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スウェーデンで学んだUNESCOプロジェクト"Arts in Hospital”いのちと向き合う環境

 
先日、猛暑のある朝
私は人生初の救急車で運ばれました。

コロナ禍ゆえ入院はできないけれど、
取り敢えず診て貰える病院へと、
救急車はサイレンを鳴らし、

家から5分ほどの
東京山手メディカルセンターの
https://yamate.jcho.go.jp/
 救命救急に運ばれました。


ギブスで作ったランプシェード
のぞみ整形外科クリニック、キブス製作室


私事で、
特に病気のことは言いたくない私ですが、
敢えてどうしても伝えたいことがあります。
 
30年ほど前に
スウェーデン文化庁の招きと
ご支援で、

”Arts in Hospital “

というUNESCOプロジェクト
病院環境について協議する国際会議に、
毎年出席して学ぶ機会を頂きました。

国際フォーラムパンフレット
(東京国際フォーラム)

 
当初はスウェーデン、
スイス、オーストリア、フランス、
ノルウェーが企画国として、
立ち上げ発足したものです。

イギリスの看護師であった
ナイチンゲールが書下した
“ナイチンゲール看護覚え書”が基礎となった
国連提唱のプロジェクトです。

私の人生の教科書でもあります。

フローレンス・ナイチンゲール

  
文化や芸術が、
科学的治癒の助けとなること、

それに触れることによって、
五感が刺激され
いのちへの刺激が快適さをもたらし、

個々の感情に訴えることで
自己治癒力を創る...

と言う提案です。

温かなクリニック(絵画、アクリル)


それからというもの
私の半生は、このプロジェクトに関わることになりました。


25年の間、
ある総合病院で病院環境ばかりではなく、
アートディレクターとして看護師教育、
ガン患者さんへの心のケアに向き合い、

病院のためのアートに携わり、
看護大学でも講師として独自の教科も持ちました。

NTT 関東病院(東京・品川)


のぞみ整形外科クリニック

 
その後の7年間は、
心の闇を持つ人々の精神病院での
看護教育と患者さんへの日常復帰のために、

アートや自然を教科書として
それらが如何に人間の治癒力を高めるかを経験し、
私も学びました。



ステンドグラスの天井照明

 
国立病院を始めとする、
多くの病院やクリニック環境を作り、
改善に年月を費やしました。
 
時にはこのプロジェクトが、
ある女性と機関によって盗用されもしましたが、

多くの医師たちと、
スウェーデン文化庁のスタッフの支えの中で、
私らしく患者さんの心に寄り添って来ました。

 でも、
現在の医療機関はコロナという
未曾有な細菌に振り回されて、
人のやさしささえも、時には消されそうになりながら。
 

国立東大阪総合病院

病の中で
いのちと向き合う時、
あなたはどうしたいのか


それを支えるのは何なんでしょうか。

外の景色は変えることができます。
でも取り付けられたものは動くことなく、
心と体に多くの影響を与えてしまいます。
 
非日常である病院環境に一番必要なのは、

“変化"を感じさせる環境であると
ナイチンゲールは書いています。

このプロジェクトの内容は
このスペースでは書き切れません。

著書  Arts in hospital & Garden Therapy

話は
東京山手メディカルセンターに戻りますが、

こんなに病院環境に長年向き合って来た私を
受け入れてくださったこと、
その対応は、驚くほどの感動でした。

 病院は古く、
ストレッチャーの上の私は、
吐き気とめまいとでのたうち回っていても

職業意識は正常値、あああそこも直したい!

目まぐるしく動く医師たち、
それをサポートする看護師たち。

私に声かけ励まし、
吐き気を訴えるたびに青いビニール袋が左右を守り、
CT,MRI,脳波や心電図、次から次へと運ばれ、、、

私の主治医を探し、
電話で状況を説明してくださった部長先生、


自宅に戻った次の朝、
枕元の電話が鳴りました。

「昨日対応しました看護師ですが、
ご体調はいかがですか」

涙が溢れてやっと答えられた感謝の言葉。
 

Hakuwa Sport Center   小児プール入口


手薄の医療現場とは誰もが知っています。


どんな環境が患者を救うのか
私の職業的人生の中でも、
経験したことのない感謝でした。
 
医療現場で人が人にやさしいことが、
最も美しい病院環境であることを再確認し、
教えて頂きました。

この大きな都会の中で、
そして混乱するコロナ禍で、
私のような者にまで向き合い助けて頂きましたこと
言葉には言い尽くせません。

 
日本人としての誇りさえ頂きながら
まもなく始まるスウェーデンでの個展に
元気で向かうことができます。
 
対応してくださいました、
すべてのスタッフの方々に、

この病院に勤務されている多くの方々に、
心からの感謝を添えて。
 
次はスウェーデンから…
  

ストックホルム ・市庁舎


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