見出し画像

パイロットのメシ事情

ライントレーニングが始まると、ニュージーランド中の空港に飛んでいく機会に恵まれる。私のベースはウェリントンだが、トレーニング中は専門の資格を持つ「トレーニングキャプテン」としか飛べないので、勤務(自分のベースから離れて戻ってくるまで)ごとに違うベースのキャプテンと飛ぶことも多い。

大体は私がウェリントンからキャプテンのベースにPAXで移動するのが勤務の始まり。朝早くの場合もあれば、午後イチの場合もある。遅く始めると、当たり前だがその日は遅く終わる。何回か色々なシフトを経験すると、曜日の感覚が完全になくなる。午後勤務の最終便が終わると、真っ暗の中をトーチを持って飛行機の周りを歩いて点検する。夜遅いと、数本のフライトでもやっぱり疲れる。空港には会社が契約した会社のタクシーが迎えにきていて、すぐにホテルに直行だ。

ホテルに着くと、キャプテンやCAと一緒にチェックインし、その日はおしまい。キャプテンにもよるが、夕飯をともにすることは意外にも少ない。加えて、今まで大体がミニマムステイといって、翌日が早朝便だったりするので、あまりだらだらと飯を食っている時間もない。ほとんどシャワー浴びてさっと飯食って寝るだけだ。こっちはレストランで外食してメインを頼むと大体30ドルはしてしまう。一食3000円って感じ。高いので、よく行くのはチャイニーズ系の弁当屋だ。それでも12ドルとか。吉牛のような感覚で入るのだが、値段は5倍以上する。でももう慣れた。日本が安すぎるんだろう。

先日、翌日が午後便というシフトがあったが、とりあえず散歩ぐらいしかやることがなかった。その辺をウロウロとさまよっていたら、青い色をして直線的に飛ぶ、体の割にくちばしの大きな鳥を見つけて、それがカワセミだとわかるのにしばらく時間がかかった。確かに川べりだったが、まさかこんな河口付近にカワセミがいるとは思わなかったのだ。子供の頃図鑑で見た、ダイビングして魚を獲るハンターを間近で見たのは生まれて初めてだった。

そんなこんなで、ホテル暮らしをまぁまぁ楽しんでいるわけだが、問題は食事だ。やっぱり日本人だからか、味噌汁と米がいないと力が出ない。朝はホテルの食事だが、ほとんどこういうやつ。

ここから先は

1,157字 / 4画像
この記事のみ ¥ 100

たくさんの方々からサポートをいただいています、この場を借りて、御礼申し上げます!いただいたサポートは、今まではコーヒー代になっていましたが、今後はオムツ代として使わせていただきます。息子のケツのサラサラ感維持にご協力をいただければ光栄です。