病み患い日記#2 カテーテルアブレーション
☆「病み患い日記#1 心臓だけは強いと思っていた」の続きです。
母が亡くなったのは夏の終わり。ポッカリ穴が開いたような気持ちだった。しかし年明けには次男の高校受験が迫っていたので、いつまでも落ち込んではいられない。
「もう自分の時間が作れるのだから、前から勧めているカテーテルで不整脈をしっかり治した方が良い」と主治医に言われ、大学病院を紹介してもらった。息子の受験前、何とか年内に終わらせたかった。
仕事に影響が少ない12月初旬に入院、カテーテルアブレーションが決定。3泊4日の入院で済むので準備は楽だった。
カテーテルアブレーションを経験された方は「あっという間に終わり、楽だった」という方が多いようだが、私の場合はもう二度と受けたくない程の激痛だった。
痛みに弱く緊張しやすい私が部分麻酔だった時点でアウトなのだ。当日全く麻酔が効かず、右足の付け根からカテーテルを入れる時の激痛といったらもう地獄だった。それでも進めざるを得ないので、痛みにのけぞるのを押さえてもらいながらアブレーションを行った。途中、全身麻酔の薬を入れてくれたが、もう覚醒してしまって全く効かない。最後まで意識がある状態だった。
良くあるケースでカテーテルを入れてから不整脈が止まってしまうことがあるらしく、私もそのケースに当てはまってしまった。踏んだり蹴ったり。
不整脈が止まるとアブレーションする箇所が分からない為、心臓に刺激を与えて問題箇所を探す。意識がある中、心臓にバクバクッと電気刺激を与えられるというのは、中々経験出来ないことかもしれない。死ぬかと思った。私の心臓はこの医療チームに全て委ねられているのを痛感した。
またアブレーションしている時まるで喉を焼くような熱さを感じ、息が苦しく二度死にそうになった。そして心臓の場所が自分が想像していたよりもかなり中央にあるのも分かった。良いのか悪いのか分からない体験ばかりだった。
手術中ずっと不整脈は止まったままだったので、先生の勘で8箇所焼いてもらった。先生の判断が良かったのだろう、不整脈は完全に治まった。
カテーテルアブレーションは普通1.5~2時間で終わるところ、私はいろいろあったからか3時間ちょっとかけて、ようやく終了した。
しかし安心したのも束の間、その後不整脈以外の症状が出ることになる。
つづく
【追記】
アブレーションを始める前、緊張しいの私に看護師さんが「リラックスするように何か曲をかけるね。何が良い?」と言ってくれたが、それどころではない私は「なんでもいいです…」というのが精一杯。看護師さんはアシスタントの方に「じゃあ世代的に合うやつ、かけてあげて!」と言い、もしかして昭和歌謡曲?と思っていたらミスチルのベストだった。ドンピシャ世代ではないけれど、4つ下の友人がミスチルのファンだったので知っている曲は多い。
ただアブレーション中、3時間延々と流れており、何度シーソーゲームを聴いたことか。おかげで今でもミスチルを聞くと胸から喉へ上がってくる熱や右足付け根の激痛を思い出す。
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