接客をしたくないのに旅館で働く後輩のオハナシ
星のリゾートの働き方シリーズ。
今回のテーマは「接客嫌いな人がどう働くか?」
以前、後輩スタッフのAさんはこんなことを言っていました。
「お客様が感動する仕掛け作りに興味があります。でも、接客(お客様対応)は正直苦手なので、なるべくしたくないです!」
接客したくない!?
なんでここにきたの?
と口に出しそうになったのを押しとどめ、その言葉を咀嚼してみました。
なぜ、彼女はここで働けているのだろうか?と。
接客を避けて旅館で働くことができるか?
旅館業といえば、接客業務が大きなウェイトを占めるものです。
その中で、接客をなるべく避けて仕事ができるのかどうか?
結論からいえば、「可能!」です。
なぜならば、星野リゾートではサービスチームという働き方を戦略としてとっているから。
一般的なホテル業のように一つの業務に固定するわけではなく、様々な業務をこなす=接客以外の業務も多い。
接客をゼロにするわけにはいきませんが、それ以外の業務で接客時間を薄めることは可能です。
自分の「好き」や「得意」で勝負する
旅館業での接客の一つに夕食や朝食といった料理提供のサービスがあります。
料理提供と一言で言っても、
お客様に料理を提供し、説明するという業務だけではありません。
説明する文言を考えたり、
料理提供のオペレーションを構築したり、
器などの選定・購入・管理をしたり。
細かく分類すれば、様々な業務があるわけです。
つまり、お客様と接する業務はその一部なのです。
Aさんは食事のサービスなどをこなしつつも、よりよい食事提供のオペレーションへと改善し、作り上げることに専念していました。
<お客様の食事時間の割り振りをどうしたら効率的になるだろうか?>
<どういった手順で料理を運ぶのがいいか?>
<テーブル担当の割り振りはどうしたらいいか?>
といった、様々な課題を、苦手な接客から見つけ出し、彼女の好きなこと(感動する仕掛け作り)を追求していたのです。
個性を認め、働ける環境づくりが必要では?
長い歴史をみれば、産業革命以降、みなが一様に同じ働き方をする、といった労働集約的な働き方は過去のものとなりつつあります。
各人の個性をどう活かすか?
という時代が到来しています。
ブラック企業なんて言葉を耳にしますが、それは労働時間が長いといった肉体的な問題だけではないような気がします。
「社員の個性を無視して、一緒くたに考える」といった心理的な面も含まれるのではないでしょうか?
一人一人、違った個性やキャリアプランがあり、それを柔軟に取り入れ組織とうまくフィットさせること。
それがひいては働きやすい環境となり、離職率の低下につながり、企業の繁栄に繋がる。
そんな時代に突入していると私は感じています。
そんな時代だからこそ、さまざまな業務を一様に考えるのではなく、細かい要素に分解してみる。
すると、表面上、嫌いや苦手だけしか見えていなかった業務の中に、好きや得意を活かす部分も見えてくるのではないでしょうか?
ちなみに、彼女は数年働いたあと、自身のやりたいことを追求するために、別の会社へと活躍の場を移していきました。
嫌いで苦手な接客から得られた経験は、彼女の大きな財産になったんではないか?
と私は想像しています。
おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。
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