今やっていること

私は今、ひきこもりなど就労経験が乏しかったり、本格的な就職活動をするにはまだ少し自信のない方に向けて、“働く”体験を通して実際の就労に向かう為の支援を行っています。
トレーナーやコーチをイメージしていただくと近いかもしれませんが、“働く”体験を一緒にする世話焼きのお姉さんのような役割をしています。現在は特に、ITコースの担当をしています。

メインの通所のコースでは、
まずは週2,3日ほど通うところから慣れていただき、清掃業や農業体験、スーパーの品出しなど、働く体験を通して就労に向けた体力を身につけたり、仕事に必要なコミュニケーションや仕事の進め方などを学んで頂く場所です。

私の担当するITのコースは現在完全オンラインで行っていますが、プログラミングまたはWEB制作を学び、仕事体験、インターンまでを4ヶ月間で行うことができるプログラムです。
プログラミングと言ってもExcelVBAを使って、プログラミングの“考え方”や、“学び方”を習得することがメインだったり、
WEB制作もPhotoshopやIllustratorを使ってみたり、HTMLとCSSを使って簡単なWEBサイトを作成するなどの“行動”をすることで、自分の適性や興味を掘り下げてみることを重要視しています。
他にも仕事をしていく上で必要なコミュニケーションや、タスクの管理、報告や連携の必要性やストレスケアなど、実際の業務に入る前に身につけておくと役に立つ社会人スキルを学ぶことができます。
言語を学んだ後は、架空の顧客から依頼を受けたシステムを要件定義からチームで協力して制作し、顧客や観覧者に向けてプレゼン形式で納品します。
最終的には、実際の企業にインターンに行くこともできます。
もちろんプログラム中に希望進路が変わればそれも応援しています。
それぞれに合った働き方が目指せることが一番ですので、それぞれに合わせた進路の相談に乗っています。


なぜ“仕事体験”をするのか

学校を卒業してすぐ、自分のやりたいことや、それを叶えるための方法がわかっている人って実は多くないんじゃないかなと思うんです。
なんかわかんないけど、とりあえずなにかやらなきゃと思って就活したり、進学したりして行動するうちに、
経験が次のステップの解像度を上げてくれると思うんですね。
今うまく働いてる人も最初は、
失敗したけど、どうにかできたなぁとか、
次はこうしたらうまく行くかなとか、
自分はこっちの方が向いてるなとか、
いろんな経験や人間関係の中で、少しずつのステップで積み上げてきたと思います。

その「とりあえずやらなきゃ」の場所が、
いきなり「社会」だと怖くて一歩踏み出せない人もいます。
誰でもはじめは、失敗するのって不安ですよね。
私のいる就労支援では、
仕事の擬似体験をしていただきながら、
時には失敗したり、立ち上がったり、周りに相談したり、協力したりする経験もしてもらうことができます。
立ち上がり方も、協力の仕方も一緒にサポートしますし、その人にとって必要な方法を一緒に考えます。

全体の雰囲気としては、
皆さんのお悩みや困りごとをきくこともありますが、
私の全然完璧じゃないところとか、失敗するところにも付き合ってもらいつつ、
仕事体験以外にも、ゲームをしたりバンド活動をしたり、雑談などをしながら、
日々を一緒に過ごしてもらっているような感じです。

会社にも学校にも所属していないと、
親以外の第三者の意見を聞くことってあんまりないと思うので、一緒に過ごすうちに気がついたその方の適性などはできるだけお伝えするようにしています。

今は仕事ができている人でも、上手くいっているように見える人でも、もやもやした思いを抱えることってあると思うんですよね。
私はカウンセリングの勉強もしているので、カウンセラーをぜひ利用してもらえたらとは思うのですが、
こんなふうに気軽に頼れる場所が増えたらいいなと思っています。

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ご感想いただきましたので、補足します。

私の勤めている就労支援は、障碍者就労向けではなく、一般就労のための支援機関です。“働く”ことに困っている、無業の若者を対象としています。

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