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勝手に強者に仕立て上げられる|『チワワ・シンドローム』を読んで


最近は日内変動が多くて、夕方くらいからようやく気持ちが少しだけ上向いてくる。なんだよ、私は朝から気分よく過ごしてーよ。ざわざわした気持ちのまま、なんかよく分からん気合いを使って本を読んだり映画を観たりしている。コンテンツに触れるのにも気力がいる。

『チワワ・シンドローム』を一気に読み終えた。しばらくこの本について考えたいなと思った。

私は大学時代、どっちかって言うと「持ってる側(この本で言うと強い立場)」にされがちだったな〜と思った。

「あなたは私と違って◯◯だからいいよね」はしばしば言われたセリフである。私はそういうふうに言ってくる人の「持ってるもの」も知っていたし、伝えたかったけど、今その人が欲しいのはそういう言葉じゃないというのはとてもよく分かった。

彼女はいま、「自分はつらい」と言うことが言いたくて、そのために彼女にとって私は「つらくない、持っている人」であってほしかった、のだと思う。私も、当たり前のように「持っている部分は持っていて、持っていない部分は持ってない人」だったのだけれど、その「私」は求められていないようだった。だから私は否定とも肯定ともつかない笑みを浮かべて流した。なんとなく、そんなことを思い出した。

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