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破・【真剣に向き合う】の更新

前回の記事↓

これが思ってた以上に反響があり、正直
『もう、これでいいんじゃないかな』と思う今日この頃です。

前回までは
思いつきのように漫画家を志し、それが失敗したという約半年間のお話

そしてその失敗を受けて画力だけを欲する、感情を忘れたお絵描きマシーンへと変化し、そしてNFTに出会うまでの約10年間のお話

この時点で私は既に
『自分は何者でもない』という前提で絵と向き合っておりました。

ある時ふと思ったのです。

社会に出るまで私は

運動、勉学、ルックス

何一つ、誇れることが無かったのは自覚しておりました。

それがあってかどうか…

物事に対して、何一つ

真剣では無かったと思います。

【フェーズ1:先生】

過去の私は

『一生懸命やったんだ』

そう思うことに、一生懸命になっていたのかもしれません。

ただ、上手くなりたいと、連日強い気持ちで机に向かう

そこに論理的な思考も、賞賛も、現実もないことを承知で
それでも絵を描いていた日々に

人生で初めて

物事に真剣に向き合うという事を知りました。

今のマジに比べたら
今までのマジなんてマジじゃないということです。

ともあれ、世の中に『私』を参加させるには
頑張るだけでなく
客観的指針、数字も重要な事も確かです。

絵を描きながら自分を保ち、数字もとる
この思考に思いを馳せる日々。

成長も、数字も少しずつ
本当に少しずつ上がっていくことが感じられ
楽しく向き合えました。

何より『一生懸命な自分』が、自分で誇らしかったですね。

ルーティンも、苦悩も、増えていく画材も全てが
『何だか絵描きっぽい!』と嬉しかった。

『昨日は一人いいねを押してくれた!今日は二人!』

楽しくて、誇らしくて、順調にインターネットお絵描きマンの血液へと
血管の血が入れ替わるのがわかる日々。

画材を誰かに説明するときなんか、もはや先生
気分はもうウキウキ!

そんな日々を続けて約一年半
2013年ごろ
絵描きがとある場所に集まっていることを知りました。

読んでる皆さんはご存知ですかね?

twitterって、言うんですけど

【フェーズ2:英雄に憧れて】

2015年、無論多少の浮き沈みはありましたが、私はすっかりインターネットお絵描きマンとして活動を続けており
ある日に描いたラブライブのFAが1000を超えるいいねをいただき、フォロワーも当初目標にしていた1000人も超えておりました。

『そこまで行けばきっと輝かしい未来が、孤独が…
人生の霧が晴れる!
世の中に入っていける!』
勝手にそう思っていました。

結論、そんなことは無く
孤独感だけならばむしろ増幅しているのです。

何故か

答えは簡単で

それは私の実力では無いと思い始めていたのです。

出せば100、200いいねされる作品逹
フォロバをすれば感謝される日々

良いことです。

良いことなのですが、内心は

こんなもんじゃない、自分はこんなもんじゃ無いんだ!
人気作品の力なんて借りなくても、俺の絵はすげぇんだ!
俺はオリジナル作品でも結果を出せるんだ!

今ぼんやりだが輝いて見えている自分は、自分の輝きじゃなく思えたのです。

いわば、月の存在
太陽がなければ輝けぬ存在

心が贅沢になったのか…

『誰かが見てくれている』

昔はそれだけで前に進めたはずなのに…

数字が上がれば上がるほど虚しくなり、より孤独な道を選択していく思考が加速してしまう。
しっかり絵に対しては全力だったとは思いますが、それでも本当に自分の作品を見てほしいと強く願うようになりました。

英雄とは、茨の道を裸足で行くもの

『今までは人の作品でここまできた。
自分の作品でこの位置を跨いでやる』

私の出した答え
それは

2016年Twitter

アナログ王子、突然の消失

【フェーズ3:逆境無頼】

Break Girl Project #001 『Reboooooooot!』今までの活動は捨てると言う意志で描きました


『ボンクラの烙印を押されてしまった自分に何ができるか、
ボンクラこそ一枚に全てをかけて戦うべきだ!』

決してエリートとは呼べませんが
ボンクラでも色々な刀を抜いて戦えば
神絵師逹に一太刀浴びせられるかもしれません。

その道を示したい!
それが私の使命!

それが
『BONKURA SUPER TOUCH』ってわけ
わかる?

その一心で
今まで版権イラストで展開していた自身のカッケェ女の子の一枚イラストシリーズ

『Break Girl Project』を#001からスタートさせ
裏でアカウントを作り直し、Twitterを再開
(エゴサ後、私の話題が出なくなったぐらいの時を見計らって)

より自分のスタイルへ
より自分の好きな作品作りへ変貌し

ここから

怒涛の

アナログ王子の反撃が

始まらなかった。

なんと、始まらなかったのです!!

そこからは、描けども描けども反応はなくなりました。(当たり前ですが)

そして、より自分を表現したイラストで、反応がないと言うことの衝撃は
私の人格という人格を曲げに曲げ

いつしか世の中に対してストレートに憎しみと悲しみを抱くようになりました。
いや、生まれ落ちてからこのかたずっと、抱えていたのだと思います。

『ひょっとして自分は、世の中に必要ないんじゃないか…』
『自分の絵は一生世に出ることはないんじゃないか…』
『俺の作品をわからない世の中に、絵を放つ意味があるのか…』

これは沈澱しているヘドロのようなもので
今でもドスンと、そこで私の心が弱るのを待っているのです。

しかしながら、この思考の果てはいつも決まった結論に収束していきます。

というより、一時的な薬のようなもので

絵を描き始めてから度々自分に言い聞かせているのですが

あくまでも私の絵は『誰かのDNAに届けること』

Banksy福本伸行が自分にとってそうだったように
自分も誰かの背中を押す、誰かに寄り添える、そんな作品を作ることこそが絵を描く理由で

売れることや賞賛は
だいぶ早い段階で目的では無くなっていました。

すぐに見失うし、売れたい、賞賛されたいって願望は
勿論ちゃんとあるんですけども…笑

とかく、落ち込んだり、なんたりしながらも

結局のところ

足踏みをしていても靴底が減るように
『絵を描く』という行為そのものに、救いや喜びをを求めるのだから

それに向かってまたゆっくり歩き出すのです。

【フェーズ4:ナイトライダー】

描いては落ち込み、落ち込んでは描き

相変わらずそんな日々を送ってる2021年9月(去年です!)

