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次男が音楽大学への進路を決めた時。その時の公立高校の先生の反応と高等専修学校への転校まで。

少し進学校の全日制公立高校で、音楽大学に行きたいと伝えた時の先生の反応。


次男は高校では音楽活動をしたいという希望がありました。軽音楽部に入り、今やりたいことをスタートし始めました。そんななか高校1年生の頃に、普通大学には行かなくてもいいか?と私に尋ねてきました。彼が通っていた高校はそれなりの進学校で、国公立大学に行く子も多いし、いわいる関西での有名私学に行く子も多い学校でした。ですから、高校一年生の頃には、大学進学に向けてのオリエンテーションなどに力を入れてあって、それを受けた本人は余計に「普通大学には自分のやりたい事はない」と感じたようでした。その時のやりたいことのその先に、音楽を学ぶ大学や専門学校へ進むという選択肢が出てきたようです。もちろん音大への進学は資金的に大変だということは知っていて、悩ましい部分はないと言えば嘘になりますが、私はやりたいことを学びたい気持ちを応援したいと思いました。

高1の秋、担任の先生との三者懇談で先生に「音楽大学へ進みたい」と希望を伝えました。すると先生は「音楽を学んで、将来どうやって生活していくの?」と仰いました。私はこの時点で愕然としました。本人の希望を誘導するような進路指導。私はその時々のやりたい気持ち、学びの積み重ねの上に将来があり、それを選択したり掴んでいくのが人生だと思っています。なのでやりたいことを学んで何が悪いのか?将来の生活のために、学ぶことを選ぶのか?もちろんその道も素晴らしいと思います。でも、やりたいことがあるのに、「将来のためにならないからやらない」という選択を若者にさせなければならない世の中って、なんて悲しい世界なのだろうと感じました。将来のために、今学ぶことを選ぶのは当たり前じゃないか?という声も聞こえて来そうですが、それが本人の心からの希望であればいいと思います。でもそうでないなら、それは社会や大人が作り出した都合だと思います。

現在の全日制普通高校(私が経験したのは大阪府立高校が主ですが)では、入った高校の偏差値レベルに合わせて、目指す(目指させる?)大学が決まっていて、それを基準に先生は進路指導をされてるように思います。ほとんどの生徒はそれに合わせて準備をしていくのです。我が家みたいに、普通大学以外に進学希望となると、残念ながらそのサポートはして貰えません。音大を受けたいと音楽の先生に相談しても、具体的なアドバイスは貰えませんし、3年生に進級する時には、音楽の授業さえありませんでした。ですから、芸術系の大学に進学する子は学外の芸術系の塾等に通うのですが、(これも今までそうしながら音大へ進んで来られた方からしたら当たり前のことなのでしょうが)そうなると資金面も含めて全ての子供たちにチャンスがあるとは言えません。私が自分が芸術で生きて来たわけではないので、客観的に見るとそれは不思議なシステムだと感じます。その世界で生きてある方は、きっとそれが当たり前なのかな?本来なら学びたい全ての子供に機会があるべきだし、それをサポートするのが大人の役目だと思います。でもよく考えたら、芸術の学びだけではなく、普通教科の勉強も公立高校では予備校に通うのが当たり前な世の中ですね。これも今ではあまり不思議に思われないだろうけれど、学校で学んだものじゃ足りない大学受験もなんだか変だなぁと感じます。

こんな流れもあり、前回の記事の内容も含めて、次男は「今の高校で得る事はない」と最終的に判断しました。そこから3年生進級時に、音楽系の高等専修学校への転校を決めました。本当は公立の音楽学校へ行ければ費用面的にも一番良かったのですが、残念ながらクラッシック系の学校しかなく、小さな頃からの積み重ねがない次男にはそれは難しいことでした。特別な理由が無ければ、大阪府内公立高校から公立高校への転校も出来ない。現代の音楽を学ぶには、私学の学校しかありませんでした。

しかし実際、この進路指導をして来た下さった担任の先生は次男な転校が決まると、ご自分の本音、理想の教育について話して下さり、先生方も悩みながら指導下さっていることも知りました。それが現状なのでしょうが、自分の理想を仕事に活かせない職場で、子供たちの夢を応援するなんて出来ないよなぁと切なくなりました。

彼が1年間通った高等専修学校についても、また別の記事に近々書こうと思っています。

次男が経験したことで、今の高校教育の現場が少し理解出来ました。そして、そこに様々な違和感が湧いてきました。子供たちが学びたいことを学びたいタイミングで学べる環境。あらゆる選択肢が用意された環境。それをサポート出来る先生を含めた大人の存在。それが今の教育現場では全ての子供たちが受けるのは難しいことだと実感したのです。

少しずつこの現状が変化していくことを心から祈りながら、私は綴ることで何か力になれないかと思ってここに記し伝えようと思います。そして理想の教育をまずは思考することで、現実を変化させて行きたいのです。

※全ての全日制公立高校が上記のようである訳ではないと思います。私が経験した学校の話です。


2021.3.15


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