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「わたしはわたし、きみはきみ。だけど一緒に生きていくのだ。」

このタイトル、「もしかして…」と思われた方いらっしゃるでしょうか。

10年以上前になりますが
女優のりょうさんが出演されていた、グリコのTVコマーシャル
その中のセリフです。

このコマーシャルを初めて見た時・・・
涙が流れたことを覚えています。


長女が幼稚園生だった頃、ある習い事をしていました。
同じ幼稚園のお友達もたくさん参加していて
毎週にぎやかに楽しく過ごしていました。
まだ小さいこともあり、母たちも毎回付き添い、
子ども達の様子を見守っていました。

年に一回、発表会がありました。
一生懸命練習するわが子の姿に成長を感じ、
感動すら覚えていた、そんな時に
指導してくださった先生がおっしゃいました。

「自分の分身が頑張っている姿を見るのはうれしいよね!」

え・・・分身?

私は強烈な違和感を覚えました。

確かに、私のお腹の中で育ち、生まれてきた子だけど・・・
分身だなんて思ったことない・・・

でも、周りのママさんたちはにこにこして
「ほんとですね」「うれしいです!」と言っていました。


この違和感、私だけなの?

それからしばらくの間、もやもや悩み続けました。

私は他のママたちのように子どもを見ていない、
私は子どもに対する愛情が少ないのだろうか、
私は母親としてどこかおかしいのだろうか、、、


そしてある日、あのグリコのコマーシャルを見たのです。

わたしはわたし、きみはきみ、
だけど、一緒に生きていくのだ

ああ、おんなじだ!
良かった、私だけじゃなかった

流れた涙は「安堵」だったかもしれません。


もちろん、私の思ったことが「正解」だとは思っていません。
子育てする親の気持ちはさまざま、
ひとりひとり違っていていいのだと思います。
私の場合はこうだった、それだけです。


あのコマーシャルと出会ってから、
私は自分の思いを素直に認めることにしました。

私のお腹の中で育ち、生まれてきた娘たち(次女も)だけど
生まれた瞬間から別の人格を持った人間
たまたまなのか、選んできてくれたのかは知らないけど
私のところにきてくれた、このいのちを大切に育てていこう

そう思いながら子育てしてきました。

もちろん、感情的に喧嘩することもあったし
親の権力ふりかざしたこともありましたが
根っこの部分だけは絶対忘れないように!と
いう気持ちは持ち続けました。

やがて長女も成人し、結婚し、親となりました。

そして最近、
私は久々にまた“おんなじ”を見つけました。


ある方に紹介していただいた「さとゆみ」さんこと
佐藤友美さんの著書
「ママはキミと一緒にオトナになる」

タイトルを見た瞬間、あの頃の気持ちが甦りました。

登場する息子氏は、うちの娘とは全く違う
さとゆみさんと私も、全く違う
だけど、根っこの部分には共通点が、ある

それから、ひとつだけ同じ“行動”もありました。

“寝ている息子氏(私は娘)に向かって
「大好きだよ」と語りかけること”


これから大きくなっていくといろいろなことがある
うれしいことばかりじゃなくて
悲しいこと、腹の立つこと、悔しいこと、
自分だけだと孤独を感じることもあるかもしれない
でも、忘れないで
どんな時でも私たちは絶対あなたの味方
あなたは私たちの大切な宝物だよ

私は毎晩、こんな祈るような気持ちで「大好きだよ」と
ちいさかった娘に伝え続けていました。

反抗期の頃は、毎晩大声で喧嘩し、
大学生になってやっと落ち着いた、と思ったら
全く想像していなかった方向へ生き方を変えた長女、
でも今は、穏やかな日々の中でふたりの子どもを育てる
やさしいママになりました。
時々ランチに誘ってくれて、子育ての悩みを打ち明けてくれる。
そんな時間がたまらなく愛おしい最近です。








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