海と光線。
レトロカメラさんのフラッシュが焚けません。でも元々フラッシュ使わないんだったなって思い出しました。
ぐるぐる考えたりしていた。色々。
そういう事は基本結論なんて出ないので、動いた方が有益ですよって。
という事で今夜届いたカメラさんの状態を確認。
目視では一旦大丈夫そうなので、エアダスターを一頻りしてからフィルム巻き巻きして、手のひらサイズで大変良いですねと思ったりした。
後は写りがどうなるかなのだけど、思ったより親切設計でISO設定できる。
ピントは目測だから取り敢えず∞で。
さり気ないボタン電池の要求で困惑したら入ってた。
単三電池を入れたけどフラッシュはダメそう。
そしてやる気が無くてずっと開けてなかった卓上マイクスタンドをやっと開けた。
そうなるとそのマイクの為のオーディオインターフェイスのセッティングもしなくてはいけないので、なんやかんやで一日かかって設定した。
ダメかと思った!
ちなみに何故か左側からしか音が聞こえない。色々試したけどダメそうなので諦めて最終調整で何とかするからいいや、という事にした。
OBSで遊ぶ時はOBSの設定で確か出来たはずだからそれか、もしくは、
左側からしか聞こえない声に違和感でゾワゾワしたらいいね。
そしてオーディオインターフェイスのセッティングの中にDTMソフトがダイレクトマーケティングしてくる。
そもそもそれがセット前提という事らしい。
なるほど…。どうしても曲を作らせたいらしいな…?
という事で突然なんか揃っている。
となるとMIDIキーボードは絶対欲しい。
手打ちなんて絶対無理。
音はどうですかと言われると、
正直生音に勝るものなんてな…というのはそう。
一応手持ちのエレキギターとベースとアコースティックギターはあるけど、
ドラムは無いので、そして叩ける技術もないので、
もう諦めてそこだけバッチバチにしてやろうかとか、
聞いたことないぐらい重たいダブステにしてやろうか、とか考えている。
良い音源が欲しいなーと思えば思うほど、
実は最初の大学時代に持っていたSteinbergのCubaseの事を思い出す。
そもそも何で卓上マイクスタンドとオーディオインターフェイス『だけ』、買ったのか。
無駄に良いマイクを持っていたから。
それだけ壊れずに実家にありました。あはは。
でも当時より大分DTMが一般化してきたから機材も安くて優秀だ。
卓上マイクスタンドなんて当時なかったから、普通にあのマイクスタンドを使っていたよ。ステージに置くやつ。
そして今や在宅やゲーム実況やらで一般化したマイクスタンドはグニャグニャ曲がる様になったのだ。素晴らしい。
SteinbergのCubaseだって大分進化したはずだ。
だからまぁ多分結局買い直したりするんだ、音源に満足できなくて。
Adobe Auditionというのをその行程で知ったのだけど、こいつは結構面白そうだ。
暫くグニグニしてみようとか思っている。
なんやかんや色々一からではあるので、勉強することがいっぱいだなぁと思う事です。
でもそれはきっと楽しいね。
頭の中のこうしたいが、どれくらい作れるのか分からないけど、
やれるだけやってみよう。
正直、声とギター一本で全然いいんじゃないかとか思わんこともないけど、
別の事もたくさんしたい。
映像作品も作りたいし、変な造形も作りたい。そんな部屋も作りたい。
たくさん世界を作りたい。
母とテレビで『生きている間に行っておきたい世界~選』という動画を見た。
確かに綺麗で、新鮮で、鮮烈で、
『被写体に困らないな、こんなところに行ってしまったら。』
と思った。
でも同じくらい自分の中の東京も同じぐらい価値がある。と思った。
それは私が広島の中に居る事が普通だからなんだなと。
他の人から見た広島は多分、自分の中の東京ぐらいには被写体に困らないんだろうなと。
都内住の人が穏やか過ぎて『天国かな?』と言われた晴天の瀬戸内海を、
私はあまりに穏やかでうんざりすると思っていた。
瀬戸内海は島々が多いので波が本当に少なくて、寄せては還る波打ち際が、
柔らかい太陽光線が、穏やか過ぎる波に反射してキラキラする景色が、
悲しい時ずっとあった。
夜中に誰もいない一万トンバースまで自転車で飛ばして、
そこの謎の塔の周りを駆け回って、
海の堺の手摺りに縋って、夜の海風に当たりながら、
何回も泣いた。
待っても待ってもどんだけ待ち侘びても、
誰も帰ってこないのを知っていても、
只待つことしかできない時、
ずっと海が風に吹かれて、穏やかな音を立てていた。
自分にとってその天国のような海は、
嫌な事ばかり思い出させる場所だ。
救いを求めて何度も縋った。海に。
何も言わない海に。
でも海は寧ろそれを何度も何度も跳ね返した。
寄せては還してを繰り返して、何度も何度も波に放りこんだ。
呼吸が出来なくなる時、いつも深海を想像するのは多分…沈んでいるから。
海に。
被写体になった海は綺麗だ。
きらきらしている。文字通り。
誰もそんな事考えない。
幸せな景色だ。
ファインダーを通したら、
カメラのレンズを通したら、
違う景色に見えるんじゃないかと期待している。
半分。
あの時の嫌な思い出も、
少し柔らかく見えるんじゃないかって。
カメラ越しに見る景色を、『そのままの景色』で描きたいのだろうか?
写された物達で思い出す、二度とない時。
彼らの視線を隠している。
そして僕は被写体じゃない。
露光して白く透明にしてしまうだろうか?
台無しにしてしまおうか?
光の上で消えていくんだね、何もかも。
そうだったら良かったのにね。
強い光で掻き消してくれないだろうか。
僕の中の全てのフィルムを。
そしたらまた新しい景色が撮れるよ。
ね、幸いナ。
何度も何度も撮り直そう。
鮮烈さを求めて何処か遠くへ行っても、
又、此処に帰ってくる。
此処が『僕の家』だったら良かったのに。
此処にはどこにも僕の場所がないよ。
本当は行き場すらないのを知っている。
何処にも僕の場所はない。
暗いのは良いよね。
前が見えない。
だから誰も僕が見えないんだ。
それが安心するんだ。
嫌な雑音から逃げて、
人間不信が振り切れて、
呼吸が荒くなる。
それが止まらなくなった時、
海が見える。
海が迫っている。
穏やか過ぎる夜の海が。
波が立たないあの海が。
混雑するから噛む。
強く嚙み過ぎて鉄の味がする。
見えない様に袖を伸ばす。
今の僕の世界を壊したい。
いや、全部。
強い光線で劈いて。
フィルムを全部白く焼いて。
一つ残さず劈いて。
こんな場所で出会えたご縁に感謝します。貴方に幸せの雨が降り注ぎますように。