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人と人をつなぐ。 元書籍編集者の私がスタートアップの社内広報として働いている話。

どうも、あゆゆと申します。
何から書こうか悩んでいるうちに、アカウント作成から早1カ月以上も経ってしまいました……(そこから、さらに2週間も経過してしまったのはここだけの話)。

このままうだうだと悩んでいても仕方ないので、素直に自己紹介から始めようと思います。

我輩は「社内広報」である。
主張したいことはあんまり無い。

私は現在、創業して4年のスタートアップにて「社内広報」をしています。
初っ端から誤解を恐れずに言いますが、社内広報としてのセオリーを主張したい気持ちはありません。 ましてや、スキルシェアみたいなキラキラしたものを発表する立場にもありません。

吾輩 は猫である。名前はまだ無い。

夏目漱石著『吾輩は猫である』

そのため、この(もしくはこれらの)記事は、「スタートアップの社内広報」という未踏の地に降り立ってしまった「元書籍編集者」の私が、右往左往しながらも「人と人をつなぐこと」と「編集という概念」の相互に『何か』を見出していく記録、もはや備忘録のようなものです。

なので(?)、最後まで読んだり読まなかったりしてください。

書籍編集の長いトンネルを抜けると
(行き着いたのは)社内広報であった。

さて、ここで「社内広報」を語るにあたって、これまでの経歴にもざっくり触れておきます。 ちいとばかり、長くなりました……。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

川端康成著『雪国』

【いままでのあゆみ】

大阪で爆誕
台湾人の母と日本人の父のもとに生まれ落ちる。こんにちは世界!

デザイン系の高校と専門学校を卒業するも、デザインの道には進まず大手ファストファッションへ
ファッションデザインに興味があったという背景もありつつ、「接客(人)が好きだから」という理由で入社しました。入社当初、大ヒットしたおかげで常に欠品状態だった初代●ートテックを売りさばいていたら、猛威を奮っていたインフルエンザに初めて感染して辛かった思い出……。

東日本大震災をきっかけに「生きること」と「働くこと」をあらためて見つめ直す
その後、資格取得勉強のため大手ファストファッションを退職。 「何をしてどう働けば、自分が自分らしく生きていけるのか」を、アルバイトしながら模索していました。そんななか、発生したのが2011年の東日本大震災。
ボランティアとして東北へ出向きながら、展示の企画やローカル冊子を発行していた編集プロダクションにて、イベントなど企画運営の面でお手伝いを始めることに。東日本大震災という未曾有の出来事を、様々な人が様々な形で残そう・伝えようとする活動を目の当たりにし、それが起点となって、「編集」という概念に辿り着きました。
そして、それらの経験と呼応するように自分の人生のそばにはいつも「本があった」ことを思い出したのもこのとき。

そうだ、私「本が好き」だ
そこから、「編集」や「本」に関わるため、再び広告やコピーライティングについて学びながら、写真家 青山裕企さん(個人的なファンであった)の関西での活動に限定したアシスタントをさせてもらえることとなります。この青山さんとの出会いがきっかけで(すごく励ましていただいた記憶)、大阪を離れ上京することを決意しました。

まずは足がかりをつくろうと、大手出版社の生産管理部門へ
上京後は下北沢にある書店B&Bでインターンしながら、就職活動を行いました。なかなか選考が進まず悩んだものの、なんとかメディアミックスに強い大手出版社の生産管理部門に派遣社員として入社。一般事務に従事したあと、契約社員として主に文庫の進行管理に携わりました。
ほかにも、副業の個人ライターとしてアウトドア系のWebメディアへの記事執筆もしました。

どうしても「編集」がしたいんだ
「進行管理」から「編集」へフィールドを変えるべく、一心発起で神保町にある小規模の編集プロダクションに転職します(なんとかできてよかった)。小規模なので編集から事務作業、電話対応、お茶だし、掃除、備品や消耗品の発注管理などの多岐に渡る事務所運営も行いました。
編集の部分ではそれなりにエンジョイしながら(とにかく嬉しかったんですよね)、幼児向けのドリルや図書館にしか流通しない図鑑、絵本を中心に制作していました。その一方で、先輩方の「背中を見て学べ」のスタイルに戸惑う日々でもありました(教えるという文化がなく、自分で学びとる環境だった)。

マーケティングってなにそれおいしいの? 「何をするか」も大事だけど「誰とするか」が沁みた
やがて、学び方も含めてスランプが到来しました。ヒントを求めて、外の世界に触れてみるも、どうもしっくり来ず、モヤモヤが募る日々……。そんな風に自分のキャリア形成に悩んでいたところ、「Web編集ができる人を探している」と友人に誘われ、子ども向けの教材・サービスの企画販売・運営を行うスタートアップに入社することに。入社の決め手はズバリ、社長とマンガの趣味が合致したことです(苦笑)。
そこではオウンドメディアの編集のほか、未経験ながらにインフルエンサーマーケティングの企画・制作、オペレーション構築から実行、運用まで、ひと通りを経験させていただきました。上司や同僚に恵まれたこともあり、トライアンドエラーをさせていただけたこと、結果的にそれが功を奏したことなどは、本当にいい思い出です。このときに培った良い感情が、現職の入社につながると言っても過言ではないです。

