナフィ』を再度採用しました。

2ターン目に強いサポートカードの選択肢として『ジニア』を採用しました。


[リザードンver2.1(8月12日)]

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『リザード』から正統進化するパターンが少なく、枠捻出の為に抜いた『ミュウ』を再度採用しました。

【サーナイト】対面や【ミラー】で強く使える『リベンジパンチ』を仮採用しました。

『頂への雪道』が厳しく、4枚目のスタジアムを割れるカードとして『マグマの滝壺』を採用しました。自身のポケモンの耐久値が下がるデメリットがありますが、エネルギー管理が見た目以上にシビアなデッキなのでリソース管理面でも使いやすいと判断しました。

試合を通して『マッハサーチ』で触りたいカードが『ナンジャモ』or『ボスの指令』であることが多かったので、メインのドローサポートを『アクロマの実験』から『ナンジャモ』に寄せる形へと変更しました。


[リザードンver3.0(8月15日)]

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【ロスギラ】や【サーナイト】対面でHP280ラインを並べるリスクや構築として『頂への雪道』に弱くなる点、『ピジョットex』への要求値が高く準備できたときと出来なかったときのデッキパワーに差異が出ると感じたのでシステムポケモンを『ビーダル』に切り替えました。


[リザードンver4.0(8月18日)]

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基本エネルギー4枚の構築で『アルセウスVSTAR』『ビーダル』『ピジョットex』をすべて採用している構築を見たので、試しに全ライン採用してみました。

現在の構築からチューニングの為、ピジョットラインは1-1での採用にしました。序盤以外ニーズの低い『ミュウ』とエネルギーを絞っても回る構築があると知ったので『基本炎エネルギー』の枠が変更点になっています。

また、『ビーダル』で回すにあたって『バトルVIPパス』型から『ネストボール』型へと変更。リソース管理しやすいようにドロサポ配分も変更しました。

また、後半に『リザードンex』+『ナンジャモ』でお祈りする試合が多いと感じた為『頂きへの雪道』をピンで採用しました。

▪参考にしたエネルギー4枚リザードン


[リザードンver4.1(8月21日)]

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1人では考えが固まると思い、シンさん(@ex_c0)に相談しながら思考のすり合わせを行いました。

構築のスタートが違うので各カードに対して検討しながらどれが有効かを引き続き探る形に。

【このときの課題点】

『リベンジパンチ』は【サーナイト】に対して有効だと考えていたが、『月明かりの丘』によってダメージラインを調整されてしまう為、他の対策案が必要である。

同じく注目していた『Vガードエネルギー』は『ザシアンV』の330点を受け流せると考えていたが、『月明かりの丘』+『サイコエンブレイス』によって360打点にて突破されてしまう為、ケアとしては不十分だと判断。

現状の構築では【ロスギラ】対面も安定しないので、両者に有利に立ち回れるカードが必要だと考えました。

解決策として『ミュウex』と『マフォクシーV』が候補に上がりました。

『マフォクシーV』は相手の盤面に依存せず、2面に対して120打点を飛ばせる点が強力ですが、現状のエネルギーを絞っている構築とは相性が悪く、ワザ宣言後の盤面圧が足りないと判断しました。

対して『ミュウex』は相手の盤面に依存しますが、ワザ宣言後もアタッカーとしての存在価値はあるので評価が高く逃げエネ0も魅力であると評価しました。採用での裏目としては【ミラー】でのスタートですが、【ロスギラ】対面でロストインパクトを使用できることも考慮すると、総合的に『ミュウex』の方が分が良いと結論付けて試してみることにしました。


他の変更点としては、【ロスギラ】対面で有効な札として『こだわりベルト』は2枚に戻しました。

また、【サーナイト】対面で強く使えるスタジアムとして『ロストシティ』を2枚採用しました。


[リザードンver4.2(8月30日)]

