応援メッセージ_01

【ラブレター from インフルエンサー#13】「バタイユ先生にも来てもらいたいわね。」(ヴィヴィアン佐藤さん/美術家・ドラァグクイーン)

「アナキド」プロジェクト・クラウドファンディング実施にあたって、各界のインフルエンサーのみなさまに応援メッセージという名のラブレターをいただく本連載【ラブレター from インフルエンサー】。

クラウドファンディングも残すところあと3日。
それに伴って、残るラブレターもたった2通となりました。

本日、第13回目のインフルエンサーは、新宿2丁目を本拠地に、全国各地で活動する美術家・非建築家・ドラァグクイーン・映画評論家・プロモータと様々な顔を持つヴィヴィアン佐藤さんです。
ヴィヴィアンさんは現在、尾道観光大志もされており、その縁で尾道を何度も訪れ、その度にわたしたちとも親交を深めて下さっています。

以前から映画が好きだったわたし(みく)は、お会いする前からなにかの媒体でヴィヴィアンさんのお名前ぐらいは伺っていました。
しかし、実際にどういった活動をされているのかは知らず、初めてお目にかかった時は「あれ、尾道にドラァグクイーンがいる。なんでだろう?」ぐらいにしか思いませんでした。

それから、シネマ尾道さんの映画関連イベントで度々来尾されたヴィヴィアンさんと親しくなるまで、そう時間はかかりませんでした。
わたし(みく)とヒロくんが作ったゲストハウス「ヤドカーリ」にも泊まって下さいました。
ヴィヴィアンさんはだれにでも分け隔てなく、わたしたちにも対等に接して下さいます。
いつも尾道に来る際に事前に連絡を下さって、来た時にはかならず時間が許す限り、わたしたちと共に時間を過ごして下さいます。

わたしたちがヴィヴィアンさんに影響を受けるようになったのは、やはりその美術に対する姿勢に強く共感する部分があったからだと思います。

東日本大震災を経験した時、社会全体が自粛ムードに傾いている中、ヴィヴィアンさんは一刻も早くドラァグクイーンの格好をしなければならないと思ったそうです。
それはわたしたちが普段していることがいかに重要かを示すバロメータ。
災害や有事の際に、自粛しなければならないようなこと、わたしたちの多くがいかにそういったことに時間を割いていたのかを証明することになったというお話をして下さいました。

わたしたちも平生、藝術は「世界平和」のためにあるんだと言っておりましたが、その時こそ「ああ、そうか!」という想いに駆られ、「いついかなる時であっても、自分たちがやっている表現、やってきた表現をする以外に、わたしたちの使命なんてないんだ」と納得したことをよく覚えています。
それ以来、わたしたちにとって、ヴィヴィアンさんは最も尊敬するアーティストでもあり、人格者の一人です。

わたしたちが五島列島・福江島に移り住んだ際も、頻繁に連絡を下さり、実際に島を訪問して下さいました。
そこでは、わたしたちが開放していたスペースでワークショップをして下さったり、みくが考案した映画評論イベント「シネマコロシアム」に特別審査員として登壇して下さったり、ほとんど無償でイベントに参加して下さいました。
それは、わたしたちを心から応援してくれているヴィヴィアンさんだからこそ、バックアップして下さったのだと、いまでも思い出すたびに嬉しく温かい気持ちになります。

さて、そんなヴィヴィアンさんですが、わたしたちがドーナツショップをオープンするきっかけを与えて下さった方でもあります。
ヴィヴィアンさんには直接申し上げてないのですが、いつもわたしたちに会う度にきっと経済的な面を心配して、いろんな助言を下さいます。
その中で、ヴィヴィアンさんはさりげなく「カフェをしたらどう?」と言って下さいました。
ほかにもいろいろアドバイスをいただいたのですが、実はその時点でそろそろドーナツショップを具現化していこうと思っていたので、これはそういった流れになっているのだと思い、背中を押してもらった形になりました。

意を決してドーナツショップをオープンすることをヴィヴィアンさんに告げると、ヴィヴィアンさんはなにもかも理解し、同意して下さいました。
ドーナツはトポロジカル的に興味深いこと、ドーナツには栄養価がないこと等を挙げ、「スープも出したらどう?」と言われた時には、わたしたちは実際にスープも提供しようと思っていたので、ヴィヴィアンさんはエスパーなのではないか!?とさえ思いました。

そんなすべてを見通すヴィヴィアンさんにお墨付きをもらったドーナツショップという業態、まだオープンはしておりませんが、既にわたしたちはできることが増えるような気がして、わくわくする毎日です。
では、わたしたちが敬愛してやまないヴィヴィアンさんの愛情と教養が零れ落ちるようなラブレター、ぜひご覧下さい。

ヴィヴィアン04

(photo by Leslie Kee)

いまや日本中の島という島にはドーナツショップが当たり前。
向島にようやくドーナツショップがオープン。
ドーナツは位相幾何学においては、マグカップと本質的に同じ。
ということは、ドーナツ売りがいつの間にかマグカップ売りになっても不思議じゃないし、島中のマグカップや漁港の浮輪、五円玉や五十円玉がドーナツに変換も可能ということね。
そこでは貨幣交換はもはや成り立たず、中心不在の孔を穿たれた物体は永遠に島内を交換循環していくかもしれないわ。
そういう呪われた循環を。
バタイユ先生にも来てもらいたいわね。

ミクくん&サキちゃんの数年前の尾道での活動、五島列島での活動は、確実にその土地土地にいまも影響を及ぼし続けているはず。。
彼らが不在でもその波は未だ存在し、いまの向島での活動波と位相差を生んで更に複雑な波形になっていくはず。。

<profile>
ヴィヴィアン佐藤(ゔぃゔぃあん・さとう)
美術家、文筆家、非建築家、映画批評家、ドラァグクイーン。「同時代性」をキーワードに、ジャンルを横断し独自の見解で分析、制作発表、批評をこなす。 青森県七戸町の町興しコンサルタント、尾道市の観光大使。たまプラーザ市民ミュージカルアートディレクター。サンミュージック提携タレント。08年伊勢丹ISETAN 浴衣メインモデル。オリパラ 2020公式アートイベントNIPPON フェスティバルにヘッドドレスWSが選出。

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