見出し画像

業界のウワサ話|飲食業界と美容サロンの廃業率と廃業原因には共通点がある?


よく[美容室]と[歯医者]はコンビニより多いといわれます。

弊社は札幌で「店舗専門の設計施工会社」を営んでいますが、全体の4割が飲食業、1割が理美容業、その他は様々となっており、歯科クリニックも10店舗以上仕事をさせていただいています。

今回はもっとも仕事依頼の多い2つの業種[飲食業][美容サロン業]を、比較する形で調べてみました。


美容室の店舗数は2019年の厚生労働省の調査では26万4000店舗となり過去最高、その後も増え続けているそうです。
労働人口は52万にも及び、市場規模は1兆5000億円といわれ巨大なマーケットとなっています。


一方飲食店は2020年の総務省統計局の調査で60万店舗、労働人口は400万人、市場規模は32兆円とされ、美容サロン業界の21倍の市場規模があるとのことです。
マーケットとしてみると比較対象にはならないように思えますが、飲食業と美容サロン業は、高い廃業率を抱えているという共通点があり、その中身が重なる点が非常に多いことがわかりました。

今回、行政の統計データをベースに、民間の調査会社やポータルサイトなどから共通点を、あくまで私見としていくつか紹介します。


廃業率

飲食業

飲食業は新規参入が多い反面、廃業も多い業種です。
飲食店の1年間の廃業率は約3割近くといわれています。
2年で半数以上の店舗が廃業しているという調査報告が最も多く見受けられました。


美容サロン業

美容サロン業も競争が激しい業種であり、廃業率は高いです。
1年間の廃業率は約25%前後としているサイトが多く、こちらも2年間での廃業率は6割近くと半数以上の店舗が廃業しているという情報を多くみます。

飲食業と同様に多くの店舗が短期間で市場から姿を消していることになります。

そこで、なにが廃業の原因になるかを調べてみたところ、多くの共通点があることがわかりました。


廃業の共通原因

飲食業と美容サロン業の廃業には、以下の3つの共通する原因が見られます。

運転資金が底をつく

どちらの業種でもダントツに多い原因として[資金のショート]が見受けられました。

多くの場合、初期投資や運転資金の確保が不十分なまま開業し、その結果、予期せぬ経費や収益の不安定さに対応できなくなることがあります。

飲食業は原材料費の高騰や人件費の増加
美容サロン業は設備や器具のメンテナンス費用も、いくつものサイトで情報提供していました。

運転資金が底をつき、シンプルにお金がなくなり継続ができなくなったケースというのが両業種に最も多く情報が寄せられています。

すこし踏み込んで調べると、資金ショートの引き金となった悪循環も共通の原因としてあげられています。


集客とリピーターの確保不足

飲食業も美容サロン業も、新規の獲得、そしてリピーターとして継続的な売り上げの確保が極めて重要です。

しかし、そもそも新規顧客の獲得ができないケースや、広告費をかけ、割安な対応を余儀なくされることで充分な利益が確保できないまま、さらに広告費をかけますが、それでもリピーターが増えないから新規獲得のため引き続き、もしくはさらに広告費をかけるという悪循環に入り、結果的に資金ショートというケースがあげられています。

いずれも参入障壁が低いとされる業界なので、出店は比較的容易とされますが、ライバルも同様に容易に参入してきます。

競争が激しい市場では新規顧客の獲得や既存顧客の維持が難しく、サービスの差別化が不十分であったり、顧客満足度が低かったりすると、失客率が増加し、廃業に繋がっているというケースが見受けられます。


人員の確保と定着

スタッフの確保と定着は、どちらの業種においても大きな課題です。

飲食業では高い離職率が問題となり、募集してもそもそも応募がなく、やむなく営業日を減らす店舗も随分と多くなりました。
ファサードに限定メニューよりも大きく「スタッフ募集」の張り紙をしているお店もよく見ます。
悪循環ではなく循環すら起きない状況のお店も多々あるようです。

一方、美容サロン業でも問題を抱えるケースが多く、経緯は飲食業とは少し異なります。
アシスタントから一定の教育期間を経てスタイリストやセラピストとなって初めて直接的な利益を生みます。
その前に離職をすることで再度募集、研修・教育、時間もお金も悪循環になります。
美容師免許を取得する人数も増加傾向にあり(理容師は減少傾向)、職場を探している人数はいつつも、高い離職率となっています。

いかに定着させるか?という意味では両業種ともに深刻な問題となっております。

人材の不足や頻繁な入れ替わりは、常に募集をしている状態となり、お金や時間を浪費しながら、サービスの質に影響を与え、顧客満足度の低下に繋がります
効果的で具体的なアクションがないと、沼にはまり、悪循環から抜け出せなくなります。



まとめ

飲食業と美容サロン業は異なる業種でありながら、高い廃業率という共通の課題を抱えています。
運転資金が底をつく、集客とリピーターの確保不足、人員の確保と定着という3つの原因

つまり、

「お金の問題」「集客の問題」「人の問題」が、

両業種に共通する廃業の要因となっています。

これらの課題に対する対策をより具体的に講じることが不可欠になります。
そして、あらゆる業種の共通点になるかもしれません。

時間あるときにでも他の業種も調べてみようと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?