Google アナリティクス 【KPI精緻化】のための 「カスタムディメンション」「イベントトラッキング」
この記事のゴール
下記の概念をご説明し、活用をご検討いただくことが、今回の記事のゴールです。
図1:KPI精緻化とは?
カスタムディメンションを設定することでKPIはどのように精緻化できるか
KPIの精緻化とは?(1) CVR計算の精緻化
カスタムディメンションを設定していない状態では、精緻なCVR計算はできません。下記の図にあるように、分母に余計な数字が混ざってしまう場合が、多々あるからです。
図2:会員登録CVRの精緻な計算方法
上記の左側の例だと、計測期間の前から既に会員になっているユーザーが、会員登録CVRの分母になっているので、正しいCVRが取得できません。
カスタムディメンションを設定してあれば、「どのプロセスに何人移行したか」も正確に計算できます。
下記の例だと、今サイトを訪れているユーザーは、
・非会員:〇%
・会員だけとまだ課金していない:〇%
・初課金はしたが2回目課金はしていない:〇%
といった状況が把握できるようになります。
図3:「どのプロセスに何人移行したか」の計算
カスタムディメンションを設定してあれば、「プロセス間の移行率」も正確に計算できます。下記の例では、各プロセスに何人のユーザーがいるのかが分かるので、プロセス間の移行率が正確に計測できることになります。
図4:プロセス間の移行率の計算
カスタムディメンションで購入回数を取得
カスタムディメンションで購入回数を取得する手順例は下記の通りです。
【ステップ1】
[範囲](スコープ)を[ユーザー]としたカスタムディメンションを作成。例として、名前を(例)「PayNum」とする。ここでは、カスタムディメンションのインデックスには「1」が割り当てられたとする。
【ステップ2】
デバイスをまたがった既購入回数は、ECサイトのサーバー側から出力する必要がある。HTMLソースにスクリプトを、Google タグマネージャ のコンテナスニペットよりも前に記述する。
【ステップ3】
dataLayer変数として出力された既購入回数を格納するため、Google タグマネージャ で種類が[データレイヤーの変数]のユーザー定義変数を作成する。ここでは変数の名前を「PayNum」とし、[データレイヤーの変数名]も「PayNum」とする。
【ステップ4】
eコマースの購入完了ページで発火するトリガーを作成する。種類は[ページビュー]、発生場所は[一部のページビュー]とし、ページURLに「(例)/thanks.html」を含む等の条件を指定する。このトリガーは、下記のタグで利用する。
【ステップ5】
購入の発生をイベントとして送信するためのタグを作成する。トラッキングタイプは[イベント]とし、イベントトラッキングのパラメータの値を入力する。また、オーバーライド設定を有効にし、詳細設定にある[カスタムディメンション]で、インデックスが「1」のカスタムディメンションに上記の変数「PayNum」がセットされるようにする。
以上で、ユーザーが商品を購入する(サンクスページを表示する)たびに、カスタムディメンション「PayNum」の値に既購入回数がセットされます。
イベント トラッキングを設定することでKPIはどのように精緻化できるか
【イベント トラッキング 活用例】として、下記の図のように、IRコンテンツ(上場企業の投資家向けコンテンツ)のリンクがクリックされるとイベントを発生させるという使い方を紹介します。
イベント1は「決算短信・決算情報」の導線のクリック、
イベント2は「アニュアルレポート」の導線のクリック、
という具合に設定していきます。
図5:IRコンテンツにおけるイベント トラッキング
次は、動画見放題サイトにおいて、イベント トラッキングで解約防止策を立案した例です。
「マイリストに追加」をクリックしてもページ遷移しないので、イベント トラッキングの設定が必要となりました。
図6:動画見放題サイトで、イベント トラッキングを活用
次は、CVが無い1枚ページの効果測定をどうしたらよいか?と悩んで、ページスクロール計測で「どこまで読まれたか」を計測し、効果測定とした例です。
図7:ページスクロール計測
まとめ
「毎月、KPIの数字を報告しているが、どうもしっくりこない」と感じておられる方は、KPIにノイズが混ざっていることが原因で、しっくりこないのかもしれません。あるいは「取りたい数字があるのに取れていない」ということなのかもしれません。そういう場合はイベント トラッキングが活躍します。
この機会に、「カスタムディメンション」「イベントトラッキング」の設定を検討されてはいかがでしょうか。
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