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アメリカの算数教育

本日の画像はどーどーさんよりいただいております。

さて、アメリカ小学校教育第二弾。算数についてです。

まず初めに。日本の算数、もっと考える算数にしないといけないんじゃないの⁉と聞いたりするのですが…私の意見としては日本人として生まれたならば、どこの国にいても、算数は日本のカリキュラムを追っておいた方がいい!と思います。

よく、アメリカの算数は考えさせる問題が多いとか言われており、そうなのかなーとか、日本の算数じゃダメなのかなーとか思っていたのですが、そもそもそんな話ではありませんでした。

逆にアメリカの算数が低レベルで日本の方がいいという話でもなくて、要するにこれです。

そもそも同じ人材育成プランになっていない

この一言につきると思います。

アメリカの算数は論理思考

こちらの画像は、小学校2年生の息子のある日の宿題なのですが…



3問目、このように自分で問題を作ったりすることも要求されたりします。
方向性があっていればOKというやつです。
自分とは違う教育内容を見るのは、子どものためという以外にも、自分の好奇心を満たしてくれます。こんなことやってるんだなといった気持ちにさせられますので。

話がそれてしまいましたね。
アメリカの算数は、このように計算ももちろんさせていますが、上記のように問題を自分で作らせたり、他にも問題を解く手順を説明させたり、ヒントは何か答えなさいといった設問がかなり多いです。
私は、長女が現地校に通いだしたときにこんなハイレベルなこと、ずっとやっているのか…私じゃ現地の勉強は教えられないなと思っていました。
いや、今でも教えることは不可能なのですが…
だから、テストでもオープンブック、何を見て調べてもいいよ、とか、公式が書かれているというスタイルの問題が多いです。
要するに、公式を暗記することより、その答えを導くプロセスやそれを説明する能力が大切というスタンス。

アメリカは、多様な国ですので自分が出した結果や考えを説明することが日本と比べて極めて重要であることから、より説明能力を重視した教育になっているのでしょうね。
理解してもらうことが大切。それは本当にわかります。

日本の算数の質は高い

日本もかなり所謂「考えさせる問題」が増えてきているとは思いますが、
それでも、娘の問題を見ていると、今も昔さながらの正解を導き出す問題、が多いように感じます。

でも、皆様。ご安心ください。これは極めて重要です。
決してこの算数の質が悪いのではないです。
いや、インドに負けてるのではないか!とか、いろいろな意見もあるのでしょうが、私はそもそも日本が衰えているというより、他のアジアが力をつけたということと認識しております。
まぁそれはさておき。

この暗記して答えを出す作業って重要なんです。これ、蔑ろにしてはいけないです。
いろんな意見はあろうと存じますが。私が重要だと思う理由は2つ。

  1. ビジネスはタイムイズマネー
    何かの数字的な問題を解くのに、調べたり計算機を使えば答えは出せるのかもしれません。
    でも、皆様。タイムイズマネーですよ。
    同じことを10分かかる人と5分で終わらせる人、どちらを採用しますか?
    ビジネス上では5分の人の方が重要なのです。
    暗記して計算の解を導き出すことを訓練している日本の算数はここで活きてきます。

  2. 数字の世界に興味を持ちやすい
    説明することを重視して、テストの計算や公式を使った問題をオープンブックでしていくと、特にそこを追求していくという子どもには育ちづらくなります。まったくいないわけという話ではなく、そういう子どもを増やす教育になっていないということです。
    理由としては、公式は覚えなくても見ればよいから、テスト準備で問題にあたる回数が減って、深く考えることをしないからです。

日本の算数が必要な理由

日本の算数の質が悪くないのは何となくご理解いただけたでしょうか。
もちろん、インドや中国をはじめとする他のアジアの国が同じベクトルを持って、さらに高度なことができるようになっているわけですので、改善点がないわけではありませんが、それでも日本の算数、高い質だと感じています。
サンプルとして、我が家の娘は、日本の算数は得意ではないです。本人曰く、難しいのだそうです。そして、アメリカでの英語、特にWritingが得意なのだそうで、実際に成績もよいです。
結果、何が起こるか。アメリカの算数はものすごく良い成績をおさめて帰ってきます。

アメリカの算数は論理思考であり、問題について説明するということを学び、英語の授業では自分の考えを整理して説明する学習をしています。
でも英語ができれば、自分の考えというの説明の部分を数字について説明すればよいだけという構図があるようで、Writingに強い場合、日本の算数を履修することでアメリカの算数はかなり簡単なのだということが言えるようでした。

皆様、ご理解いただけますか?
アメリカのカリキュラムは基本、どの科目でも何かを「説明する」ということを非常に重要視しています。
英語では自分の考えや意見、算数は解を導き出すプロセスや、解そのものの意味、ですね。
でも、そもそも数字、正解を導き出すことそのものの訓練は日本の方がされていますので、結果、簡単な計算はできるけど…といったことが多いようです。

この視点で、説明力をつけるべき、となるならば日本での改善点は、算数ではなく、私は国語において作文をもっとフレームワークを使って毎週のように書かせること、となっていきます。
ただ、このあたりは育てたい能力でどうカリキュラムを組むかが変わってくるとは思いますが、少なくとも算数はこのままの方向性で行ってほしいな…と個人的には願います。

知識は掛け算

我が家の場合は、アメリカのカリキュラムを追うことが環境としてできるため、日本の算数を履修することでアドバンテージを得ています。
皆様の場合は日本の算数を追うことが簡単にできる環境ですので、アドバンテージとして何を得るか、ということになるでしょう。

よく言われることですが知識は掛け算です。

算数の微積ができる×何をプラスするのか。
でもそれは、お子様の特性でそれぞれだと思います。
理科領域、社会領域、言語領域。
私が提供できるのは、アメリカの言語領域、つまり英語だけです。
私が英語を教えるのではありません。むしろ、それはできないです。特性として、言語領域は弱いためなのですが。どれだけ環境があっても、特性として伸びないことはあることをご理解ください。

でも、それじゃ意味のある情報じゃないと突っぱねるのではなく
英語の何を多くの人に届ければもっと日本人の良いところが活かせるか、英語力が伸びるかといったことを子どもの日米両教育を比較しながら分析、情報をお届けすることはできると考えていますので、是非ご参考にしていただけたらと存じます。

なお、もっと緩い日常を記したブログをアメブロで発信しておりますので、
ご興味のある方は、アメリカ生活、子育てってどんな感じかを見ていただけましたら幸いです。

英語については前回の記事で取り上げましたので、こちらもぜひご参照ください。

https://note.com/andmelearning/n/n756cc0031755

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