#18 お名前で見る甲子園
2ヶ月ぶりのnoteである。
とはいえ、投稿は月1の頻度なので
先月投稿をしなかったというだけの話だ。
去年から毎月欠かしていなかったnoteを
先月初めてサボってしまった(違う、バタバタしていて書けなかったのだ!……まあ、書くことが無かったというのもあるけど)わけだが、
私はやや完璧主義なところがあるので
一度くらい予定通りにいかないことがある方が
今後気楽になって良い……ということにしておく。
さて、そんなわけで。
noteに何を書こうかと悩んでいたところ、
ちょうどいいタイミングで甲子園が始まった。
以前ちらっと書いたことがあるが
新聞に載る選手の一覧を眺めるのが好きなので、
今回はただ眺めるだけではなく資料にして
名前についていろいろと調べてみることにした。
新聞に載るベンチ入りの選手は各18人。
全49校ということなので、18×49=882。
つまり882件もの名前を一気に知ることができる。
これはなかなか楽しい。
とてもワクワクする話である。
そもそも甲子園というものは、
名前研究にとって非常に都合が良い。
まず全員が確実に男子であること。
ジェンダーがどうのとかは一旦置いておいて、
名前というのはパッと見ただけでは
性別がはっきりしないものも多い中で
「男子の名前」に焦点を絞って研究ができるのだ。
次に全員が同世代であること。
高校生なのだから当然なのだが、
世代による名前の傾向がわかるというのは大きいし、まあシンプルに面白い。
私は2019年度生まれの子供の名前を5万7000件集めているが(日々微増している)、
今の高校生は2004〜2006年度生まれなので
その10数年での違いもあるかもしれない。
そして調べれば読みがわかること。
漢字だけでは読み方がわからない名前も多いが、
球児たちの名前は読みもどこかに載っている。
今回も新聞記事やネットニュース、テレビ、野球のサイトなどから読みを集めてきた。
調べる中で、選手たちがかなりの高確率でインスタグラムをやっているということには驚いた。
いやあ、まさに今時の子である(私も世代一緒)。
まあこういった感じで、
研究材料として素晴らしいのだ。
私は野球のことは全然わからないので
試合結果についてあまり興味はないが、
名前をたくさん見られるのはとってもありがたい。
ということで、さっそく
調べてみた結果を書いていきたいと思う。
名前の読み方
882件を読みで分けると、413種類になった。
半数以上の名前の読みが
他の誰かと被っているということになる。
以下、同じ読みが10人以上いた名前を
表記のパターンとともにランキング化した。
▼1位 はると(20人)
▼2位 こうき(15人)
▼同率3位 こうせい(14人)
▼同率3位 やまと(14人)
▼同率5位 かいと(13人)
▼同率5位 はるき(13人)
▼同率5位 ひろと(13人)
▼同率8位 かずき(12人)
▼同率8位 そうた(12人)
▼同率8位 ゆうと(12人)
▼11位 こうた(11人)
▼12位 ゆうた(10人)
こうしてみると、
「はる」「こう」「ゆう」で始まる名前や
「と」「き」「た」で終わる名前など、
似た響きのものが多いことがわかる。
特に「悠」の字は「ゆう」と「はる」どちらにも
使われており、人気の高さが窺える。
(「悠」には「はるか」という読みがあるが、
「はる」とは読まない。つまり①ぶった切り)
「はると」は2019年度生まれの子どもの名前でもダントツに多く、根強い人気が続いているようだ。長いこと飽きられない名前というのも凄い。
個人的には、「こうた」という名前の11人の
表記が全員違うことが面白ポイントである。
名前の表記
上記のランキングを見るとわかるが、
人数と表記の数は必ずしも一致しない。
当たり前だが、読みに被りがあるように、
表記にも被りがある。
882件を表記でわけると、735種類もあった。
読みよりも表記の方が、
被ることが少ないのかもしれない。
以下、同じ表記が5人以上いた名前を
読みの内訳とともにランキング化した。
▼1位 大和(11人)
▼2位 大翔(10人)
▼3位 海斗(8人)
▼同率4位 翔(5人)
▼同率4位 颯太(5人)
▼同率4位 太陽(5人)
▼同率4位 翼(5人)
「かいと」という名前は13人いたが、
漢字表記は圧倒的に「海斗」が人気のようだ。
ちなみに「大翔」を「やまと」と読むのは
「大和(やまと)」からとった⑤熟字訓ぶった切りである。
「翔」を⑨イメージ読みで「つばさ」と読む名前もあり、名前の多様性が感じられる。
使われる漢字
名前に多く使われている漢字について、
その登場回数トップ10をランキング化した。
▼1位 太(93回、読み方:た・たい)
▼2位 大(87回、読み方:たい・だい・た・と・ひろ・やま・ろ)
▼3位 翔(49回、読み方:しょう・と・かける・つばさ・か)
▼4位 斗(45回、読み方:と・とう)
▼5位 人(32回、読み方:と)
▼同率6位 一(30回、読み方:いち・かず・いつ・いっ・い)
▼同率6位 輝(30回、読み方:き・ひかる・てっ)
▼8位 真(29回、読み方:ま・しん・まな・し)
▼9位 陽(28回、読み方:はる・ひ・よう・ひなた・あき)
▼同率10位 海(26回、読み方:かい・み・か)
▼同率10位 和(26回、読み方:かず)
ランキングにしてしまうと、
やはり上位に来るのは「太」「斗」「人」などの「止め字=名前の最後につく文字」が多い。
もちろん男女ともに使われる漢字もあるが、
全体的には男子のイメージを持つ漢字が多く上位に入っている印象だ。
“たまごやき”“ときたまご”論
先程「止め字」という言葉が出たが、
男子の名前の「止め字」は
近年“たまごやき”から“ときたまご”に変わっている、という話がある。
要は以前は「○○た」「○○ま」「○○ご」「○○や」「○○き」といった名前が多かったが、
最近は「○○と」「○○き」「○○た」「○○ま」「○○ご」が多くなり、人気に変化が出ているという話だ。
確かに最近の子どもの名前は、
そんな傾向にあるような気もする。
特に「○○と」の人気は間違いなく絶大だ。
では2004年〜2006年度生まれの高校球児たちの名前はどうなのか。こちらもランキング化した。
▼1位 ○○と(123人)
▼2位 ○○き(100人)
▼3位 ○○た(86人)
▼4位 ○○や(42人)
▼5位 ○○ま(27人)
▼6位 ○○ご(18人)
惜しい!!
“ときたやまご”だった!!!
しかしこうなってくると
是非2019年度生まれの子どもの名前でも
止め字がどうなっているのか調べたくなるが、
どうにも数が膨大(5万7000以上)なので
なかなか難しいところである。
このランキングでは2文字なので除外したが、
他には「○○せい」「○○すけ」といった名前も人気で、それぞれ51人と27人であった。
さてさて……。
調べてみると案の定面白く、
先月の分もと張り切って長々書いてしまった。
他にも調べてみたいことはあるし
面白い名前もたくさんあったのだが、
今回はこの辺りで終わりにしておく。
甲子園(球児の名前)って面白い!
と、こんなところで、また次回。
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