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柔術教則レビュー「加古拓渡 Institute of Jiu-jitsu HALF GUARD LABORATORY」

 今日も今日とて柔術は楽しい。今日は教則のレビュー。ハーフガードの概要を学びたい方にオススメです。

加古拓渡 Institute of Jiu-jitsu HALF GUARD LABORATORY - フルフォース オンラインショップ (fullforce-pro.com)

加古拓渡 / Institute of Jiu-jitsu HALF GUARD LABORATORY [DVD2枚組] | DVD(柔術「国内教則」) | | 格闘技プロショップ 横浜イサミ (yokohama-isami.com)

DVD 加古拓渡 Institute of Jiu-jitsu HALF GUARD LABORATORY (b-j-j.com)

 オンライン版や動画配信はないですが、まだまだ格闘技ショップからDVDで購入可能です!


加古拓渡選手の紹介

加古拓渡(かこたくと)
年齢37歳(2023年12月現在)
グラップリングシュートボクサーズ(GSB)所属
ブラジリアン柔術黒帯三段

主な戦績
IBJJFアジア選手権2013,2014アダルト黒帯ライトフェザー級優勝
JBJJF全日本選手権2015アダルト黒帯ライトフェザー級優勝
IBJJF世界選手権2016アダルト黒帯ライトフェザー級3位(繰り上げ)
IBJJFパンパシフィック選手権、ソウルインターナショナルオープン優勝2回ずつ
JBJJF全日本マスター選手権2022マスター1黒帯フェザー級優勝
JBJJF全日本マスター選手権2023マスター2黒帯フェザー級優勝

 全日本もアジアもタイトルを取り、ワールドでも三位入賞。「世界選手権(ムンジアル、ワールド)を目指す選手としての引退」を公言されていますが、国内ではマスター、アダルトの両方で試合に出場し活躍されており、ワールドマスターにも参加されています。

内容紹介 (フローチャート)

■ハーフガードの基本姿勢
■バッドスポットからの脱出
■アンダーフック
■ディープハーフガード
■ニーシールドハーフ
■ノーシールドハーフ
■シャローハーフガード
■リバースハーフガード
■リバースデラヒーバガード
■vs.スタンディング
片面1層 DVD2枚組 95分+78分

シングルレッグハーフ=シャロ―ハーフ。四の字ハーフ=ノーシールド

 ボリューミー。ハーフガードは距離や形によってたくさん種類があるのでそれぞれのポイントを抑える必要がありますが、この教則でハーフガードに分類されるガードのほとんどを網羅できます。
 知らない形になったらやられてしまうのが柔術です。これを見てハーフの基本から派生まで学び、ハーフで知らない形がないようにしましょう。これを見れば試合でハーフになっても焦らなくなるかもしれません。

ハーフのコンセプト・メリット(なぜハーフなのか)

コンセプト ハーフは保険

 ハーフのコンセプトは2種類あると思います。ディフェンスのハーフ(保険)とオフェンスのハーフです。

 ディフェンスのハーフは必須です。加入必須の保険。いざという時にハーフでパスを止めたり、エスケープしたり、ハーフのおかげで助けられることは多いです。

 オフェンスの場合は保険として「ハーフにさせられる」のではなく自分からハーフを作っていくマインドが大事です。パスに近いリスクの高いガードなので強い気持ちとカウンターで取る技術が大事です。

 ちなみにハーフの必要性やコンセプトについてはこちらの記事にがっつりとまとめています

ハーフガードシーズ①ハーフの必要性と概要「ハーフは保険」|柔術哲学(アンディ) (note.com)

メリット

・パスられ際にディフェンスに使える
・バック・マウント・サイドからのエスケープに使える
・腰の負担が少ない、柔軟性があまり必要ない
・相手を固定できる(バンバン飛んで走ってくる相手に最適)
・タックル(レッスルアップ)と相性がいい
・ノーギ、MMAで使える
・極めれば、メインガードとして攻撃力の高いガードになる
・手順が難しい技が少ない、足の複雑な動きが少ない、手の技が多い(※)

※単純で手を使う技は、相手も同様で手を使って防げるし技を読まれやすいのでデメリットでもある

ハーフのデメリット

・そもそも半分足をまたがれているのでディフェンス力が弱い、パスに近い
・体重を使われる、顔を削られる、しんどい、スタミナ消費が多い
・フィジカル要素が多い
・単純な手を使う技が多く、防がれやすい
・ノーギだと首を狙われやすい=フィニッシュに近い
・組手争いや技のタイミングがシビア

語弊を恐れずいうと、いいガード(こちらが有利な形のガード)ではない

向いている人

・マスター世代
・腰痛持ち
・フィジカル、力が強い
・体が固い、足が効かない
・反射神経が良くない(遠距離パスに反応できない)
・キムラ、タックル、ブリッジなどが得意
・足を締める力、しがみつく力が強い

有効な相手

 ディフェンスとしてのハーフガードならどんな相手でも必要になってきます。オフェンスとしてのハーフガードならあまりに体格差があると厳しいかもしれません。

相性のいいテクニック・合わせて覚えたい技

・作品中のハーフ全般
・ディープハーフとかみつきパス
・リバデラとベリンボロ
・バック系の技
・レッスルアップ(タックル)
・ニーシールドとクローズド
・ハーフパス(ハーフガードを学ぶことでパスも学べる)

使ってみた感想

 もともとハーフは好きなガードなので、内容はスッと入ってきました。ちょっとしたエスケープや組手争いのクオリティが上がりました。また、あまり使っていなかったリバースハーフやオクトパスについての基本を学ぶことができました。

 ハーフからの派生でなる形をほとんど網羅できるので、ハーフで普段と違う展開になっても「この形分からん!やばい!」となることが減りました。

まとめ

 先ほども書いた通りハーフガードは必須のガードです。YouTubeで見たり、クラスで習うのも大事ですが、ハーフは種類が多くすべてをクラス賄うのは難しいです。YouTubeで学ぼうにも初心者だとハーフにどんな種類があるのか分からないので検索ですべてのハーフを見つけるのは大変です。

 ハーフガードを一通りしっかりと身に付けるにはこちらの教則がオススメです。とりあえずこれを見て、ディフェンスを一通り身に付けて、オフェンスは自分に合うものを試しながら見つけていくがいいと思います。

 最後に・・・

「黙ってハーフガードやってろ!」


2023/12/22 アンディ

追伸

 ハーフガードの記事はこちらにまとめています。けっこうたくさんの人が読んでくれてます。ハーフの概念的なことや種類、ハーフとの付き合い方を考える時に参考になるかと思います。


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