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前述した『ミュウex』などのサブアタッカーの採用ですが、殴るポケモンを準備するタイミングと『リザードンex』の加速タイミングを合わせる必要があり、今の手札干渉が多い環境では再現性が低いと判断しました。

その為、この日以降メタカードはポケモンのどうぐやスタジアムなど使い切りの良いトレーナーズに寄せる方針を取ることに。すぐに使い切れるカードは『ビーダル』とも相性が良かったです。

変更点は【サーナイト】【ロスギラ】を厚く見る為、『ロストシティ』3枚目と『Vガードエネルギー』を採用。

『ボウルタウン』を減らした理由としては相手のスタジアムを張り替えることができて、自身のポケモンを展開をできる強みがありますが、【リザードン】デッキの性質上、サブアタッカーの採用で相手の回答を得るか自身の耐久を押し付けながら要求を上げて戦う展開が必要な為、相手の行動の要求を下げる『ボウルタウン』はデメリットが目立つと評価しました。

また、相手視点この『ボウルタウン』は張り替える必要性が薄い為、スタジアムを温存されることが多く、後半の『頂への雪道』など有効なスタジアム通りを良くする為に他のスタジアムを採用する必要があると考えました。

また、初動の安定感を支えるカードとして『レベルボール』を2枚に増やしました。

ドローサポートは『アクロマの実験』が安定して強いものの採用理由の言語化ができず他のサポートを試してみることに。リストでは『ジャッジマン』を使用していますが、『シロナの覇気』や『ペパー』なども採用して納得できるカードを探していました。


[リザードンver4.3(8月31日)]

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ゲームを組み立てるにあたって、『アルセウスVSTAR』の着地の有無でデッキパワーが大きく変化すると感じたので3-3ラインに変更。

ボールもアルセウスラインに触れる『キャプチャーアロマ』を試してみることに。


[リザードンver4.4(9月3日)]

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『キャプチャーアロマ』の枠を『アルセウスVSTAR』現物ラインに変更。4-4の最大枚数採用しました。

『アルセウスVSTAR』をアタッカーの軸にするにあたって、2匹目のアルセウスで切り返しが行いやすくなるよう『リベンジパンチ』を『災いの箱』に変更。

初動で殴りやすくなるよう『ダブルターボエネルギー』も増やしました。


4.CL横浜使用デッキ


約1ヶ月以上かけて煮詰めたアルセリザードンですが、こちらが今回使用した構築です。

デッキコード:FkfF1w-kI3LLu-wFkVwF

ここからは採用カードの説明です。

【ポケモン】


・アルセウスVSTAR(4-3)

▷デッキのメインアタッカーかつ潤滑油です。
試合では1-2枚ほど使うと考えていて、初動で必ず展開したいカードのため下は最大枚数の4枚採用しています。上も可能であれば4枚入れたほうが序盤の安定性には繋がりますが、前日の練習で3枚に削ってもそこまで使用感に差異はなかったのでこのまま使用しました。

アルセウスラインを増やせば増やすほど序盤の安定感は上がりますが、中盤以降のドローの質は下がるので折り合いが難しかったです。結論として、『アルセウスVSTAR』を軸として動かしながら要所で『リザードンex』を使用する展開が多くこの枚数配分に落ち着きました。

・リザードンex(3-3)
▷デッキのメインアタッカーです。
基本的には1枚、噛み合いが良ければ2枚使用したいポケモンです。『ピジョットex』採用型と違い「スターバース」以外での準備は安定性に欠ける為、基本的にはアルセウスをアタッカーとして考えて、火力が欲しい終盤やHPラインが欲しい中盤のタイミングを見極めてアタッカー運用することが多いです。

・ビーダル(2-2)
▷デッキのシステムポケモンです。
中盤以降の『ナンジャモ』などの手札干渉に強く出れる点や『頂への雪道』で止まらない特性を評価しています。

環境的に『かがやくゲッコウガ』が強く、進化元の『ビッパ』が「へっちゃらがお」で狙撃されにくい点も評価していて『マナフィ』が不採用でも盤面で「ゲッコウシュリケン」をケアできることが多かったです。

