音楽家が一番望むこと
「応援するアーティストのサブスク再生回数を稼ぐために消音で再生し続けよう」
Twitterで、このような呼びかけを見た。
反論を覚悟で、言おう。
音楽家への冒涜でしかない!
わたしがもし、そのアーティストなら、
「1万回消音再生するよりも、1回でもいいから、ちゃんと聴いて!」
と言いたい。
わたしは大学で音楽を学んだ。
人生のうち半分以上を音楽の勉強と練習、創作活動に捧げてきたし、それなりに人前で演奏もしてきた。
音楽家にとって、いちばんの喜びは
「楽曲を聴いてもらうこと」だ。
届くなら、たった一度でも、たった一人でもいい。
自分の楽曲で
「誰かが、ちょっといい気持ちになれたら」
という気持ちでやっているんだから。
正直、ファンの階層やライフスタイルはさまざま。
なので、いろいろな応援の仕方があってもいいと思う。
再生回数が上がりチャートインが続けば、世間の認知度は上がるだろう。母数が大きくなれば「ちゃんと聴いてくれる人」も増える。「売れること」=喜ばしいことなのは重々、承知の上だ。
(追記)
やむを得ない状況で、消音再生を楽しむことまでは否定しない。
ただ、そうではなく再生回数を稼ぐために消音再生を推奨するのは、断固賛同できない。目的と手段をはき違えているからだ。
楽曲はアーティストが魂を削って産み出した、我が子のような作品だ。カラ再生を推奨するのは、失礼だしリスペクトの無い行為だろう。
音楽を愛するなら、何より歌やサウンドの1音1音を、いつくしんで楽しみたいものなのだが。
もし、アーティスト本人が
「”消音”で再生された結果、稼いだ再生回数」
だと知ったら、どう感じるだろう。
わたしなら
とても悲しい…悲しすぎる(それでも苦笑するしかない)
応援する気持ちはちゃんと伝わっているはず。
だからお願い!
ながら聴きでもいい。ちゃんと楽曲を聴いてください。
これはかつて、演奏を聴いてもらう立場だったわたしの、ちっぽけな叫びです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?