“社内で行われた俊逸なやりとりを自分用に保存する”ズボラ管理法
メルカリの新卒プロデューサーanboo(あんぶー)です。
今までは社内Wikiでクローズドに情報発信するのみだったのですが、社外に出せる情報は積極的に出していこうと、この度noteをはじめました!
今回は“社内で行われた俊逸なやりとりを自分用に保存する” ズボラ管理法について!
この記事に書いてあること
▼導入
・優秀な人は、優秀な人の言動をメモって真似てる!
・やろうと思っても続かない!だってにんげんだもの。
・めんどくさいことは、システム化しちゃおう☆
▼設定方法
・投稿にリアクションをつけると、botがつぶやく
・投稿にリアクションをつけると、スプレッドシートに反映される
・スレッドにコメントすると、スプレッドシートに反応される
(※Zapierを使って、Slackとスプレッドシートを連携します)
▼応用編
・Botとして投稿してみよう
・みんなで管理する方法
・タスク管理への応用
・人事評価のフィードバックへの応用
・Slack以外のアプリへの応用
まず、私が「俊逸なやりとり」を保存しようと思ったきっかけについて
優秀な人は、優秀な人の言動をメモって真似てる!
私の尊敬するメンターとマネージャーに言われた印象的な言葉をご紹介します。(※記憶が曖昧なので、セリフはイメージです。趣旨はこんな感じ…)
「うちは優秀な人がたくさんいるから、日々の業務の中で学べることがたくさんある。一番怖いのは、一緒に働いている人たちの良いところに気づかずにスルーしちゃうこと。せっかくの成長の機会なのにもったいない。俺はSlackの投稿で、これいいな、と思ったものは全部メモしてるよ。」
「一緒に働いた上司のセリフとか仕事の進め方とかはとにかくメモってる。自分と立場が違ってすぐに活かせなくても、自分が同じような課題にぶつかったときに”あの人ならどうするかな?”ってメモを見返しながら考えてる。実際こうしてマネージャーになった今、すごく役立ってるよ。」
何が言いたいかって、そう!
「優秀な人は、優秀な人の言動をメモって真似てる!」ってこと。
いくら優秀な人がゴロゴロいる恵まれた環境にいたとて、ぼけーっと仕事してるだけではなかなか吸収できないんですね。
でも…
やろうと思っても続かない!だってにんげんだもの。
私は継続してコツコツなにかをするということがとっても苦手なので、↑のコメントを受けて何度もメモしよう!と思い立ちましたが、どれも見事な3日坊主となりました。
いろんな書き方や、数多のテキストエディタを試したけどだめだった…。
学生時代、最初の数ページだけ書いたノートを量産したタイプです、ハイ。
そこで考えた!
めんどくさいことは、システム化しちゃおう☆
Slackで「いいな!」と思った投稿に、リアクションをつけただけで、勝手にスプレッドシートにまとめられたら楽じゃない?
リアクションをつけた投稿が、まとめ用チャンネルに勝手に投稿されたら、自分のメモ用コメント付けるのも忘れずにできそうじゃない?
その上、Slackでちょいちょいっと投稿した自分のメモ用コメントが、スプレッドシートに自動でまとめられてたら…?
これ、全部Zapierでできるんです。
早速、設定方法を見ていきましょう。
設定方法を噛み砕いて解説するよ(非エンジニアも楽勝!)
弊社のコミュニケーションツールはSlackなので、Slackでの設定方法を書いていきます。(他のツールだよって人、ゴメンナサイ)
動作イメージ
①投稿にリアクションをつけると、botがつぶやく
②投稿にリアクションをつけると、スプレッドシートに反映される
③スレッドにコメントすると、スプレッドシートに反映される
はい、こんな感じです!
それでは設定方法、いくよ〜!
設定①投稿にリアクションをつけると、botがつぶやく
まずはZapierでアカウントを作成して、Zapを作りましょう!
オレンジのボタンです。
設定は、簡単2ステップ!
