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努力とひらめき


エジソン


「天才とは99%の努力と1%のひらめきである」と語ったトーマス・アルバ・エジソンは誰もが知る発明家です。

この発言には誰もが納得ですね。

イチローにしてもスティーブ・ジョブズにしても、天才と呼ばれる人たちは誰よりも努力をしていることは広く知られています。

「努力に勝る天才なし」という諺もあります。


ただ、天才をここで評価しても仕方ありません。

コミュニケーション学者として私が強調したいのはエジソンの修辞です。

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修とは飾りつけを意味します。

修飾語とかで使われる文字ですね。

一方、辞は言葉を表します。

辞書の辞ですから修辞とは言葉の飾りつけです。

これが絶妙なんです。


「えっ?どこが?」とお思いでしょう。

英語では;"Genius is 1 percent of inspiration and 99 percent of perspiration."と言いました。

inspiration と perspiration で韻を踏んでいるんですね。

ちなみに perspiration とは汗なのですが、sweat と言うとあまりにも直接的すぎますので、特に女性は英語では使いません。

「汗をかく」のは「努力する」の比喩です。

日本語でも汗と言われることもあります。

ただ、こうしたら韻を踏んだエジソンのひねりが消えてしまいます。

和訳で修辞が見えなくなってしまいますが、英語だと実は二つの意味で「上手い!」と思わせる名言なのです。


先ほどスティーブ・ジョブズの話を出しましたが、彼も修辞に長けていました。

アップル社がアイポッドを世に出した時の触れ込みは以下のようなものでした。

"1000 songs in your pocket"

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日本語にすると「1000曲をポケットに」でした。

実に分かりやすい表現をしてくれます。


もしこの時の表記が違っていたらどうでしょう?

5GBで102mm x 61.8mm x 19.9mm!

エンジニアであれば別でしょうが、一般のお客さんにはピンときませんよね?

だからジョブズは言葉に飾りつけをしたんですね。


英語では普段の会話でも修辞を工夫します。

当然、準備に時間をかけられるプレゼンテーションには修辞で溢れています。

原稿に言葉の工夫が盛りだくさんなんです。

日本のプレゼンテーションがつまらない理由の一つです。

だって、原稿よりもパワポ作成に時間をかけられるから。

そこら辺で行われている日本のプレゼンは、99%のパワポと1%の原稿ですな。


日本語は普段の会話で修辞を施したら「キザ」とか「寒っ」とか言われますね。

最大限に褒められたとしても「なに上手いこと言ってんだ」とかでしょうか?

言葉の芸術を解することを知らない人が多い。

だって、教育でそこに注目していないからです。

読む訓練は行っていても、書く、または話す訓練をしていません。


プレゼンテーションの神髄を全国に伝え、教育にどんどん提言し続けます。


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