【raw wine tokyo】レポート
2024/05/13, 待ちに待った【raw wine tokyo】へ行ってきました!
【raw wine】はイザベル・レジュロンMWがオーガナイズしているナチュラルワインフェスティヴァルです。2017年にLAとNYでの開催を皮切りにロンドンやパリなどで開催、なんと今年2024年は7都市で開催!東京はアジアとしても初開催!
私が【raw wine】を知ったのはイザベル・レジュロンMWの著書【NATURAL WINE】を読んだことがきっかけでした。まだ日本語訳されていないタイミングでしたが、英語の勉強にもなるかなーと思い、読み始めました。(個人的に、海外のワイン書物を読むのが好きでした…笑)そこに綴られた、まだ日本では語られていないナチュラルワインの世界、ぼんやりしていた疑問が明確になりました。生産者についても多くが紹介されており、一つ一つ調べては日本に輸入されているかいないかまでチェックしていました。(オタクか!)そして、いつかは【raw wine fairs】に参加したいなぁーと淡く思っていたら、なんと東京開催!行かないわけにいかないですね!
当日、東京は朝から大雨…。雨だと味覚が鈍る上にその日はなんだか体調も優れず、会場に向かう電車の中ではスーハースーハー深呼吸…。
大丈夫かなー、せっかくなのになーと、やや凹み気味で会場に到着したのはオープンの30分後。午前10時からでしたので一般ゲストも含むイベントだしそこまで混んでないだろうなーと余裕をかまし会場に入ると…なんとすでに盛り上がり絶頂!完全に出遅れましたが、その空気のおかげでスイッチが入り、体調回復しました!
まずはぐるりと一周。どこに何があるかをチェック。試飲したい生産者ばかりでとてもじゃないけど間に合わないことを悟り、とりあえず空気に馴染もうと、気になる韓国と台湾のワイナリーからスタートしました!
初めて飲む韓国のワイン、アロマティックな白と軽くジューシーな赤でした。台湾のワイナリーはニュージーランドからジュースを輸入し、もち米と一緒に発酵させたものがありました!(葡萄以外が入っているけど…ワインって言えないと思ういますが…)
これで弾みがつき、ここから先はすでに取引のある生産者たちと言葉を交わしながら最新ヴィンテージをチェックするスタイルに切り替えました。
まずは近くにのオーストラリアのブースです。
比較的リーズナブルなナチュラルワインを生産する【Das Juice | ダスジュース】とのお話、彼らはインポーターとして世界中のナチュラルワインを輸入しオーストラリア国内に卸・販売をしています。そんな彼らがなぜ他よりもリーズナブルにワインを生産するのかを尋ねました。それは、「なんか、嫌なんだよねー」でした(笑)!オーストラリアのナチュラルワインは大体5000円前後〜となりますが、それだとなかなか続けて飲むことが難しい。なるべく日常的に飲んでもらうには価格設定を低めに抑えることはとても重要だということでした。私もその考え方の人ですので、めちゃ賛同、「だよねー!」みたいなノリになりました。そして、ナチュラルワインブームについても伺いました。すると、「ほとんどの人はリースリングとシラーズだ。」とのこと。思わず、「still?」と言ってしまいましたが、そうなんです。私たちのこの世界はワインビジネスの中でほんの10%程度の世界。(例えば、DRC社のロマネ・コンティの畑は1.805ha、生産本数は4000〜6000本。ナチュラルな生産者達は一つのキュヴェにつき生産本数600本〜。600本は少なすぎますが、あります。。。)そんな小さな世界であーでもない、こーでもないと言っているのです。わかっているつもりでもこの世界に没頭していると忘れがちな事、改めて井の中の蛙にならぬよう、腹落ちさせたいと思います。
フィンランドのワイナリーも来ていました。オーストリアの葡萄を使用、フィンランドで醸造しているそうです。日本でもよくある事ですが、海外からワインや濃縮還元ジュースを輸入し、醸造して日本のワイナリーのワインとして販売する事がナチュラルワインの世界でも、もはや増えてきており、『よくあること』になりそうな気配がします。それは果たして”ナチュラルなのか?”という疑問もありますが…こんな時は、ナチュラルワインに共通するキーワード、『自由』が横槍を入れてきます。
私は【Pepin | ペパン】というアルザスのワイナリーが大好きですが、彼らは南仏やスペインの葡萄を使い、アルザスの醸造所でワインを造っています。今回の【raw wine tokyo】でもお会いしました。【Pepin | ペパン】から感じ取れるセンスがよく心地よいもの、ヴィンテージもブドウもセンスよく混ぜちゃうよー、一緒に飲んで楽しもー!とは、まさに『自由』!
コンヴェンショナルなワインから入った私達〜私たちより上の世代にとって、ナチュラルワインはルール(AOC、DOCGなどのワイン法)でがんじがらめのワインと比較した時に、感じられる『自由』はとてもカッコよく見えますし、ストレートに味わいが心に届きます。ナチュラルワインを単に醸造の面で『ナチュラル』というならば、長距離移動した葡萄やジュースを使用しても『ナチュラル』なのでしょう。でもそれって、無理矢理感ない?運ぶ時CO2めっちゃ出てるよね?短距離ならいいの?同じ国内ならいい?など、考え出すと止まらないので、この話はここまでで…笑。
スペインの【Jordi Llorens| ジョルディ・ロレンス】は奥様が缶ワインプロジェクトを始めたということで、紹介していました。実は、今年の夏は缶ワインもいいなーと思い、たまたま良いものを見つけたばかりでした。そのワインは所謂ナチュラルワインではないのですが、まさかナチュラルワインでも缶が登場するとは!そして、缶ワインマーケットについて尋ねると「うん、いいよー。」との事、笑!
今はクラフトビールでもおしゃれな缶に入っており、そこそこの価格がするものが多く見られます。だったら、ナチュラルワインもありだな!と思いました。瓶よりも重たくなく、扱いやすい点も利点だと思います。保管が瓶よりも保たないのが欠点ですが、そもそも缶ワインにプレミアムさは求めないので、がぶ飲みワインを詰め、早くに消費すればいい話ですね。
他にも多くの生産者さん達と言葉を交わし、ワインを注いでもらいました。
みなさん暖かく、交流を楽しんでいるご様子。お大きなイベント2日間、それ以外にも各社個別のイベントもあるだろうに、ディナーもやって朝から晩まで予定びっしりだろうに、さすがです!パワーガンガンにもらえたイベントでした。
お疲れ様でした!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?