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今日ときめいた言葉175ー「引き際とは、かくも難しい」

    (タイトル写真はClubTから転載)

(2024年7月13日付朝日新聞 天声人語から)

「権力を手放す決断には、生き方や哲学、流儀、利害や愛憎など『全人格』が凝縮されるそうだ。日本では、「潔さ」も重要な評価基準だという(『出処進退の研究』塩田潮著)どんな辞めがたい仕事でも現実を直視し、未練なく去るのが理想」だとか。

我々が今まで見てきた数々の事例はどれも見苦しいものばかりだった。権力の座にいるということは、それほど居心地の良いものなのだろう。だからそれを手放すことに大いに逡巡する。「やるべきことがある」などと言って使命感をのぞかせても、捨てられない欲望や未練が透けて見える。

特に、政治家は辞めてしまえば「タダの人」になってしまうと恐れているようだが、それは本人の勝手な思い込みである。我々はその人が政治家であった時もタダの人としか見ていないのだから(そう思い込ませてしまうー権力とは怖いものだ)

日本の現首相。国民に向けて発する言葉が意味のない言葉の繰り返しで、まったく説得力がない。国民に刺さる言葉の一つも言えない。虚ろな眼差しで語るその姿はもう終わっている。汲々として首相の座にしがみつくのは何とも見苦しい。

ただ本人は自分が終わっていることを自覚しているのかどうか、そこが知りたい。自覚していなければ憂慮すべき事態だ。状況を判断する能力、感覚が失われていることを意味するからだ。これは国家の危機だ。

彼の同盟国の大統領も私の目から見たら終わっていると思うのだが。あんな無様なスピーチをしても彼の国の人たちは笑い飛ばして許せるのだろうか。完全な利敵行為をしてしまっているのに。

かと言って彼の対抗馬はさらにひどい。この人のスピーチのファクトチェックの結果は70%が虚偽だったそうだ。この人も終わっている。ただこの人はそのことをまったく自覚していない。本人はすっかり英雄気取りだ。気違いに刃物とはこのことだ。実に恐ろしい。手に負えないリーダーが再登場する。これが彼の国一国の問題なら良いのだが、全世界に影響を与え、何とか持ち堪えている秩序(?)を破壊することが必須だからだ。

さて、今まで名前の上がった日本の権力者たちー副首相、文科大臣、経産大臣、防衛大臣、県知事、県警の刑事部長などなどー辞めないと言ってしがみつく人々に最も欠けているものは、やはり「品格」かしら。メディアに散々せっつかれないと辞めない惨めな姿。

天声人語によると「最も理想的な引き際に近いのは、8年前のニュージーランドのジョン・キー首相の辞任だ。突然『今が去るべき時だ』と表明した」そうだ。
当時55歳。3度の総選挙に勝ち、カリスマ的な人気があったそうだ。同盟両国のリーダーと比べるとため息が出る😮‍💨



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