一大ムーブメント、Netflix "イカゲーム"と格差社会🦑
全世界で話題沸騰中の"イカゲーム"を観終えました。
現在、音楽に映画にドラマにと全世界を沸かせている韓国エンタメの勢いを示すように、"イカゲーム"もNetflixにて人気沸騰中のようです。
私も観終えたところ、単なるパニックデスゲームものとしては済ませらない、深みのある作品でした。
以下、作中の謎の直接的なネタバレは避けていますが、気になる方はご遠慮下さい。
知恵比べよりも人間ドラマ
全話を観終えて感じるのは、とことん"人間をみせる"ことにこだわり抜いたなという点です。イカゲームはデスゲーム形式の戦いであり、キャラクターたちの競い合いですが、"誰が如何に優れるか"という戦いではありません。
優れたものが勝者ではない。この点に、本作が全世界で大ヒットした要因があると思うのです。本作が描いたのは、勝者は初めから勝者であり、敗者もまた初めから敗者だという残酷な事実です。
社会格差と分断
イカゲームは時代の空気を敏感に捉え、エンタメ作品として昇華することに成功しています。本作が世に出たのは2021年。2020年から現在もなお続くパンデミックは、社会格差と分断を今まで以上に浮き彫りにしました。それこそが本作の主テーマです。
緻密に設計されたストーリー構成は、視聴者が作品の主テーマを驚きををもって気づくように仕掛けられています。
視聴者は、本作序盤は債務者であるイカゲーム参加者のあまりの浅はかさ、直情的な様子を笑います。
しかし冒頭で述べたように、ストーリーが泥臭く奮闘する参加者の人間味を見せるように徹底していることと、演じるキャストの見事な演技が要因となり、徐々に彼らを応援するようになります。第6話"ガンプ"までたどり着いたときには、キャラクターを襲う相次ぐ悲劇に悲哀と怒りを感じずにはいられません。
そして第7話"VIPS"をもって、ついに作品の主テーマが明示されます。自分がかつて嘲笑したイカゲーム参加者にいまや共感する一方で、はたしてとうとう姿を表した彼らに共感できるでしょうか?
競走馬
私はイカゲームが世界で大ヒットとなっているのは、社会格差と分断に挑戦する主人公たちが国境を越えて共感を呼んだからに他ならないと考えています。
ノンフィクションの世界に住む私たちは、イカゲーム参加者たちのような機会さえ与えられません。無様であろうと、浅はかであろうと、なりふり構わず格差と分断を越えていこうと挑戦するイカゲーム参加者たちは、まさしく私達の実世界の夢を乗せた"競走馬"なのでしょう。
以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました。
▶Netflix"イカゲーム"公式サイト
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