高校生の「夢」の続きを。


高校野球って、やっぱりいいですね。その世代だからこそ生み出せる「感動」があって、それに惹き込まれるわたし達がいて。

本日行われた「星稜 対 済美」はまさしく、This is the 高校野球 という試合だったように思います。

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星稜 7-1 済美 で迎えた8回ウラ、済美は8点を返して逆転。9回表に星稜も負けじと2点追加して同点に並びます。そのまま延長にもつれ込み、タイブレーク。13回表で星稜が2点を追加するも、ウラで済美のキャプテン・矢野選手が満塁サヨナラホームランを決め 星稜 11-13 済美 で長い熱戦が幕を閉じました。

ピッチャーを5回交代できる星稜の選手層の厚さ。最後まで投げきった2年生の寺沢選手のピッチングも素晴らしかったと思います。あの局面で済美を追い込んで追い詰めて、2打席連続三振。この悔し涙をバネに来年どんな成長を見せてくれるのか、とてもたのしみです。

そして、その間の170球以上を、静かに淡々とひとりで投げきった済美の山口選手。派手さはないにしてもスピードのある見事な送球で守り抜き、チームを勝利へと導きました。それにしても、プロ顔負けのポーカーフェイスでしたね。勝った瞬間にこぼれた笑顔は、彼がまだ野球少年であることを思い出させてくれました。


自分も苦しい時に「笑顔」という言葉でチームの士気を上げる星稜のキャプテン。ここぞという時に力を発揮した済美のキャプテン。はじめての甲子園に興奮する1年生。1年生を引っ張りながら3年生を支える2年生。そんな彼らの様子を、アルプスから応援する同級生のチームメイト。

喜びも、悔しさも、焦りも、嫉妬も。若い彼らがいろんな感情を乗り越えて立っているあの場所には「青春」がいっぱい詰まってる。

そして、そんな彼らを見ているわたし達も、それぞれが過ごした「青春」を思い出す。

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プロ野球にはほとんど興味がないわたしですが、高校野球だけはなんだか違うんです。というよりも、高校時代にバスケットボールに打ち込んでいたわたしにとって「高校スポーツ」そのものが特別なのかもしれません。


見ている方もたのしい「高校スポーツ」。

これが小学生や中学生になると、まだ体も十分にできていないなかで、どちらかというと本能的に体が動くのですが、高校生になると体もできてきて、そこに「思考」「戦略」「テクニック」が加わり、できるプレーの幅が広がるんですよね。同時に、大学の部活やプロに進むなど、進路の面でも「夢」が広がる時期。このとき感じた喜びや悔しさに「続き」があるんです。


しかし、大学生や社会人になると、スポーツだけに人生を駆けることがだんだんと難しくなってきます。自分の限界もだんだん見えてきます。

なかには、プロを目指して頑張る方も、社会人チームで続ける方も、趣味として続ける方もいらっしゃるのですが、大人のスポーツを見ていると、思考や戦略を超えた「知恵」が生まれることがあるなぁと思っていて。うまく言えないのですが、純粋にスポーツをたのしむことが上手にできなくなってくるんです。


スポーツをたのしみ、スポーツだけに時間を捧げることが全てで、それ以外のことは本当にどうでもよかったあの頃。ただひたすらに上手くなることだけを考えていたらいいだけの、ぜいたくな時間だったなぁって。

ある意味、10年間本気で続けたバスケから自分を解放したわたしは、その後、次の興味へと進んでいったわけです。そして、その道をあの頃の自分に負けないように一生懸命に走っています。(結局、未練タラタラで大学4年間はサークルでバスケ続けたんですけどね。笑)


苦しい時こそ「笑顔」で乗り切る星稜高校を見ながら、忘れかけていた大事なことを思い出した気がしました。ひさびさにランニングでもしてこようかな。

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今回は、akinoさんのお写真を拝借しました。すてきなお写真をありがとうございます!


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