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日常生活はくもり空の判断ばかりである

人にはむちゃくちゃな期日の依頼をしてくるのに、自分は期日を守らない人。
…うちの夫である。

平日の日中に夫からかかってくる電話はだいたいが無茶苦茶な頼みごとである。
「明日までに○○やっといて」

…はあ?

わたしも仕事中なんですけど。
明日締切なんですけど。
そもそも、どうして土日のあいだに振っておいてくれなかったのか。

そうした夫からの頼みごとに「断る」という選択肢はない。

「貸し1だでな」(本当は貸し256ぐらいである)
そういって電話を切った。

予定外、想定外、自分のペースを乱されることには本当に弱い。
こりゃいかん。散歩だ。散歩に行こう。

∽∽∽

チラッと外に目をやると、降っているんだか降っていないんだか、判断に困る天気である。

今日は雨だから散歩は休みと決めていたが…。

ベランダに出てひさしの外へ腕を伸ばし、降っているのかいないのかたしかめる。
ポツポツと降っている。
これはフードでしのげるか、傘が必要か…。

天気予報をみると、これから本降りになるらしい。
うーん。やっぱり傘はいるか…。
靴はどうしよう。

微妙な雨の日に出かけるか否かの判断は実に難しい。
雨はたしかに降っている。
でも、雨粒は小さく軽く、傘がなくても歩けるぐらい。
しかし、家を出た瞬間に「オゥマイガ」な本降りへと変わることも少なくない。

∽∽∽

結局、フードのついたパーカーに、ふつうのスニーカーで散歩に出た。
ジムとスーパーへ。

今日はスクワット。
ケトルベルを握ってしゃがみこもうとしたそのとき「おひさしぶりです」と声がかかる。

12月にパーソナルトレーニングを担当してくれたトレーナーさんだ。
「しばらくお見かけしませんでしたが、いらしてましたか?」
「いや、先週から復活しました^^;」
「そうですか!週1ぐらいですか?」
「いえ、週3~4です。でも1日1~2種目しかしないので、滞在時間は10分です笑」
「週4笑」
「週1で1時間するよりも、10分を週4のほうが気楽なんです
でも5月に向けて目標ができたんで、続けようと思います」
「笑笑、目標ができたのはいいですね!がんばりましょう!」

引きこもりフリーランスにとって、リアルで人と話す機会はSSRだ。
何気ない1日に、ぱっと彩りがくわわる。

さあ気を取り直してスクワット。
フォームを改善しようと、スクワットの解説動画を観て予習済である。
この瞬間だけは、本当に無になれる。
瞑想以上に瞑想状態。

夫からの無茶振りも、原稿の修正依頼も、締切のことも、気が重たいあれこれをすべて忘れられる。

さらに(さわやかな)汗までかけて、筋肉もつく。
筋トレ最高ではないか。

ジム後に寄ったスーパーでは、900円ぐらいの立派ないちごが半額で売られていた。
ラッキー。
いちごって皮むかなくていいし、切らなくていいし、おいしいし、最高じゃない?値段のお求めにくさ以外は。
900円が、半額…!

どうせ、帰ってすぐPC作業しながらつまむのだ。
多少傷んでいようが、傷みかけだろうが、無問題。

∽∽∽

「微妙な雨の判断」のようなことは、プライベートでも仕事でもよくある。

今はまあ、まだ、ギリGOサインを出せる状況。
でも今後どうなるかわからない。予報は本降り。

もしGOするのだとしたら、傘はいるか、レインシューズを履いていくべきか…。
あるいは、やめておくのか…。

天気のように不確実な状況のなかで、やるのか、やめるのか、判断する。
やるのだとしたら、いろんなリスクを考慮して、リスクへの対策も考えて、慎重に進める。

経験上「微妙な雨」のときは、やめておいたほうが無難なのだ。
だいたい本降りになってきて、びしょ濡れになって「やめときゃよかった」と後悔する。

でも、天気になんて、抗えるわけがない。
日常生活も、じぶんひとりで送っているわけではない。
他人が関わる以上、じぶんの思いどおりになることのほうが少ないのだ。

それに、どうにも状況がよくなくても、やらなければいけないときもある。

でも、たまには今日みたいなラッキーデーだってあるんだ。

雨に降られて後悔しても、雪に降られてこごえても、激しい向かい風に吹かれても、したたかに歩んでいきたいね。大いに自分をいたわりながら。

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