見出し画像

【ニュージーランド総選挙2020】投票してきました。と、選挙に対する私の考え2020

当日は混むだろうし、明日は天気も悪そうなので、本日、事前投票に行ってきた。事前投票は、近くのショッピングモールや図書館や教会の限られた投票所でやっていて、投票所の様子はこんな感じ。

画像5

投票所の様子

選挙管理委員会が使っているオレンジ色の「VOTE HERE」が目印。COVID-19もそうだけど、こういう行政のデザインの使い方はいいと思う。パッと見ただけでそこにどんな情報があるかわかるから。

画像3

少し並んでいたが、数分で順番が来た。選挙管理委員会の人が4列で受け付けしていて、投票者が持参したVOTEカードを手作業で名簿とつき合わせて確認していた。

画像2

免許証などの本人確認はなく、名前を申告しただけだった。

画像4

政策比較は容易じゃない

さかのぼること1時間ほど前、私は家で妻と一緒にうんうん唸りながらどこの政党に投票するのか考えていた。

選挙で難しいのは、各政党は好き勝手に政策を打ち出すので、政策ベースで単純に比較するのが難しいことだ。党員やサポーターになっていれば別だが、ある政党がどんな政策を訴えているのか、事細かに把握することは難しい。で、見つけたのがこのサイト。

これはSpinoffというメディアが作った政策比較サイトだ。各政党の政策をテーマ別にカードのように並べてある。

全画面_2020_10_16_20_36

自分が支持する政策に「いいね」をしていくと、それが積み重なって支持した政策がどの政党のものかの分布が円グラフで出る。

全画面_2020_10_16_20_45

注:上記は説明のためにランダムに政策を選びました

政策テーマのさらに下にサブテーマがあり、そこに政党ごとに政策がカードのように並んでいる。

全画面_2020_10_16_20_59

例を挙げてみよう。

上記は、温室効果ガス排出削減のサブテーマにおける、Green Partyの政策だ。Green Partyは、環境問題の解決を党是にする左派政党だから、このページではカード(政策)が画面に入りきらないほど多くなる。

では、他の政党はどうだろう。どうせなら2大政党のレイバーとナショナル以外のを見てみよう。

全画面_2020_10_16_20_58

Advance New Zealandは、議席を持たないいわゆる泡沫政党。主張は急進的経済右派で、カードの数が極端に少ない。驚くべきことにいまどき温室効果ガスの削減に反対する政策を掲げている。経済成長のためには環境問題なんか知ったこっちゃないという態度がわかる。

その下のACTは、現在の議会で1議席を有するいわゆる新自由主義的な経済右派だ。ちょうど日本で言えば日本維新の会のポジションに相当するだろう。Advance NZほどではないにしろ、積極的な削減、というよりカーボンオフセットで経済成長を犠牲にしないようになんとかお茶を濁そうという程度だ。

テーマ多過ぎ

いいサイトに違いないのだけれど、やってみればわかる。これは果てしない。なにしろ、テーマだけでもこんなにある。

Transport and infrastructure
Borders and migration
Community and inclusion
Defence and foreign affairs
Economy
Education
Environment
Health
Housing
Incomes and employment
Law, justice and government
Media, culture and recreation
Te ao Māori
Education

そして、さっきの温室効果ガスの話は、太字のEnvironmentのテーマ内のひとつのサブテーマに過ぎない。それぞれのテーマの中にサブテーマが10個弱ある。

重複もあるが、単純計算で約140個のサブテーマにそれぞれの政党がさっきみたいにカードを並べているのだ。いったい幾つのカードを見ればいいというのか。

飽きた

案の定、やっているうちに飽きてしまって、全部見ることなんかとてもできなかった。

苦肉の策として、より関心のあるテーマに絞り、その中でカードの数と、カードの最初の動詞(Continue Retain Revise Review Oppose End Ban等)の含意で記号的に把握するしかなかった。

動詞で、その問題に対して現状維持なのか、改革なのか、禁止なのかがわかる。上記の「Continue Retain Revise Review Oppose End Ban」では、左ほど現状肯定、右に行くほど現状否定。

そうやってふと気がつく。ナショナルとレイバーは、中道右派と中道左派だから、結局政策が似通ってしまう。どちらが政権をとっても、ニュージーランドが直面する問題は一緒なわけで、魔法のように問題を消してしまうオプションが無い以上、堅実にやるならほとんど政策が同じになる。政権担当する政党の宿命だが、なんだ、これではどっちに投票しても同じということになってしまうぞ。

しかし、その政権に急進政党が連立すると、中道を行こうとする政権を左右に引っ張ることができる。今のレイバーはGreen Partyと連立を組んでいるが、世の中をもっと社会主義的にして欲しいならレイバー支持者がGreenに入れることに合理性が出てくるかもしれないし、ナショナル支持者がACTに入れる意味があるのかもしれない。

有料:最後に、私の考えをちょっとだけ

ここから先は

986字
この記事のみ ¥ 200

たくさんの方々からサポートをいただいています、この場を借りて、御礼申し上げます!いただいたサポートは、今まではコーヒー代になっていましたが、今後はオムツ代として使わせていただきます。息子のケツのサラサラ感維持にご協力をいただければ光栄です。