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【銀魂で実践】本を要約する3つのコツ

こんにちは。あんどーなつです。
私はおすすめの本を紹介するnoteを書いています。先日、そのnoteを読んでくださった方から「要約のコツを教えて欲しい」とメッセージを頂きました。

私も要約を始め、文章を書く勉強中の身ではありますが、せっかくなので私が普段から意識しているコツを書きます。気に入ったコツがあれば、ぜひ真似してみてください!

要約のコツを紹介するにあたって、実例があった方が分かりやすいと思うので、ここでは銀魂第1話を実際に要約しながら解説します。

なぜ銀魂なのか?と言えば、
・ネットで第一話が無料で読める
・映画化されて知名度がある
・要約の切り口が複数あり、題材に適している
という理由から選びました。

本当は青空文庫にある小説を要約したかったのですが、私と読者との共通のコンテクストを作るのに本だと分量が多すぎるのでマンガにしました。銀魂の第1話は10分あれば読める分量です。

銀魂第1話を読んだことがないという方は、ぜひ↓を読んでからこのnoteを読んでください。銀魂の内容を理解すると、このnoteの楽しさが2倍(当社比)になります笑

第1話を読み終えたら、いよいよコツを紹介します。


1. 要約の切り口を決める

まず、どの視点から本を要約するのかを決めてください。決して、公式HPを参照して『江戸では、突如宙から舞い降りた異人「天人」の台頭と廃刀令により侍が衰退の一途をたどっていた。しかし一人、侍の魂を堅持する男が…』と書き始めてはいけません。

本を要約する視点は、例えば以下のものが考えられます。

・世界観で切る
・キャラクターで切る
・ストーリーやセリフなど内容で切る
・作者で切る

これを銀魂第1話にあてはめて具体的に考えてみましょう。

・世界観で切る:侍×宇宙人というコラボが面白いうえに、宇宙人が優位な立場にいるという設定がユニークだ
・キャラクターで切る:死んだ魚のような目をしているのに侍の魂を持っている坂田銀時というキャラクターが面白いし格好いい
・ストーリーやセリフなど内容で切る:キャラクターのセリフが独特でなんか癖になる
・作者で切る:空知英秋さんの他の作品(だんでらいおん等)と比較する

この切り口を選ぶには、自分が読んでいて面白いと思った観点を切り口にすればいいと思います。ただ、「作者」という切り口は、複数の作品を知っているコアなファンしか読まない場合に限定した方がいいと思います。知らないものがたくさん出てくる文章を読むのは、多くの人が苦痛に思うからです。


なぜ切り口をはじめに決める必要があるのかというと、本の内容を紹介する1文で伝えたいメッセージを明確にするためです。

例えば、銀魂の第一話の紹介文がこのようなものだったらどうでしょうか?

この漫画は、突然やってきた天人と呼ばれる宇宙人に占領され、侍の地位が失墜した江戸で、死んだ魚のような目をしてるけど侍の魂を持った万事屋を営む坂田銀時という主人公が、ユニークな言い回しで決め台詞とともに木刀で、廃業寸前の道場を救うという話です。

とても分かりにくくないでしょうか?時代設定とキャラクターとセリフの特徴が一度に伝えられるので、読者は情報過多で混乱します。

それを防ぐために、本を紹介する「切り口」を明確にします。先ほど挙げた切り口で、最初の1文を書いてみるととても分かりやすくなります。(作者の切り口は省略します)

世界観で切った場合
この漫画は、突然やってきた天人と呼ばれる宇宙人に占領され、ほとんどの侍が刀も地位も失い、侍としての誇りを失った江戸で、侍の魂を持ち続けているある男の物語です。
キャラクターで切った場合
この漫画は、銀髪の天然パーマに死んだ魚のようなやる気のない目をしているけれど、義理や人情に厚く困っている人を助けずにはいられない坂田銀時というキャラクターが主人公の物語です。
ストーリーやセリフなど内容で切る
この漫画は、万事屋を営む坂田銀時という侍が、廃業しかけた道場を救うという話で、随所随所にはさまれるキャラクター同士のセリフの掛け合いが非常に面白いギャグ満載の物語です。

伝えられる情報量は少なくなりますが、それぞれの紹介文から、どのような視点で銀魂を読んだら面白いのかが明確に分かるのではないでしょうか?

銀魂を面白くする視点を十分に伝えるために、最初に決めた切り口で最後まで書いてください。最初は世界観の話なのに、途中からキャラクターの話をされると、読者は結局何が面白いんだっけ?と混乱してしまいます。


「どのような視点で本を読んだら面白いのか」を解説することが、本の要約の本質だと私は考えています。

読者は一般的なまとめではなく、「あなたのまとめ」を求めてnoteを読みます。乱暴な言い方になりますが、wikipediaに書いてあるまとめを引用した要約は、要約として価値を持ちません。既に存在するまとめのパクリは、新規性と独自性がないからです。

逆にいえば、新規性と独自性をもったまとめは価値があるものだといえます。その価値を生み出すためにも、最初に本の切り口を明確にする必要があると思います。

特に、小説やエッセイ、マンガのような、タイトルからストーリーや内容が推測できず、明確な主張が構造的に書かれれていない本を扱う場合は、必ず切り口を考える必要があると思います。