・かがやくフーディン(1)
▷デッキのかがやく枠です。『リベンジパンチ』と組み合わせて使うことで相手のポケモンのダメージラインをコントロールすることができます。
練習段階では【サーナイト】【パオジアン】【リザードン】対面で使用することが多く採用に至りました。


【グッズ・どうぐ】


・ボール系統(4-4)
▷ポケモン現物に寄せた構築の為、ボールは必要最低限の枚数にまとまっています。ボールを増やすほど序盤の安定感に繋がりますが、デッキと相性が良く強い9枚目以降のボールが見つらなかったので現物に頼る形になりました。

・ふしぎなアメ(3)
▷サイド落ちなど考慮して、この枚数配分になっています。『アルセウスVSTAR』が準備できればゲームとして成立する構築になっているので、手張りができていない時以外は『リザードンex』に依存していないのがこのデッキの強みだと考えています。
とはいえ『リザードンex』を中盤以降に強く使うことは難しいと考えているので、ある程度触れて2枚有効に使える3枚採用に落ち着きました。

・入れ替え札(1-1)
▷前日に『あなぬけのヒモ』を増やしたことで計2枚となりました。
基本的に前を取りたいことが多く『あなぬけのヒモ』の評価は高くなかったのですが、2ターン目に裏を殴りたい点やサポート枠を温存しながら雑に裏を呼べる札は「スターバース」の選択肢として強力であると感じました。
また、入れ替え札をスターバースで持ってくる動きが極端に弱いので入れ替え枠を1枚から2枚にすることで単純に素引きする確率を増やしました。

・すごいつりざお(1)
▷リソース管理カードです。『アルセウスVSTAR』に基本エネルギーを3枚つけて殴る試合は終盤のエネルギーリソースがかなりシビアになる為、必要だと思い採用しました。入れ替えコストとして逃げエネを吐く試合や『ハイパーボール』のコストとしてエネルギーを使うこと場面もケアできるいいカードです。

・リベンジパンチ(2)
▷主に【ロスギラ】【サーナイト】【パオジアン】【リザードン】を意識した採用カードです。詳しくは後述する各対面での戦い方に記載しますが、デッキの足りない打点は基本的にこのカードで補うプラン設計をしていました。『災いの箱』の方が見れる範囲は広がりますが、V以外にも貼って機能するパンチを今回は優先しました。

型にもよりますが、このデッキタイプで今の環境だと必須カードであると考えています。


・こだわりベルト(1)
▷主に【ロスギラ】【アルギラ】【白ルギア】などVポケモンを意識した採用になっています。先2で230打点の「トリニティノヴァ」が決まってそのままゲームテンポを維持したままイージーウィンできる試合も一定数あり、練習段階やCL当日も活躍した1枚です。しかしながら、強いシーンや相手がピンポイントなので1枚の採用に落ち着いています。


【サポート】


・ナンジャモ(4)
▷デッキを使う中で一番打ちたいドローサポートがこのカードだったので、最大枚数の4枚採用しています。中盤以降はドロー力が低下しますが、『ビーダル』と相性が良く盤面が崩れない限りは強く使えて、相手の要求を上げることに貢献しました。

・ジャッジマン(2)
▷『ナンジャモ』に次ぐ手札干渉札です。
【ロスギラ】や【サーナイト】などtier上位のデッキは捲り性能が高く、序盤の『ナンジャモ』では止まらないことも多かったので序盤に相手の要求値を上げるカードとして採用しました。

「スターバース」が好きなタイミングで使えるので、手札と相談しながら特性を使うタイミングとサポートを使うタイミングを選択できるので、思っている以上に自分のジャッジマンではデッキは止まりにくいと考えています。