1. Add TRIGGER - Slack (New Reaction Added)
▼トリガーとなるリアクションを設定
1-1. Choose a Trigger App: Slackを選択
1-2. Select Slack Trigger: New Reaction Addedを選択
1-3. Select Slack Account: 自分のSlackアカウントを選択
1-4. Set up Slack Reaction:
- Reaction: トリガーに用いるEmojiを設定
- Channel: なし
- User: 自分のSlackアカウントを設定
2. Add ACTION - Slack (Send Channel Message)
▼リアクションした投稿をシェア
2-1. Choose an Action App: Slackを選択
2-2. Select Slack Action: Send Channel Messageを選択
2-3. Select Slack Account: 自分のSlackアカウントを選択
2-4. Set up Slack Channel Message:
- Channel: シェアするチャンネルを設定
- Message Text: 元の投稿のパーマリンクを挿入
- 右上の +ボタン を押す
- New Reaction Addedを選択
- Message Permalinkを選択
- 他はデフォルトのままでOK
これだけです!
あとはTestして保存すれば、動くはず!
期待通りの挙動になるか、実際のSlackで試してみてください。
Zapを有効にすることをお忘れなく!
設定②投稿にリアクションをつけると、スプレッドシートに反映される
先程設定したZapに、設定を追加します
先に、管理用のスプレッドシートを用意しておきましょう。
▼スプレッドシートを作成する
1行目のA~E列に、以下を記入する
- [A-1] Message Ts
- [B-1] 投稿者
- [C-1] パーマリンク
- [D-1] テキスト
- [E-1] コメント
3. Add ACTION - Google Sheets (Create Spreadsheet Row)
▼スプレッドシートに、Slackでリアクションした投稿を反映する
3-1. Choose an Action App: Google Sheetsを選択
3-2. Select Google Sheets Action: Create Spreadsheet Rowを選択
3-3. Select Google Sheets Account: 自分のGoogleアカウントを選択
3-4. Set up Google Sheets Spreadsheet Row:
- Spreadsheet: 管理用スプレッドシートを選択
- Worksheet: 管理用シートを選択
- Message Ts: 空欄のまま
- 投稿者: 元の投稿の投稿者を挿入
- 右上の +ボタン を押す
- New Reaction Addedを選択
- Message User Nameを選択
- パーマリンク: 元の投稿のパーマリンクを挿入
- 右上の +ボタン を押す
- New Reaction Addedを選択
- Message Permalinkを選択
- テキスト: 元の投稿のテキストを挿入
- 右上の +ボタン を押す
- New Reaction Addedを選択
- Message Textを選択
- コメント: 空欄のまま
これで、リアクションをした投稿がスプレッドシートに反映されるようになったはずです。
期待通りの挙動になるか、実際に試してみてください。
③スレッドにコメントすると、スプレッドシートに反応される
これは俊逸!と思った投稿に対して、なにが良いのか自分なりのコメントを残すようにすると、より身につきそうですね。
自分が同じような状況に置かれた時に活かせるように、抽象度を上げてメモができると良さそうです。
自分なりのメモを、Botの投稿にスレッド形式で投稿したら、自分用の絵文字でリアクションをつけましょう。先ほどのスプレッドシートに反映されるようにします。
先ほど設定したZapのステップ3に、設定を追加します
3. Add ACTION - Google Sheets (Create Spreadsheet Row)
▼スレッドの元となる投稿のkeyを取得する
3-4. Set up Google Sheets Spreadsheet Row:
- Message Ts:
- 右上の +ボタン を押す
- Send Channel Messageを選択
- Message Tsを選択
これで、先程の管理用のスプレッドシートの [A列] Message Ts に数字が入るようになるはずです。
期待通りの挙動になるか、実際に試してみてください。
注意!
この時、[A列]は小数点第6桁まで表示されるように、スプレットシート側で調節してください。
次に、新しいZapを作成します。
設定は3ステップ!
