ステキな職業「演奏家」に出会った話
こんにちは!あみゅーじっくです。
今回は「演奏」にまつわるお話を1つ。
最近ふと思ったことを書いてみました。
私は音楽を学んでいる身なので、人前で演奏する機会が数多くあるんです。
今は人前で演奏することが大好きなのですが、少し前までは実は嫌いでした。
嫌いというと少し言葉が強すぎるので「苦手」と言うことにします。(笑)
音大生なのに人前で演奏するのが苦手ってどういうこと?
そんな声が聞こえてくる気がします。というか現に私もそう思います。
私は小さい頃から音楽をやっていて人前で演奏することばかりだったのですが、一度も「幸せだなあ」と感じたことはありませんでした。
それはなぜか。
シンプルに緊張するからです。
演奏に限らず、人前でパフォーマンスするということは当然「緊張」が伴います。
緊張がエネルギーに変わって、素晴らしい力を発揮するタイプの人もいることでしょう。
でも残念ながら私はそうじゃなかった。
緊張すると、手先が冷たくなって集中できず気が付いたら演奏し終わっていた。
そんな感じだったんです。
だから私にとって人前で演奏をするということは、「恥をさらす」というイメージでした。
わざわざ人前に恥をかきに行って何が楽しいんだろう、なんて思っていました。
演奏家の卵である音大生がこんなことを考えているなんて、びっくりですよね。こんなことを言われたら、お客さんだって安心して聴けません。
でも意外と同じ意見の音大生はゴロゴロいるんです。
案外そんなもんなんですよね、音大生だって人間ですから。
でも少し前、私の考えは大きく変わったんです。
こんなに長年悩んでいたのに。人前で演奏することが「苦手」だったのに。
何年もかけて築いてきた「恥さらし」というイメージが、そう簡単に変わるものでしょうか。
私もまさかとは思いましたが、変わっちゃったんですよね。
私だって人前で演奏するからには、変わりたい!と思って色んな人の演奏会に行きました。
友達、先輩、先生。
このような環境にいるので、身の回りではたくさんの人が演奏会を頻繁に開いているんです。
そして、機会を見つけては演奏者たちに質問しました。
「どうしてそんなに気持ちよさそうに演奏できるんですか?」
みんな、とても楽しそうに自由に演奏していたのでこの質問を投げかけてみたんです。
どの人もそれぞれ理由を答えてくれました。
自由に演奏できるまでひたすら練習を繰り返したから。
この曲が自分に合っていたから。
中にはマグレだよ、という人もいましたが。(笑)
でもそんな中で私が個人的に刺さった理由があったんです。
「音楽が好きだから」
シンプルすぎると思いませんか?
音楽が好きだったら全員うまくいく、と言っているようなものですよね。
でも、私はこのシンプルな気持ちを見失っていたんです。
音楽はもちろん好きだけど、本番で演奏するときに「この曲好きだなあ」と感じているだろうか。
ふと疑問に思ったんです。
そしたら恐ろしいことに、全く感じてなかったんですね。
「音楽が好き」とかじゃない。
「人前で恥をかきたくない」、「上手い人だと思われたい」。
浮かんでくる感情はそんなものばかりで、音楽に関することなんて何にも考えてなかったんです。
音楽は二の次で、自分が人からどう見られているかばっかり。
小さい頃から演奏をしてきて、こんな簡単なことに今気づいたんですよね。
私は「音楽」に対する向き合い方を考え直さなきゃいけないなと思いました。
それから私は色んな演奏会を聴きに行って、いつも共通してとあることを感じたんです。
演奏家を目の当たりにしていつも思うこと。
「演奏家ってキラキラしていてカッコいいなあ。」
これです。演奏会に行くといつも、音楽が2倍も3倍も好きになる。
そこで気づいたんです。
自分が演奏会を聞きに行って、幸せな気持ちになるのであれば、自分の演奏を聞いて幸せになる人もいるのかもしれない。
卵の演奏とはいえ、1人くらいは存在しているんじゃないかなと思ったんですね。
というか存在してて欲しい。(笑)
ということは、演奏家とはどういう存在なのか。
私はこう思います。
演奏家とは、お客さんに夢を見せる存在である。
演奏を通して、お客さんをキラキラした夢の世界へ連れて行ってくれるんです。
そう考えると、「演奏家」ってものすごくステキな職業だと思いませんか。
眩しいライト、キラキラのドレス、美しい音を奏でる楽器、音に包まれた空間、降りそそぐ拍手。
その1つ1つを、その日集まった人みんなが味わうんです。
子供たちも、おじいちゃんおばあちゃんも、みんな目を輝かせながら。
せっかく夢を与えられるのに。
夢を受け取りに来てくれているのに。
「恥をかきたくない」とか言ってる場合じゃないなと、そんなことを思いました。
それ以来、私は人前で演奏する前に必ず繰り返しているルーティンがあります。
目を閉じて、深呼吸したら。
「演奏家とは、お客さんに夢を見せる存在である」
ゆっくりとこの言葉を呟きます。
すると、がんじがらめになっていた心が一気に軽くなるんです。
スーッと解けていく。自分も幸せな気持ちになる。
舞台に立つと、自然と笑顔になれる。
これを1度体験したらもう、元になんて戻れません。
幸せでしょうがないから。
人前で演奏を終えたあと、いつも私は言います。
「演奏家って最高にステキな職業だなあ。」
ステキな職業「演奏家」に出会うことができた瞬間でした。
今回は、「演奏」にまつわることを書いてみました。
久しぶりにステキな体験をしたので、共有したくなったわけです(笑)。
みなさんもぜひ、色んな演奏会に足を運んでみてくださいね。きっとステキな夢を見られますよ。
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