未来が過去を作る ムダのススメ
認知科学者の苫米地英人氏は、過去が未来を作るのではなく、“未来が過去を作る”という。
未来が過去を作るということは、今、行動した結果に未来があるのではなく、あるべき未来があって、そのために今、行動をするということらしい。
ちょっとこんがらがるかも。
たとえば、資格を取るために勉強する、というのは、今の行動が未来を作るという考え方。BのためにAをする。Aに関係ないように思えるCをやることはムダだとされる。
しかし、この一見ムダに思えるCが大事だったりするという考え方が「余白の考え方」。
デザインでも余白は大事で、余白がデザインを作っているというデザイナーも多い。しかし、それがわからない人は、余白を埋めようとする。余白の埋まったデザインは息苦しく、美しさを失う。
未来が過去を作るという考え方を理解していると、この余白の必要性がよくわかる。
今の仕事に直結しないように思えることをやるのは、あるべき未来が見ていて、その未来のために今やることがわかっているからだ。
僕の仕事でいえば、抱えている案件とは直接関係しないイベントや展示会に足を運んだり、関係なさそうな書籍に目を通したりすることがそう。これらのことを「今の仕事に何か関係あるの?」と問われれば、「今は関係ない」としか言えない。
「では、いつ関係するの?」と問われても、「そらはわからない」としか答えようがない。
でも確実に言えるのは、“いつか必ず関係する”ということ。
ほとんどの人は、未来が過去を作ると思っていないので、今ムダに見えることは、未来でもムダだと思ってやろうとしない。僕からすると、それは一見ムダのないことをしているようで、長い目で見ると“大きなムダ”をしてしまっている。
「書を捨てよ、町に出よう」は寺山修司の言葉だが、これこそ未来が過去を作ることがわかっている人の言葉だと思う。
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