・博士の研究(1)
▷自身のハンドが弱いときや相手のハンドが弱そうなときに使用することが多いカードです。選択肢にあるだけでゲームプランの幅が広がるので必要な1枚だと考えています。

・ボスの指令(3)
▷盤面を作った後は基本的に手札干渉or裏を呼びながら相手の要求を上げるデッキなので3投しています。4枚目は少しだぼつく使用感でした。


【スタジアム】


・ロストシティ(3)
▷【サーナイト】を意識して採用しました。
『リベンジパンチ』だけでは『リバーサルエネルギー』によって乗り越えられてしまうことも多かったので、総合的な60枚で勝てるように構築しました。

相手のロストゾーンがたまるので【ロスト系統】のデッキには場合によっては悪く作用しますが、相手の『ウッウ』や『ヤミラミ』をロストに送ることで『はなえらび』の選択をより難しくする点は評価点でした。

・頂への雪道(1)
▷手札干渉でお祈りする試合が多いので、少しでも相手の要求が上がるよう採用しました。ゲームでより強く使う場合は2枚目以降の採用も検討ですが、このデッキタイプ自体が雪道に強いわけではないので、1枚の採用に落ち着きました。


【エネルギー】


・基本炎エネルギー(8)
▷デッキを使う中でこの枚数が一番しっくりきました。『アルセウスVSTAR』を軸に使用する場合はこれ以上減らすとかなり運用がシビアになると思います。

・ダブルターボエネルギー(2)
▷『リザードンex』が準備できていない場合でも『アルセウスVSTAR』が動かせるようにサイド落ち込みで2枚採用しています。『ビーダル』や『かがやくフーディン』が縛られる展開もあるので、逃げエネとしても使える点は評価できます。

・Vガードエネルギー(1)
▷ピンポイントにはなりますが、【ロスギラ】【アルギラ】【サーナイト】【ルギア】あたりに対して要求を上げる・確定数をズラすことができるカードです。他のカードに比べて再現性が低く、使えるシーンも限定的だったので今大会に出るなら変更している1枚だと思います。


5.基本的なデッキの回し方


ここからはデッキを使用する上での共通項部分に関して説明したいと思います。

まずスタートポケモンですが、先手は後1で倒されにくい環境なので『アルセウスV』を優先的にバトル場に置きます。後手の場合は前が飛ぶことをケアして『アルセウスV』はベンチに展開することが多いです。

序盤はアルセウスV>ヒトカゲ>ビッパの順で展開して盤面を作ります。

『アルセウスV』に手張りできていない場合は2ターン目に加速して殴りに行けるよう『ヒトカゲ』の展開を意識して行います。
また、後手の場合や【ロスト系統】が相手の場合は『ヒトカゲ』が取られて2ターン目殴れなくなる試合展開が厳しいので、1匹目の『ビッパ』より2匹目の『ヒトカゲ』を優先して置きます。

試合を通して『ナンジャモ』『ジャッジマン』での手札干渉と『ボスの指令』を上手く使いながら相手の要求を上げつつ高耐久を押し付けて戦う動きがこのデッキの定石です。

序盤上手くいかずテンポを取られた場合でも『リザードンex』のスタッツが高く、手札干渉と合わせながら動かすことで捲ることも充分に可能なのがこのデッキの強みであると言えます。

手札が悪いとき以外は1-2ターン目のプラン作りがとても重要なので意識して行動すると勝率も付いてくると思います。


6.各対面へのポイント


ここからは環境上位デッキと戦う上で意識したポイントについて触れていきたいと思います。

①サーナイトex (五分)

