見出し画像

アナログな飛行

全体のルールに従ったと言うよりは自身の守りたいことを守った結果、行きたい場所へ行きたい欲が強くなった。

人に会うことを止めていた。必要のない遠出も止めていた。県外の撮影も行かずに我慢した。外食もほぼしていない。耐えきれずにラーメン屋と焼肉屋へは行った。

遠方の撮影は今も止めている。気兼ねなく行けるようになるのは来年くらいかなと思っている。2021年を捨てた訳ではない。来るべき大移動時代に向けて準備を進めている。

画像1

2020年以前、日々の楽しみは行きたい場所へ行って、会いたい人に会うことだった。

週末や連休に旅行をして、人に会って散歩をして、写真を撮って美味しいものを食べて。旅のあとの爽やかで少し寂しい空気と、残した写真に浸るのが好きだった。

遠出や県外への旅行が楽しみの全てではない。半径数kmの散歩はいいものだし、数時間のドライブも悪くない。でもそれだけでは受け取るものの範囲が固まってしまう。

馴染みのない場所で知らないことを発見したかったし、初めて目にする風景を撮りたかった。

画像2

県外や遠方の人達へ。誰も僕を待ってないことは知ってる。でも僕は早く会って散歩をしたい。もう長いことそう思っている。

何でもない会話や撮影時のやり取り。ご飯やお酒を楽しむこと。遊び疲れた後のしんとした時間も全てが愛おしい。

過ぎた時間の写真を眺めながら懐かしんでいる。ここから先は懐かしむばかりを止めたい。来年は行ってもいいかな?

画像3

デジタル越しに風景を眺めていた。パソコンやスマホの画面越しに人と話をした。保存と削除の可能な世界は今後も広がっていく。2020年以降その重要度は増している。

誰も見たことのない世界を作りたい。正しくは「誰もが見覚えのある、初めて目にする世界」を作りたい。

一人きりでは完成しない写真。出来ることならこれまで撮らせて貰っていた人達を撮りたい。写って貰える人が一人もいなくなってしまったら、作りたかった世界は半ばで終わってしまう。それはとても、とてもつらい。

車を走らせて、バスや電車に乗って、飛行機や船に乗って旅をしたい。遠くへ行くことそれ自体に意味がある。

移動の時間は何もない時間ではない。自身の歩んできた道を振り返り、先の未来を確かめる為の大切な時間だ。

アナログな飛行を繰り返す日々へ。準備は整いつつある。

model : yun



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?