やりたい、に向き合うために。特別ではない「離島で働く」という選択肢
今回は、2023年4月に海士町へ来島、
隠岐島前森林組合と株式会社隠岐牛企画で複業を行う小林さんにお話をお聞きしました。
来島のきっかけは、『ガイアの夜明け』
海士町よりも、AMU WORKのことを知ったのが先でした。友達が『ガイアの夜明け』という番組を見ていて、話を聞いて面白そうだと思って。
自分自身飽き性なので、同じ仕事をずっとやっていると多分飽きるだろうなと思い元々配置換えがある役場職員を目指していました。
そんなときにAMU WORK の話をきいて、ふらっと来てみました。
海士町に来たのは今年の4月。隠岐島前森林組合(以下:森林組合)の仕事をしていました。11月からは働く事業所の数を増やし、株式会社隠岐牛企画(以下:隠岐牛企画)のほうで週二回餌やりと牛の世話。それ以外の日は森林組合での仕事を続けています。
森林組合の仕事は、木を切ること。苗を植えたり、その苗のまわりの草を刈ることが主な業務です。そもそも一次産業に興味があって、事業所を決める際に漁業とか林業とかいろいろなものに興味があると伝えた結果、気づいたら森林組合で働いていました。(笑)
想像通り、がっつり肉体労働なので身体は疲れますね。ただ、精神的なしんどさや対人関係のストレスがないのでやりやすいです。
刈払機っていう機械で木を切るんです。もともと大きい木を切るための機械ではないんですけど、それで割りと大きめの木を切れるようになると嬉しいですね。木を切って倒していくので、景色がどんどん良くなっていく。単純に仕事の成果が目に見えてわかるのは、すごくやりがいがあります。
隠岐牛企画のほうは、朝夕の餌やりと掃除が中心です。この前は牛の出荷があったのでそれのお手伝いをさせていただいたり、別の牛舎から牛を引っ越しさせたりしていました。
複業組合から働くことで、同年代の人と関われる機会が多いのがよかったなと思っています。直接森林組合に就職していたとしたら、あまりそういう機会はなかっただろうなと思うので。
地区ごとでの関わりはあるのですが、やっぱり自分の属性が多いほど関わる人は増えるし、重なっている部分が多いほど仲良くなれる。特に西田さんとは家も隣だし、複業組合でも一緒だし仲良くしてもらっているんじゃないかなと思います。
あとは、森林組合の機械が壊れたときに修理費を負担してもらえたのは良かったかな(笑)
森林組合では基本的に実費なので、そういう意味でも複業組合に所属して働くメリットはあるかもしれません。
「島で一生暮らそう」と思って移住してくる人って、それほど多くはないんじゃないかと思っていて。自分もその一人なんですけど、だからこそどこかの事業所に就職するというよりは、複業組合に所属して働くほうが自分には合っているかなと感じています。
環境の変化はあっても、自分自身は変わらずにありたい
島に来たのが大学院を卒業してすぐのタイミングだったので、そこの生活の変化は大きかったです。大学院だったから、特に最後の年は研究室の友だちと先生くらいとしか話さない生活だったので、関わる人が増えた、というのが大きな変化だったかな。
環境の変化は大きかったんですけど、個人的に環境に引っ張られて考え方が変わる、というふうにはなりたくないと思っています。そもそも「自分を変えたい」と思って海士町に来たわけではなかったので。
都会も、田舎も、離島も全部フラットに考えています。島に来たことに、なにか特別な理由があるわけではないです。
休みの日は、島でイベントなどの予定があることが多くて。森林組合のほうでも、有志の人で山に遊び場を作ろうという取り組みがあってそれに参加しています。いつもこう過ごしている、みたいに決まった過ごし方がないのも新鮮で楽しいです。
島ではお金がかかる娯楽が少ないので、特になにか我慢しようとしなくても余裕を持って暮らせていますね。
そのときにやりたいことを、しっかりと。
なるべく、翌年以降のことは考えないようにしていて。
考えていてもいいかもしれないんですけど、未来のために何かしていくという考え方はあまりしないかな。そのときやりたいことをやっているうちになにか見つかればいいし、無かったら無かったでそれでいいと思っています。
直近では、とりあえずチェーンソーを使えるようになりたいです(笑)
チェーンソーの講習は1月にあるんですけど、そんな感じで1ヶ月、2ヶ月のスパンでしか物事は考えないですね。
今のところは、とりあえず30まではふらふらしようと思っていて。腹をくくるのはそれからでいいかな。
ただ、自分が居心地のいい環境をつくっていく努力はしていきたいですね。人間関係とか、職場環境とか。地域に馴染むというのも、その1つかもしれません。でも、その環境にこだわるというよりは、いつでも選択肢を多く持っておきたいです。
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