2. 伝えたい内容に優劣をつける

切り口を決めたら、切り口に沿った内容で特に伝えたいことをピックアップしましょう。多くの場合、伝えたい場合は複数あるので、それらに対して優先順位をつけてください。そして、1つだけを深堀して記述するようにしてください。

そんな風に言われてもよく分からないと思うので、銀魂の第1話でやってみましょう。ここでは、「ストーリーやセリフなどで切る」という切り口で考えてみます。

あなたは銀魂第1話を読んで、以下の3つのセリフが気に入ったとします。

・「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ。発情期ですか、コノヤロー」
・「侍が動くのに理由なんていらねーさ。そこに守りてェもんがあるなら剣を抜けばいい」
・「客の大事なものは、オレの大事なもんでもある。そいつを護るためなら俺ぁ何でもやるぜ!!!」

これに、優先順位を付けます。自分は面白いと思った順とか格好いいと思った順とか言ってみたいセリフ順とか、自分で好きにランキングの軸を決めて、1位~3位を決めます。

1位 「侍が動くのに理由なんていらねーさ。そこに守りてェもんがあるなら剣を抜けばいい」
2位 「客の大事なものは、オレの大事なもんでもある。そいつを護るためなら俺ぁ何でもやるぜ!!!」
3位 「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ。発情期ですか、コノヤロー」

格好いいセリフランキングとして、このような順番になったとしましょう。そうしたら、1位のセリフについてのみ、なぜ格好いいと思ったのか?どのようなシーンで言われたセリフなのか?それに対して自分はどう思ったか?などを書くようにしてください。

優先順位を付けるのは、読みやすくするためです。1位~3位のすべての情報を同じ熱量で伝えると、多くの読者は「で、結局一番何が面白いの?」という疑問を抱いてしまします。それを防ぐために、思い切って2位や3位を捨てて、自分に1番響いたものを取り上げることをおススメします。

これを踏まえて、私が銀魂第1話をまとめるなら以下のように書きます。

私が銀魂で面白いと思ったセリフはこの3つです。 
1位 「侍が動くのに理由なんていらねーさ。そこに守りてェもんがあるなら剣を抜けばいい」
2位 「客の大事なものは、オレの大事なもんでもある。そいつを護るためなら俺ぁ何でもやるぜ!!!」
3位 「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ。発情期ですか、コノヤロー」

坂田銀時の中にある「侍の魂」が最も垣間見えるように思うので、特に1位のセリフについて考えてみたいと思います。このセリフが言われたのは、新八の姉である妙が天人に連れ去られてしまったときです。このときの新八は、姉が連れさられてしまった悲しみや、自分の無力感、侍の権威がなくなってしまった時代に対する苛立ちなどを感じていたと思います。

そんな気持ちを抱えた新八の後ろ姿を、特大のケーキを作りながら坂田銀時は見ていたわけです。……(続く)


とはいえ、どうしても、すべてのセリフを深堀して言及する必要があるという場合があるかもしれません。その場合は、言及する量に大胆に差をつけて、優先順位を明確に示すことをおススメします。

具体的には、
1番好きなセリフ:2番目に好きなセリフ:3番目に好きなセリフ= 6 :  3  : 1
1番好きなセリフ:2番目に好きなセリフ:3番目に好きなセリフ= 6 :  2  : 2
という具合に量で優先順位をつけると読みやすいのではないかと思います。↓はイメージ図です。

当たり前ですが、最も言いたいことは最初に書きましょう。結論ファーストで、私は「このセリフが好き!」と書いた方が、読者にとって分かりやすく飽きられません。


3. 限られた情報で自分の感性を表現するマインドセットを持つ

先ほどの2つは具体的なテクニックのコツを紹介したので、最後にマインドセットのコツを紹介して終わりにしようと思います。

とても当たり前のことですが、本の全ての情報を漏れなく、過不足なく伝えることは不可能です。要約の意味が「論旨・要点を短くまとめて表すこと」であるように、枝葉末節の情報はばっさりと切り落とす覚悟が必要になります。

しかし、紹介したい本が素晴らしく面白いものであればあるほど、たくさんの情報を伝えたくなってしまいます。要約では、その気持ちをぐっと抑え込んで、自分が最も面白いと思った箇所を中心に本を切り取ることが大事だと私は考えています。

繰り返しになりますが、限られた情報で「どのような視点で本を読んだら面白いのか」を解説することが要約の本質です。ただ筆者はこんなことを言っているというまとめ方では、あなたの要約を読む必要性は生まれません。あなたオリジナルの視点が面白いから、あなたの要約を読みたくなるのです。

銀魂第1話で言えば、多くの人が坂田銀時を格好いいと思う中で、「私は志村新八の方が格好いいと思う。なぜなら…」という視点で切り取ったら、とてもユニークで面白い要約が生まれると思います。

要約は本の内容を正しく過不足なく伝えるものではなく、この本はこんな視点で読むと面白いから!という興味の共感を誘うものだと思います。ぜひ、あなたの「面白い」「格好いい」「カワイイ」「綺麗」の感性をいかして、本を切り取ってみてください。


私のつたないテクニックが役に立てば幸いです!

~Fin~

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