【サーナイト】相手は基本的に相手がこちらのポケモンを乗りこれるかどうかが勝負の分かれ目になります。

相手のデッキはHP280-330のポケモンも『サーナイト』や『ザシアンV』によってワンパンすることができるので通常通りに殴っていくと捲られる試合展開が多いです。

なので、こちらからのアクションとしては最大限相手の要求値を上げる動きに徹する形になります。

試合を通して『ジャッジマン』や『ナンジャモ』を使用しつつ、常に相手の手札がそこまで多くない状態を維持します。

『ナンジャモ』に関しては相手の手札が厳しそうな場合や相手の手札が少ない場合かつ自分のアタッカーが準備できているときはあえて手札干渉しないこともプレイングの1つです。

また、相手のポケモンを倒すターンにはポケモンがリクルートできないよう『ロストシティ』を貼ることで相手の山札を掘る力を削っていきます。(終盤の盤面形成や手札干渉からの復帰が大きく変化します。)

中盤以降は『サーナイト』がこちらのアタッカーをワンパンしにくるので、『リベンジパンチ』を合わせながら相打ちもしくは倒せず準備するターンを作りにいきます。

相手の『サーナイトex』は最終ターンまたは相手のアタッカーが準備できていない時に倒したいポケモンになりますが、こちらの『リザードンex』が倒されるとワンパンできなくなってしまうので、サイドレースを先行して逃げ切りができそうな場合はアタッカーを無視してexを倒しに行くプランもあります。


②ロスギラ(不利)

【ロスギラ】相手には通したいプランが2つあります。

1つ目のプランは2ターン目の『アルセウスVSTAR』+ 『こだわりベルト』です。こちらは相手が「アビスシーク」をしてきた返しや序盤に裏で『ギラティナV』を準備している際に使用するプランで、通ればそのままゲームテンポを握ることができます。
一気にボードが進む反面、相手の『ギラティナV』が2面いて、「ロストインパクト」で返されるとエネルギーの使い方的にかなり厳しいゲームになるので諸刃の剣であると考えています。

もう1つのプランは『アルセウスVSTAR』+ 『リベンジパンチ』です。
『アルセウスVSTAR』は相手の「ロストインパクト」によってワンパンされてしまいますが、『リベンジパンチ』で40点載せることで『リザードンex』が切り返して相手の『ギラティナVSTAR』を倒すことができます。
裏目としては、『ロストスイーパー』で確定数がズレることや『あなぬけのヒモ』で前をかわされることですが、ゲームとしては成立しているので手札干渉を絡めて捲ることもできます。

どちらのゲームプランも有効ではありますが、「ロストインパクト」と「スターレクイエム」を受けた後にもう1面アタッカーを用意する必要がある点が厳しいと感じています。

また、現在の【ロスギラ】は『頂への雪道』が多投されていて、それを乗り越える必要性がある点もネックであると感じています。

しかし、【ロスギラ】はゆっくりゲームを作って捲る展開になることも多いので、ロストが溜まる前にサイド進行できれば勝てないこともない認識ですが厳しいマッチアップであるといえます。


③パオジアン(有利)

【パオジアン】ですが、基本的には相手の『セグレイブ』ラインを取りつつゲームを作っていきます。

先2で『セビエ』が1面の場合は倒すことで1ターン優位に立つことができますし、『セグレイブ』を倒すことでリソースが立て直しに割かれるため、『スーパーエネルギー回収』などのリソース札やエネルギー現物が必要枚数まで到達しない傾向があると考えています。

こちらのデッキの性質上、序盤のHP220ラインが重く感じますが『リベンジパンチ』で相手のHPを削ったり、システムポケモンを取りつつお互いにサイドを進めることで『リザードンex』を通しやすいボードが作れるとかなり勝率は高いと考えています。

また、CL横浜環境では『ビーダル』が不採用の場合や相方が『アルセウスVSTAR』であることが多く、手札干渉でターンを作りやすい点も有利マッチの要因であると考えています。

相手が『ビーダル』採用型や相方が『パルキアVSTAR』の場合はもう少し勝率が落ちると思います。


④白ルギア(五分-微有利)