5年間で増えたフォロワー数は500人ほど…
未だ底辺絵師を脱却出来ない私は、ここで大きな転機を迎えます。

今まで私は線画と呼ばれる状態までをアナログで行い
そこからデジタルで着色する手法だったのですが

BREAK GIRL PROJECT #011 『Great Journey』着色後アナログ線画
BREAK GIRL PROJECT #011 『Great Journey』着色後

これを完全デジタル化。
きっと藁にもすがる思いだったと思います。

そしてこれが、結果的に大ヒット。(私の中で)
私の心を躍らせました。

明らかにできることが増え、学んでいく楽しさもありました。
執筆もサラリーマンながらほぼ毎日ネットに投稿し、取り憑かれたようにイラストを描きまくっていたのです。

夜な夜な
来る日も来る日も
もう絵のことしか考えられなくなり、ついには

『仕事うざいな。仕事がなければもっと上手くなれるのに』

そう考えるまでに至り

『描きたく無いものを描くのは言語道断だが
やりたく無い仕事をするのはどうなんだ?
絵に関われれば、画力も上がるのでは?
よし、絵で食おう!』

相変わらずの短絡的思考ですが、それに向けて歩き始めました。

仕事から帰り、朝日が登るまで絵を描き、また仕事に行く。

身体的な疲れはもちろんあるのですが
何か、なんとなくだけどこのまま頑張っていれば
いいことが起こりそうな気がする。と

私はまたここで

自分の中の
物事と真剣に向き合うということを更新したのです。

【フェーズ:5 海へ】

色々イラストの仕事を調べたり、ガンガンイラストを制作し
募集している案件など申し込んだのですが

軒並みダメ。

そしてtwitterのイラストも
たまに100や200いいねが貰えるぐらいで
基本的に何かのきっかけになるようなことも起きず…

それでも希望へ
前に進もうと
もつれる足を前に進めておりました。

2021年10月
そこでいつも通りイラスト界隈の情報を漁ってると、

一つ気になるワードが目に飛び込んできました。

お待たせいたしました。
いや、お待たせしすぎたのかもしれません。

『NFT』

これだと膝を打ちましたね。

一撃で、人生が変わるかもしれねぇ!

イラストの仕事を探しつつ
平行して、私はNFTを売るために動き出しました。

食えるのならば、なんでも良かったのです。
私はとにかく絵を描く理由が欲しかった。

youtubeを見ながら、様々な関門をくぐり抜け

いよいよ上にもある作品

Great Journeyを持って

Openseaという海の大航海

GreatなJourneyが幕を開けたのでした。

【フェーズ6: 悲痛】

イーサリアム

0.01ETH

一週間のオークション

私は、夢を見ているのか。

0.1ETH

0.5ETH

1ETH

オークションの金額はみるみるうちに上昇をしていく

ついには

124ETH!

その時の日本円に換算すると

5500万円!

母ちゃんに電話、電話をしないと…

そこで目が覚める。
気づけば出勤の時間である。

恥ずかしながら、私は初の出品後
本当にこんな夢を見ていたのです。

メールを確認しても、特に動きはなさそうですが、当時はそんなものかと思っておりました。

『でも、まさか…正夢…?』

気になる結果は

入札なし。

まぁ、世の中そんなに甘くありません。
それでもオークション期間は1週間もあるのです!

ワクワクは止まりませんでした。

そこから1週間で
3作品を出品したと思います。

同じ形式で。

するとある日
ついに待ちに待ったopenseaからメールが届きました。

『Heads up:your auction expired!』

手が上がったのか!?
ついに入札が!!

急いでopenseaを確認するも、特になんか値段がついてる感じがしない…

いや…

本当はわかってる…

終わったんだ…

誰にも、必要とされずに…

その後、2通目、3通目
日を追うごとに同じメールが届きました。

知らないふりをしていたこと

私がギリギリのところでせきとめていた思いが一気に体中を駆け巡ったのを
今でもはっきり覚えております。

何故…

…なんで

自分じゃないんだ

努力だってした
誠実に向き合ってきた
数を稼ぐために卑怯な真似だってしたことはない
絵でわかってもらうことをただ念頭に置いて活動してきたはずだ
絵でほとんどお金をもらわずここまで描いてきたじゃないか
誰の力にも頼らず
ちゃんと真っ直ぐやってきたじゃないか
充分耐えてきただろう

世界が
社会がどんどん遠ざかり
視界の隅に黒いもやが広がっていました。

頑張っていればたまたま救われる
世界のどっかの誰かにそういう逆転があるのならば

それが
それがなんで
自分じゃ駄目だったんだ

『この一枚を描けば報われるかも…
この一枚で人生が変わるかも…』

そういう期待をことごとくへし折られてきた私は
もはやこの些細な挫折に

『これ以上…
これ以上は俺は
戦えない…』

心を再燃さすほどの薪はもう、残っていませんでした。

後半へぇー、続く


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