4. Add TRIGGER - Slack (New Reaction Added)
▼トリガーとなるリアクションを設定
基本の設定方法はステップ1と同様です。
絵文字はステップ1で使用したものと別のものを使いましょう。
4-4. Set up Slack Reaction:
- Reaction: トリガーに用いるEmojiを設定
- Channel: ステップ2で設定したシェア用チャンネルを設定
- User: 自分のSlackアカウントを設定
5. Add ACTION - Google Sheets (Update Spreadsheet Row)
ここで、SEARCHより先に、ACTIONを追加します!
順番に注意してくださいね
▼スプレッドシートに、Slackでリアクションした投稿を反映する
5-1. Choose an Action App: Google Sheetsを選択
5-2. Select Google Sheets Action: Update Spreadsheet Rowを選択
5-3. Select Google Sheets Account: 自分のGoogleアカウントを選択
5-4. Set up Google Sheets Spreadsheet Row:
- Spreadsheet: 管理用スプレッドシートを選択
- Worksheet: 管理用シートを選択
- Row:
- Add a Search Stepを選択
6. Edit SEARCH - Google Sheets (Lookup Spreadsheet Row)
ステップ5によって、SEARCHが作成されるので、編集していきます。
▼スレッドの元の投稿の列を探す
6-4. Search for Google Sheets Spreadsheet Row:
- Spreadsheet: 管理用スプレッドシートを選択
- Worksheet: 管理用シートを選択
- Lookup Column: Message Ts
- Lookup Value:
- 右上の +ボタン を押す
- New Reaction Addedを選択
- Message Thread Tsを選択
- 他はデフォルトのままでOK
※スプレッドシートに入れたMessage Ts(ステップ1のトリガーのリアクションをつけた投稿のkey)と、スレッドのコメントのMessage Thread Ts(ステップ4のトリガーのリアクションをつけた投稿)を紐付ける作業をしています。これによって、どの投稿に対するコメントなのかを判別してスプレッドシートの正しい行にコメントを反映します。
7. Edit ACTION - Google Sheets (Update Spreadsheet Row)
最後に、ステップ5の設定の仕上げをやりましょう
▼スプレッドシートに、Slackでリアクションした投稿を反映する
5-4. Set up Google Sheets Spreadsheet Row:
- コメント
- 右上の +ボタン を押す
- New Reaction Addedを選択
- Message Textを選択
- 他はデフォルトのままでOK
これでおしまいです!お疲れさまでした
あとはTestして保存すれば、動くはず!
期待通りの挙動になるか、実際のSlackで試してみてください。
アレンジ自在!使い方応用編
今回紹介する応用的な使い方はこちら!
・Botとして投稿してみよう
・みんなで管理する方法
・タスク管理への応用
・人事評価のフィードバックへの応用
Botとして投稿してみよう
Zapierのデフォルト設定では、自分のアカウントが投稿したように見えますが、せっかくならかわいいBotにしゃべらせたいですよね。
先ほどご紹介したステップ2に以下のような設定を追加すると、カスタムBotがおしゃべりしてくれます。
2-4. Set up Slack Channel Message:
- Send as a bot? : yes
- Bot Name: Botの名前を設定
- Bot Icon: Botのアイコンを設定
- imageのURLを設定するか、Slackの絵文字を設定する
※Slackでカスタム絵文字を追加すると、表現の幅が広がりますよ。
みんなで管理する方法
先ほどのやり方では、自分がつけたリアクションにしかBotは反応しませんが、もちろん複数人で管理することも可能です。
ステップ1を少し編集しましょう。
1-4. Set up Slack Reaction:
