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レコード会社の面接試験、本当の攻略法は? Part1

アンドレ元部長です。

前回書いた記事「音楽の価値が変わったのか!?」からの流れで、今回はレコード会社の面接時のポイントや、興味を持たれるポイントについて触れてみたいと思います。音楽業界を目指して就活中の方はぜひ!!

20世紀、レコード会社ディレクターは憧れの職業だった。

自分が知っている限り、現在もレコード会社は多かれ少なかれ新卒、第二新卒を採用しています。今から話す内容はレコード会社を前提にしますが、プロダクション、その周辺ビジネスにも応用できると思います。

ここ15年近く、人事部の依頼で新入社員の採用面接、役員面接をおこなってきました。10年以上前、レコード会社志望の人達はマーケティング希望、プロモーション希望、たまに制作A&R希望が多かったと記憶しています。自分が入社した1980年代は、レコード会社の面接で並んだ就活仲間は、ほとんど制作ディレクター(当時、A&Rという呼称は日本でマイナー)志望でした。

「ロックバンドのディレクターをやってみたい!」

「ディレクターとしてソロシンガーを発掘したい!」

そんな希望や感情は当たり前で、面接でアピールにもなりません。そのぐらい制作志望者が多いのがレコード会社でした。面接の時、原宿のオフィスの前で深呼吸し、オフィス内の随所に垣間見られる業界アイテムに胸をときめかせた記憶があります。妄想の中ではいわゆる業界人、自由なファッションでカッコ良く仕事する自分を勝手にイメージしたものでした。社会に出たらスーツで仕事するのが一般的だとしたら、自由なイメージのエンタメ業界は憧れでしかありません。

音楽を仕事にすることの幸せ

実際レコード会社で仕事をしてみると、ファッションは自由、オフィスも原宿や表参道、青山に渋谷だったりするので、ある意味仕事とプライベートの境が曖昧な感じです。もちろん仕事はピリッとする事が多いですが、音楽を仕事にしてる事が、自分にとっていかに恵まれているのかを考えると、ほとんど乗り越えられます。ここでは書けないぐらい破天荒な上司がいたりもしました(笑)

でも皆さんが思っているほど派手なイメージはないかもしれません。全体的には案外地味かもしれません。自分はロック好きだったので、ファッションもロック系、役員になる直前までmastermind JAPAN、Roenを身にまとい、全身Skullアイテムなファッションで仕事してました。個性的な人がいるのもエンタメ業界、音楽業界ですね。この環境を楽しめる人には最高かもしれません。

学生Aさんの面接時の悲劇とは!?

部長時代に人事に依頼され、新卒の最終面接を何度かやりました。役員面接の手前ですね。仕事も忙しい時期の土曜日に、ほぼ1日拘束されて、5人のグループを5組ぐらい面接します。

その頃のアンドレ部長はRoenのファッションにハマっていて、ロックっぽい感じだったと思います。

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苦手な午前中に部屋に入ると、人事部長から面接時の注意事項と、1日の流れを説明されて、2名の部長で行う段取りを確認されます。正直疲れるなぁと思いながら1組目5人の資料を一人づつ見ていると、2人目のAくんが特にオススメだと人事部からコメントもらいました。確かに履歴書の内容、自分が学生時代に行ってきたマーケティング研究会の内容が、とてもわかり安くまとめられていました。Aさんは、一次の集団面接、二次面接でも評価が高く、人事お墨付きの最終面接メンバーでした。

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人事部のアシスタントスタッフが時間になったのでと、1組目の5人を部屋に通しました。面接官は二人の部長です。たまたまAくんがアンドレ元部長の前に着席。第一印象はかなり良い雰囲気の学生さんでした。

人事部長が最初に2分以内で自己紹介をするように説明して、最初の学生さんが終わり、いよいよ期待のAさんの番、雰囲気を知りたいので見つめていると、なぜか立ち上がったまま「・・・・」。人事部長が「緊張してますか?一度深呼吸しましょう。」と伝えるとAさんは大きく二度深呼吸。しかしまた「・・・」。さすがに人事部長が少し落ち着いてから自己紹介しましょうとフォローして、1組目の面接はどんどん進みますが、最後までAさんは「・・・」で、唯一震える声で「緊張してます。・・・あの・・・自分は、・・・」、結局最後まで自己紹介もできず終了してしまいました。

一組終わる度に軽く採点するので、人事部長にAさんは自分の前に座っていた学生ですよねと再確認すると、やはり間違いありませんでした。最後まで緊張して話せないのに人事部推薦はどうなの?言うと、人事部長は「おかしいですね、彼は一次、二次の面接官もぜひ採用して欲しいと言うぐらい評判良かったのにどうしてでしょう??」と首をかしげるばかり。

そこで人事部長が一言、

「Aさんは、今井部長の前に座ったのが運が悪いですね。部長を見て緊張がピークになってしまったのでしょう。まぁそこが見抜けたので良かったです。」だと。。。。

確かにアンドレ元部長は、ロン毛、茶髪、スカル刺繍入りの派手なシャツに、スカルリングだったかもしれません。身長も180Cmオーバーかもしれません。でも面接官がそんな人だったら、自分なら小さくガッツポーズだけど。だって音楽業界を垣間見れるし、そんな人達と仕事できるんだと喜ぶのが正しい答えじゃないのかしら?

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その時ほど時代が変わったこと、自分のスタイルがもしかしたらメジャーじゃなくてマイノリティなのか?と不安になったけど、いやいやそんな人はゴロゴロいますよ。でも別に噛みつかないし、普通に仕事してます。会社にいなかったとしても取引先のメディアにはいますから。

人事部に次回からもっと普通のスタイルで面接して欲しいと言われるのかと思ったら、その感じで来年もお願いしますだと。踏み絵じゃないんだから。。。(笑)

音楽業界目指すなら、その程度にビビってたら仕事にならないということで、肝心な音楽業界を目指す若者のレコード会社面接時の具体的なポイントは、また次回!!!





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