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#8 戸籍法のルールと、自作のルール。

好きな芸人さんが出ていた番組を観た。
そこで、興味深い話があった。


どうやらデンマークでは、
政府が定めたリストに書かれた名前から選んで
名付けをしなければいけないらしい。

変な名前を付けられて
負担を強いられる子ども達を守るためだという。

リストに無い名前をどうしても付けたい場合は
大学の名前調査部などによる審査が行われる。
毎年約1,100件の名前が審査されており
そのうち15〜20%は却下されるのだそう。

しかもそのリストは
原則「男子用」「女子用」に分かれており、
反対の性別に使用することはできないらしく、
どの決まりを見ても
日本の名付けとはかなり違いがある。



日本の名付けの現行の法律は、
名前に使える漢字が決まっているだけだ。
読み仮名が戸籍に記載されないため
漢字に対してどんな読み方をしても
自由ということになっているが、

現在、国では、読み仮名を戸籍に記載する
戸籍法の改正への検討が行われている。


この改正では、“キラキラネーム”規制に
なるのではないかという報道もあり、
私は“キラキラネーム”を法的に規制することには
あまり賛成できないと考えていたが、
今のところは“キラキラネーム”規制という
方向性にはならないようである。

ただ、
差別的なものや卑猥なものを連想させる読み方は
認められなくなる可能性があるらしい。
そこが少し気になるところだ。

例えば「ゆな」「ひな」「みと」などは
決して少なくない数見られる人気の名前だが、
調べるといろいろと出てくる。

それこそ「悪魔ちゃん」のような
直接的な名前を付けるパターンは少ないだろうし、
“差別的なものや卑猥なものを連想させる読み方”を
何を以て、どう規制するのだろうか。


一名前オタクとして、
今後の流れを注目していきたい。




さて、前置きが長くなってしまった。
今日も今日とて名前分類である。

これまでの記事(#2#3#4#5#7)で
それぞれ述べてきたように、
名前は、大きく分けてふたつに分類できる。

A 漢字に対して読みがあっていない
B 漢字に対して読みがあっている

A 漢字に対して読みがあっていない
辞書に載っている音読みや訓読み、名乗り読みなどにない読ませ方や、無理な読ませ方をしている名前のこと。一般に“キラキラネーム”と呼ばれるような名前が多く含まれる。

B 漢字に対して読みがあっている
辞書に載っている音読みや訓読み、名乗り読みを使用している名前のこと。無理なく読める名前が多いが、“キラキラネーム”とされる名前も存在する。


A 漢字に対して読みがあっていない
含まれる29種類の分類については、
4回(#2〜#5)にわたって紹介してきた。

そして前回(#7)は、
B 漢字に対して読みがあっている
含まれる2種類の分類について説明した。

というわけで今回からは、
これまでのAとBの分類とは違う別の観点から見た、
AとBに共通する分類 について述べていく。


前回の記事にも書いたように、
明確な基準のもとで
名前を解剖したAの分類とは異なり、
Bの分類やAとBに共通する分類は
単なるグループ分けかつかなり主観的である。

その中でも、誰もが納得できる分類になるよう
できるかぎりわかりやすいものにしたい。


この記事では、AとBに共通する分類のうち
まず4種類を紹介する。
この4種類に関しては、一応客観的な基準がある。


A、Bに共通する分類たち


⑴異体字
旧字体などの異体字を使用している。

A 漢字に対して読みがあっていない
翔(かいと)  海→海  【①ぶった切り「翔」】
(こうすけ) 将→將  【㉒詩歌方式「琥」】
和(とわ)   灯→燈  【①ぶった切り「燈」】
(なつめ)  萌→萠  【⑪付加読み「つ」】
陽(はるひ)  桜→櫻  【⑨イメージ読み「櫻」】
愛(らな)   来→來  【①ぶった切り×2】

B 漢字に対して読みがあっている
都(えいと)  栄→榮
(がく)    楽→樂
太(けいた)  恵→惠
乃(じゅの)  寿→壽
琴(まこと)  真→眞
(ゆきあ)  亜→亞


⑵歴史的仮名遣い風
漢字の読みを歴史的仮名遣いにしている。または、歴史的仮名遣いのような読ませ方をしている。

A 漢字に対して読みがあっていない
莉夢(り)  りむ→りん

B 漢字に対して読みがあっている
出雲(いも) いずも→いづも


⑶古語
現代では使われない言葉を名前に用いている。

A 漢字に対して読みがあっていない
映允(はゆる)       【㉘置き字「允」】

B 漢字に対して読みがあっている
映(はゆる)


⑷置換
主に熟語を用いた名前で、元々の漢字を似たような意味を持つ別の漢字に置き換えている。

A 漢字と読みがあっていない
向(ひなた) 日向→陽向
(ましろ) 真白→真皓
(いちえ) 一会→一逢

B 漢字と読みがあっている
葉(あおば) 青葉→蒼葉
(りっか) 六花→六華


以上が、今回紹介した4種類である。


絵が上手いとか、ギターが弾けるとか
目に見える才能や特技っていいよな。


次回に続く。




※上記の名前は、誰でも閲覧可能なネット上に載っていた名前です。実際に名付けた方の本意とは異なるかもしれませんが、私個人の独断により分析させていただきました。
※上記の名前と同名の方で、不愉快に思われる方がいらっしゃいましたら、削除致しますのでご連絡ください。

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