応援メッセージ_01

【ラブレター from インフルエンサー#04】「ああ、このひとたちは歳をとらないのかもしれない。」(小金沢健人さん/アーティスト)

「アナキド」プロジェクト・クラウドファンディング実施にあたって、各界のインフルエンサーのみなさまに応援メッセージという名のラブレターをいただく本連載【ラブレター from インフルエンサー】。

第4回目まできました!
今回は、ヒロくんのドイツ時代の旧友であり、尾道にも居住経験のあるアーティストのタケちゃんこと小金沢健人さんです。

わたしたちは普段から「タケちゃん、タケちゃん」と気安く呼んでおりますが、小金沢さんは現代美術の世界では歴とした名のあるお方。
でも、普段「タケちゃん」と呼んでる癖に、こういうところでは「小金沢さん」と形式張った呼び方をするのもよそよそしいので、ここでは敬愛の念を込めて「タケちゃん」で通させていただきます。

タケちゃんと出会ったのは、4、5年前。
18年もの長きに渡ってドイツで活動を続けてきたタケちゃんが日本に帰還するべく、移住先の候補を探していた時に、尾道でヒロくんを訪ねてきた時に出会いました。

世界を股にかけ活躍するアーティストのタケちゃんは、当初からそんな雰囲気を微塵も出さず、とても気さくに分け隔てなくわたしたちと接してくれました。
好奇心旺盛で、常に世の中を違った角度から捉えようとするタケちゃんの表現力と感性には、わたしたちもすぐに魅了され、感化されました。

わたしたちが尾道を去り五島に移住したタイミングで、丁度タケちゃんが尾道に移り住んだので、実は同じ町で暮らすということはありませんでした。
しかし、尾道に帰省する度に運良くタケちゃんとは顔を合わせる機会も多く、時間をご一緒させていただくことも多かったのです。

いまでも印象深いのは、わたしたちが駅前芝生広場でゲリラ的に行ったパフォーマンス「LOVE CREATURE」でのこと。
そこに参加してくれたタケちゃんは、パフォーマンス終了後に道端で再会した時に「キスマークが傷口に見えて、なんだかキリストのようにも見えたね」と仰って下さいました。
不特定多数の人を巻き込み、「博愛」を表現しようというのがわたしたちの意図でしたが、そこから更に深く解釈し、「キス」という愛情表現の痕跡を「傷口」に喩えた、その感性と表現力には正直舌を巻きました。
いわゆる美術畑でないわたしにとって、第一線のアーティストに直接そういった血の通った講評をしてもらえることはとても貴重で、感激したことをよく覚えています。

それからというもの、ヒロくんの市長選では一緒にブレーンとしてスピーチの文面を考えたり、奈良県の下北山村に視察に行ったりと、いろんな場面でご一緒することになりました。

いつも会えば優しい言葉をかけてくれるタケちゃん、ユーモアたっぷりで表現力豊かなタケちゃん、そんなタケちゃんをわたしたちはアーティストとして、なにより人としてとても尊敬しています。

そのタケちゃんが忙しい時間の合間を縫って、ラブレターをしたためてくれました。
あんまり負担を強いたくはないので、みなさんには200字〜400字程度という文字数でご依頼しているのですが、なんとタケちゃんはその倍ぐらいの文字数で想いを伝えて下さいました。
まるでショートフィルムのような、タケちゃんの感性と表現力だからこそできた、珠玉のラブレターです。
どうぞ、ご堪能下さい。

みくがまた何か始めるらしい。 アナーキストであり思想家、全人格的アイドルにして変身家のみくが奴隷協定を結んだパートナー咲とつくるドーナツ。 ああっめんどくさい。なんなんだこの肩書き。って突っ込めば突っ込むほどヤツの思うツボである。全人格的アイドルって何だよ、と質問してみよう。奴隷協定?とあなたが口にするときには眉間にシワが寄っているはずだ。するとなんだかわかったようなわからないような言葉が目の前に積まれて、無理矢理納得させられたような気になるはずだ。でもひとつひとつ筋は通っている。釈然としないあなたは、この会話が早く終わってくれないかなと願いながら、窓の外に目をやって夕食には何を食べようとか考え始めるかもしれない。 この不愉快さの奥に直視したくないものが潜んでいるのがわかる。わかるどころかよく知ってる。実際には奥に潜んでるどころか目の前の鏡にうつった己の姿だ。働いてはいけないと言うみくの言葉が映し出す自分は歪んで見える。自らを他者に説明しようとして、わかったようなわからないような肩書きや関係を表す適当な言葉を惰性で使っているのは我々の方なんじゃないのか。自分のやりたいこと、自分を表す言葉を自分自身で作り出したこともなく、ありあわせの言葉を繋いで、はみ出したり足りなくなったりして、急ごしらえの自分に自信を持てずに生きているんじゃないか。これから俺は自分を何と呼べばいいのか。しばし反省のあと机から顔をあげれば、夕焼けをバックにみくと咲が2人で冗談を言いあって笑っている。ああ、このひとたちは歳をとらないのかもしれない。 ただちょっとコーヒーとドーナツ食べて誰かと話したかっただけなんだけど。感情が千々に乱れました。楽しかったです。このお店にもオリジナルの肩書きをつけてください。

<profile>
小金沢健人(こがねざわ・たけひと)

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http://note.com/anarchydo/n/n859a362ff422

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