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青森旅行記〜ねぶたの思い出

この夏、瀬戸家は青森に旅行した。夫に私、小学2年生の長男、年長組の次男、年中組の三男、2歳の長女、いつものようにジイジとバアバにも応援を要請しての総勢8人での2泊3日の遠出だ。

青森へは2回目である。前回は数年前、まだ新型コロナが騒がれる以前、三男坊がお腹にいる際に秋田と青森を縦断した。その旅行がとても楽しかったのと、相変わらず獅子舞、鬼、ナマハゲといった日本の民族文化にハマっている三男坊にも興味をそそる場所に違いないと踏んだのだ。
青森といえば、ねぶたが思い浮かぶ。ちょうど8月の頭に青森ねぶた祭が開催されたそうだが、都合が合わず翌週の旅程となってしまった。しかし、今回のお宿は星野リゾートが展開する、体験型テーマパーク「青森屋」だ。この宿は一年を通して青森の祭りの魅力をふんだんに楽しめるショーが毎日開催されており、館内には縁日のような催しもあって大人も子どもも大満足な宿なのだ。

さて出発の日、羽田空港は快晴でみんな意気揚々と離陸したのも束の間、北上するにつれて雲行きが怪しくなり、三沢空港に着陸する頃にはすっかりざんざん降りの雨だった。だがそんな天気はお構いなし、我が家の4人の子どもたちのワクワクは最高潮だ。なにしろコロナ禍で久しぶりになった旅行だ。宿に着くやいなや、ホタテ釣りに金魚すくい、輪投げを満喫し、蛇口からはまさかのリンゴジュースが出て来て大はしゃぎ。我々大人も、広い温泉にゆったりと浸かり、ホタテやマグロなど青森の豪華な海の幸と美味しい日本酒をしっかり堪能させてもらった。

夜はいよいよ旅の目玉のねぶたショーだ。なんでも青森ねぶたの他に、弘前ねぷた、八戸三社大祭、五所川原立佞武多(たちねぷた)の見どころも紹介していくショーだという。きっと三男坊も気に入ってくれるに違いない。
だが、ここでもいつもの小心者モードが発動してしまった三男。肝心のねぶたが登場する前にジイジにすがりつき2人でそそくさと部屋に戻ってしまった。う〜ん、やっぱりかぁ、残念!他の子どもたちは身を乗り出して、ハネトの皆さんのエネルギッシュな踊りを手拍子で楽しんでいたのに。

2日目はお天気が回復したので八戸市を散策した。種差海岸沿をドライブし鮫角灯台まで行ってみた。入りくんだ三陸の岸に打たれる太平洋の大波をしみじみ眺めている間に、波打ち際を走り回ったおかげで子どもたちの手足は濡れた砂でザラザラになっていた。トホホ。
鮫角灯台は日本の灯台50選にも選ばれており、少し小ぶりだが白亜が眩しく、周りの緑の草原と海との景色がとても美しかった。

お昼は行列が絶えない波光食堂で、たっぷり載ったウニ丼と、ウニとアワビをすまし汁で仕立てた「いちご煮」に舌鼓した。あぁ毎日でも食べたい。

午後は八戸市美術館へ。幼い頃大好きだった馬場のぼるさんの「11ぴきのねこ」展が開催されていた。馬場さんはお隣の三戸町のお生まれでもう没後20年以上になられるという。ほっこりする作風に小ずるいけどどこか抜けている野良猫たちの物語は、何十年経っても色褪せない。30年にわたって絵本を描いておられたとのこと。「描くことは生きること」という言葉の重みがひしひしと伝わった。

最終日は宿で飼育されているお馬さんの馬車にひかれて広大な施設内を散策した。前身が小牧温泉だったこの敷地は実に22万坪もあり、温泉の創業者があの日本資本主義の父・渋沢栄一氏とゆかりのある方だったそうで、渋沢邸をわざわざ東京から移築されてあった。馬車からでも重厚な渋沢大門を眺めることができた。それにしても、小牧温泉に浸かると本当にお肌スベスベで気持ちよかったなぁ。

午後は以前から訪れてみたかった十和田市現代美術館へ。館内だけでなく目の前の広場にもたくさんの現代アートが展示されていて、通りがまるごと美術館のようだった。屋外にある草間彌生さんの奇抜でカラフルな作品でかくれんぼしたり、鏡を使った巨大トリックアートでおもしろ写真を撮ったり、子どもたちもアートを満喫できたようだ。

この日のお昼は十和田のご当地グルメのバラ焼き。ジュウジュウとタレに絡めて豪快に焼いた牛バラをお腹いっぱい堪能した。

楽しい時間はあっという間だ。へばな〜、青森。また来るね。

旅行から戻った後に、地元つくば市でねぶたパレードが催された。毎年夏の終わりに開催される「まつりつくば」は、青森から小ねぶたを譲っていただきかれこれ25年になるそうだ。回を経るにつれ、本場青森と同じ大きさの大ねぶたや、筑波山のがまの形をした風船ねぶたなども登場するようになった。ここ数年コロナ禍で開催を見送っていたので、3年ぶりの開催だ。

数週前からいつもの保育園の送迎の道中に、準備のためのねぶた小屋が現れた。今度は三男坊も興味を示し、なんと2日間のパレードもフル参加でどの子よりも楽しんでいた。間近で見るねぶたは大迫力で、お囃子隊の巨大和太鼓による地響きや渋くて素晴らしい歌い手さんの声に熱狂した。

来年の祭りではハネトでパレードに参加したいね、なんて話しながら、瀬戸家のこの夏は終わった。

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