母へ。
自由奔放なわが家をまとめられるのは、母しかいないと思う。
わたしの家族は、基本的に会話のキャッチボールが成り立たない。報告屋さんが多いので、みんな『自分が言いたいこと』しか言わずに相手の話をまるで聞いていない。そして、スイッチが入るとみんな演説口調になる。もはや、お互いそれでいいと思っている。
そんな、散り散りになってしまう私たちの会話をつなぎ止めているのは、やっぱり母なんだろうな。いつも都合よくメモ代わりに使ってごめんね(笑)。
でも、これからもよろしくね。
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大学後の進路を選択するとき、いちばんぶつかったのは母だった。
『あなたのやりたいことはわかるけど、今じゃなくていいんじゃない? ひとまずちゃんと働いてからにしなさい!』となんども言われ、1ヶ月ほど口喧嘩を続けた。
あの時は本気で『やめなさい』と言っていたと思うけれど、結果的に焚きつけられたわたしは、母が思うようには進むことをせず、新卒でそのままベンチャー企業へ飛び込んだ。
たくさん心配かけてごめんね、でもあの時の選択は間違ってなかったと思う。だから、ありがとう。
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語学留学を決めた時もそうだった。
大学3回生の時に、『あんたは口だけで、このまま留学には行かないと思うよ』と言われたのが無性に悔しくて、『絶対行くから』と瞬時にエージェントを探して場所と期間を決めた。一度決めたことを譲ろうとしない娘ごめんね。お母さんの言葉はいつも、なんだかわたしのやる気スイッチを刺激するらしい。
飛行機に乗る日、見送ってくれた駅で泣いていたのは母の方だった。その時、これまででいちばん母の愛を感じたかもしれない。
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高校2年生の時、部活でスランプに陥っていたことがあった。
その時も、帰ってくるなり機嫌の悪いわたしに、『うんうん』とただ話を聞いてくれたんだっけ。あの時バスケットボールを嫌いにならずに済んだのは、やっぱり母のおかげだと思う。
わたしが母になったら、そういったことに共感したり理解を示したりするんじゃなくて、解決策を提示してしまいそうなので、未来の子どもとは喧嘩するだろうな。『お母さんは何もわかってない!』って言われそう(笑)。
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一人暮らしをしていたら、関係性も変わっていたのかもしれないけれど、わたしはずっと実家に住んでいて、もうしばらく住む予定でいる。
だから、もうちょっとの間よろしくね。
お母さん、いつもありがとう。母は偉大なり。
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