歩道と車道のデザインから見るお国柄
NYに滞在して心地いいなと感じたことはやはり、道路の広さだ。
マンハッタンの歩道で幅3・4人分の歩行スペース+ゴミ箱や街灯のようなバッファスペース
加えて建物側には基本的に看板のような歩行を妨げるものはなく、
人の流れは直線的でスピードも安定している。
また、歩道は白っぽいコンクリートで、車道は明るめのアスファルト、
歩道は一段上がってはいるが日本のように石の色を変えたり線を引くことはなく、
歩道と車道はなだらかな明度のグレーのグラデーションでつながっている。
また縦列駐車が基本なのでガードレールはない。
視界もひらけているので私は非常に快適だと感じた。
対して日本はというと、車道のアスファルトは濃いグレー、
歩道は明るいブロックによるタイルと、黄色の点字ブロック、
境目には明るいグレーの排水と縁石。そしてガードレール。
言葉で説明するのは難しいのだが、
日本もアメリカも欧州のような歴史や伝統を感じさせるデザインではなく、
近代に整備されたもので、それぞれの国の状況に合わせてデザインされている。
比べてみてわかることだが、日本はかなり安全面に配慮をしてくれている。
その分、車道と歩道の境界をハッキリとさせすぎているが故に、
狭いスペースに歩道・点字ブロック・縁石・排水・車道・ガードレールが白・黒・黄色とギュウギュウに詰まって余計に息苦しくなっている。残念なことに看板やのぼり旗の類もあり狭く歩きづらい。
また、ガードレールは柵状なので視界を少し遮り、基本的に車道を渡る際には、所定の横断歩道まで歩かないといけない。
もちろん安全であることに文句のつけようはないのだが、
逃げ場もスピードの調整や立ち止まることのできない環境は
一挙手一投足を国に管理されているようにも感じた。
美意識や考え方は、日々目にしている物の平均値だと思っている。
どこか管理されている日本と、自由の国アメリカ、お国柄が都市の基本デザインに現れている気がする。
オチで使って心苦しいが、北京はどうだったかというと、
駅の入り口には私(173cm)の首元まである太い柵でできたレーンや、
北京のデモでも映っていたが非常に頑丈な柵を使って駅の中など人の流れを管理していた。
どちらも日本ではまず見ることはない大きさや頑強さで、これまた中国のお国柄を感じさせる都市デザインだった。
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