- User: 空欄にする
これで、トリガーに設定した絵文字で誰かがリアクションすれば、漏れなくBotが発動します。
しかし、これだけではちょっと不十分です。
複数人が同じ投稿に対してトリガーの絵文字でリアクションした場合、その度にBotが発動してしまいます。
また、自分が興味のないチャンネルで、誰かが意図せずトリガーの絵文字でリアクションした場合も、Botは発動してしまいます。
これを防ぐ方法をご紹介しましょう。
ステップ1とステップ2の間に、この3つを追加します。
8. Add FILTER - FILTER (Only continue if...)
▼Botを発動させたくないチャンネルを追加
8-1. Choose an App: FILTERを選択
8-2. Select Filter: Only continue if...を選択
8-3. Filter Setup & Testing:
- 左: New Reaction Added > Message Channel Nameを選択
- 中央: (Text) Does not exactly matchを選択
- 右: botを反応させたくないChannel名を設定
このFILTERを応用すれば、特定のアカウントの投稿だけでBotを発動させたり、特定のKeywordを含む投稿だけでBotを発動させたり、なんてこともできます。
8-3. Filter Setup & Testing:
- ここで、ANDやORを用いて複数の条件を指定することができます
9. Add SEARCH - Find Message (Lookup Spreadsheet Row)
▼多重投稿を制御するために投稿のパーマリンクを検索
9-1. Choose a Search App: Slackを選択
9-2. Select Slack Action: Find Messageを選択
9-3. Select Slack Account: 自分のSlackアカウントを選択
9-4. Search for Slack Message:
- Search Query:
- ステップ2で設定したチャンネルを指定(ex. in:#zp-anboo)
- 右上の +ボタン を押す
- New Reaction Addedを選択
- Message Permalinkを選択
- 他はデフォルトのままでOK
10. Add FILTER - FILTER (Only continue if...)
▼多重投稿を制御するために投稿済みのものがあればスキップする
8-1. Choose an App: FILTERを選択
8-2. Select Filter: Only continue if...を選択
8-3. Filter Setup & Testing:
- 左: Find Message > Permalinkを選択
- 中央: Does not existを選択
これで、同一の投稿に対してBotが発動することがなくなりました。
タスク管理への応用
Slackで日々のタスクの共有をしているチームも多いのではないでしょうか。
先ほどのZapを応用すれば、後から振り返りやすいようにスプレッドシートに一元管理することができます。
また、Slackで突発的にタスクが生じることってありませんか?
そんな時も、自分の絵文字をトリガーに設定しておけば、忘れないようにスプレッドシートに反映させることができます。
DONEスタンプも設定しておけば、進捗管理までできますね
無事タスクをやり遂げて、チームの人から感謝の言葉をもらったら…?
嬉しいスタンプを設定しておけば、後から眺めてニヤニヤすることだってできちゃいます(してませんよ!笑)
こんな風に、発想次第でとても自由にBotを活用することができます。
人事評価のフィードバックへの応用
チームメンバーの人事評価のフィードバックをする時、すっとコメントがでてきますか?(私は期末にメンバーのReviewを書く度に、もっとちゃんとメモしとけばよかった…と後悔の念に苛まれています)
日頃からスタンプを使ってメンバーのSlack投稿を溜めていれば、
メンバーの俊逸なアウトプット、ナイスな判断、注意してもらいたい言葉の使い方、などを簡単に振り返ることができますね。
(スプレッドシートで、投稿者のフィルターをかけましょう)
Slack以外のアプリへの応用
きりがないのでSlack以外のアプリはここでは詳しく紹介しませんが、
・Twitterでいいねやリストインしたツイートを管理する
・Pocketで保存した記事を管理する
などなど、いくらでも別アプリに応用可能です。
みなさんのインプットスタイルに合わせて、アレンジを楽しんでください!
終わりに
いかがでしたでしょうか?
私は業務の効率化をするのが好きなので、ZapierやIFTTT、GAS (Google Apps Script) などを使って日々のルーチンワークをなるべく自動化するよう心がけています。
今回ご紹介した使い方以外にも、あらゆることが驚くほど簡単に自動化できてしまいます。
ぜひ、日々のルーチンワークを見直して「これはもしかしたら自動化できるんじゃないか?」と試してみてくださいね
Zapierを導入していないところもあると思いますが、他の業務効率化ツールでも似たようなことができると思います。
(Integromatが評判いいようですが、私はまだ使ったことがありません…)
メルカリの業務自動化の取り組みについては、こちらの記事をご覧ください
最後まで読んでいただきありがとうございました!
(追記)読んでくださった方の感想
嬉しい感想をたくさんいただいたので、最後にいくつかご紹介させていただきます!
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