雑誌編集に足を踏み入れるもパターン青、死人(使徒)です

縁起でもないことをいいましたすみません(エヴァに謝れ)。冗談はさておき。30代を目前にして、前職のみんなに送り出してもらう形で再び出版業界へ舞い戻ります。
ここでは、新しく「雑誌編集」にチャレンジするも、業界の男社会すぎるハードワークさと特有のコミュニケーション(私が所属していたプロダクション特有かもしれませんが)、そして何よりも雑誌制作および編集の目まぐるしさ、コロナ禍の難しさ(取材が難しい)などなどに適応しきれず。「ギリギリでいつも生きていたいから〜」状態で踏ん張っていましたが2年を待たずにぶっ倒れてしまいました。

期待に応えたくて、飛び込んだスタートアップ
休職しながら、人生をどうしようか悩んでいた矢先のこと。ありがたいことに長年の友人から「うちの会社どう?」と、ラフにお誘いを受けたことにより、今の会社へ入社します。偶然にも、創業3周年をまもなく迎えるというタイミングということもあって、面談で「3周年記念冊子をつくるというミッションがある」「そこにコミットしてほしい」というお話をもらったのでした。
自分自身のキャリアとして、1歩2歩先の未来までを予見したうえでの決断ではないものの、傷心していた私は「今までの経験が役立てられるなら、そんなうれしいことはない」と思い、内定承諾しました。

ざっくり、こんな感じです。

いわゆる、今回の転職で『ジョブチェンジ』を決断しました。
出版業界に未練が全くない……という訳ではありませんが、生活とのバランス、そこに耐えられるメンタルや、長く働いていけるかどうかのキャリアなどを考えると、限界を感じてしまっていたことも事実です。

今の会社への面談で、初めて「社内広報」という単語・ジャンルを認識した私。完全にポテンシャルで採用いただきました。本当によく入社できたな、と思うと同時に、体感的な速度は2倍以上(笑)。スタートアップのスピード感は特有だな、とあらためて感じています。

入社後は、デザイン部分を担ってくれたクリエイティブチームや事業部門のメンバーの協力で、なんとか無事に冊子を作りあげることができました。社内メンバーへお届けするのはもちろん、ご家族への送付なども行い、めでたしめでたし……と思いきや、一緒に働いていた社内広報メンバー(いわゆる前任者)の卒業により、まさかのひとり社内広報になってしまいます(事業広報は別にいます)。

幸いにして、チームや同期入社メンバー、仲良しマイメン(同い年)の存在に支えられながら、ただただ必死に、実施してきたプロジェクトなどを通してなんとかサバイブしていくこと早1年と1カ月強(2022年8月現在)が経過しました。

あゆゆは奮起した。必ず、社員のみんなをつなげなければならぬと決意した。あゆゆには社内広報がわからぬ。あゆゆは、元書籍編集者である。書籍に憧れ、書籍と戯れ暮して来た。けれども働き方やそれにまつわる人の気持ちに対しては、人一倍に敏感であった。

いや、見出し長いね(笑)。

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

太宰治著『走れメロス』

では「社内広報」として、普段どんなことをしているのか。 具体的に列挙してみると、次のようなことをしています。

  • 事業広報と連動し、プレスリリースを中心とした情報発信

  • 月1で発行している社内報の企画制作および発信

  • 企業公式note記事の作成や編集(社員インタビュー記事やオフィス紹介、キックオフレポートなど)

  • 企業公式note記事のシリーズのコンセプトおよび企画立案

  • 記事や社内報、メディア(新聞や他媒体)掲載などに必要な写真撮影(オペレーションからレタッチまで一貫して内製で実施しています)

  • TwitterやFacebookなどの企業SNSアカウントの運用(情報発信)、コンシューマー領域に特化したSNSアカウントとの連携も行います

  • コンテンツ企画(社内向けに動画を作ったりも)

  • 社内コミュニケーション領域における社内連携、各拠点ごととの連携も

  • 最近は採用広報領域にも少し関わらせていただいています

基本的に「社内広報」単体で何かを行うということはほとんどありません。常にバトンリレーのように何かのリレーションを行なっています。

たとえば、事業広報側で「●月●日に●●●のプレスリリースがでる」となったときに、社内広報側でそれに紐づく形でSNSの発信や社内メンバーへ「プレスリリースには書けなかったけど」といった“裏話”をキャッチアップして、メンバーらが分かりやすく新たな発見や学びとなるよう面白く発信をしていたりしていなかったり(笑)。

「社内広報」について、分からないなりに手探り状態で進んできた今、少しだけ分かってきたことがあります。

それは、当たり前のことかもしれませんが、今行っていることのすべては「人と人をつなぎたい」という想いが根源にあるということ。文章や写真、映像にとどまらない広義の編集として、社内にいる人と人をつなぐことを中心とした活動に取り組んでいるということです。

その活動の結果として、会社のブランドイメージ向上と、社内にいる人の安心感や自負感の醸成に寄与していくこと。ときには、取引先といったステークホルダーの方や、未来の同僚となる採用候補者さんなどの社外にいる人と社内にいる人をつなぐ採用広報領域の活動も担っています。

想定していたより長くなってしまったので、入社して約1年で取り組んだことについては次回にまとめます(いつになるかは未定)。
さてどうなることやら。ぜひともお楽しみに〜。さらばだ!

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