あまり練習したことのないマッチアップですが、先手有利な印象があります。お互い上振れて先2で相手のVを倒せるとほぼゲームが決まる印象です。

相手視点こちらのアタッカーをワンパンすることが厳しいので、押し付けてターンを作りますが、『カビゴン』2匹で2-2交換になる為、そこまでサイドレースに差は出ない印象です。

【白ルギア】側は『ネオラントV』などたねのルールポケモンを展開上並べる必要があることが多いので、そこが付け入る隙になると考えています。

注意するポイントとしては、『ミュウex』が採用されていることが多いのでサイド1は経由せずサイドを取り切るか最後のアタッカーは『アルセウスVSTAR』の方がいいと言えます。

因みにtier3以下のデッキは以下のように考えていますが、『頂への雪道』+『ジャッジマン』でこちらが止まるとそのまま押し切られてしまうこともあると考えています。

アルギラ...有利
ミュウVMAX...有利
ミライドンex...微有利
ロストバレット...有利


7.当日のマッチングと備忘録


当日のマッチングは以下のようなものでした。
イージーウィンできる試合もあり、こちらの事故もほぼなく戦えました。

負け試合は全て『ギラティナVSTAR』が絡んでいるので、もう少し強く出れるように工夫できたらと反省しています。

9戦目は相手の引きの強さとメタカードに完敗でした。

CL2024 横浜

使用:アルセウスリザードン

1戦目:ロスギラ 後 3-6 ×
2戦目:パオジアン 先 6-4 ○
3戦目:サーナイト 先 6-2 ○
4戦目:ロスギラ 先 5-6×
5戦目:ロストカイオーガ 後 6-4 ○
6戦目:白ルギア 後 1-0 ○
7戦目:アルセリザ 先 6-1 ○
8戦目:白ルギア 先 6-5 ○
9戦目:アルギラシェイミ 後 3-6 ×

【備忘録】

1戦目→毎ターン手札干渉するも返しでアクロマ打たれ続けた試合。相手のギラティナが乗れず、Vガードアルセで圧をかけるも最後捲れず負け

2戦目→先2で1匹のセビエ狩ってテンポとって勝ち

3戦目→初手ビッパしか置けない試合だったが、先2のナンジャモで復帰。ロストシティが綺麗にささって勝ち

4戦目→先2ベルトノヴァでテンポ取るも、返しのインパクトで4-4。リザで殴るとレクイエムで負けに直結する為アルセV壁にして耐久。ウッウに取られて2-2に切り返すも相手に詰められて負け。相手のプレミでわんちゃん掴んだけど自分のプレミで帳消し負け。

5戦目→手札干渉しながらサイド進めて勝ち。

6戦目→相手がバケッチャ手張りエンド×2で勝ち。イージーウィンでした

7戦目→先2ベルトノヴァで相手のアルセ取って押し切って勝ち

8戦目→先2ベルトノヴァでルギアV狩るも盤面繋がらずギリギリの戦いに。最後エネルギーに触れて勝ち

9戦目→雪ジャッジで蓋するもハイパー→バケッチャ+スタバで返される。Vガード引けず中盤にボード取られて最後にシェイミ災い+ギラティナ構えられて詰み。


8.あとがき


ここまで読んで頂きありがとうございました。

振り返りとしては結果としてはあと1歩届かずという所で終わってしまい、『ギラティナVSTAR』への回答が不完全であった点や勝ちが近づいたときに冷静になれなかった自分の弱さが反省点だと思います。

良かった点としては、ポケカブームで大型大会の抽選が厳しくなり社会人としても結果が欲しいと焦りがあったこの2年でしたが、勝ちを背負い込むことなく良いマインドを維持しながら9試合戦えたことは成長であったといえます。

今シーズン、大型大会にあと何回出れるかは分かりませんがシティリーグや自主大会含めて少しでもプレイヤーとして成長できる1年にしていければと思います。

ではでは。



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