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プーチンとゼレンスキー、歴史は二人をどう評価するのか?Ukraine 🇺🇦の人々に思いを寄せ続けたいー何もできない無力感にさいなまれながらでも・・・(12)

4月24日付朝日新聞に掲載された南塚信吾・千葉大名誉教授の記事ー

「Russiaの今回の軍事行動は暴挙であり、侵略は絶対悪だ。そのうえで世界史の観点に立つと、この戦争は旧社会主義圏にグローバル経済の「新自由主義」が浸透する過程で起きた出来事の一つと言える。」
               (中略)
「ロシア側の主張に一片の合理性を見出すならば、欧米型の新自由主義とは別の道を探ろうとして今回の戦争に至ったのだと言える。プーチン氏は戦争ではなく、社会主義という共通体験を持つUkraine やベラルーシ、カザフスタンやジョージアなどの旧ソ連圏諸国と手を携えて、欧米型の新自由主義に代わる「新たな普遍的価値」を示すことを目指すべきだった。」

『そうだったらよかった。そんな人物ならよかった』と強く思う!!!

だが、プーチンには、南塚教授が述べているような、新自由主義の問題を超克して、新たな普遍的価値を目指す意図など始めから無かったということが、それを裏付けるドキュメンタリー(「プーチン 戦争への道〜なぜ侵攻に踏み切ったのか」(NHK BSドキュメンタリー)を見たときに実感した。

ドキュメンタリーには、無名だったプーチンが着々と権力の中枢に上り詰める過程が描かれている。KGBで培った手法と官僚主義を駆使して、エリツィンに引き立てられ、No.2の地位まで上り詰める。エリツィンが徹底して民主主義を推し進めようとしていた時、プーチンは全く異なる考えを思い描いていたのだ。

Russia の各地でアパートの爆破事件が起きた時、それをRussiaから分離独立を目指すチェチェンの武装勢力の犯行だとして、プーチンが行動を起こす口実になった。チェチェンに侵攻し残虐な攻撃をして、自身の存在感を確固たるものにした(この手法、ジョージアでもクリミアでもUkraine でも全く同じだーロシア系住民を守るため!)

当時、プーチンと対面したクリントン大統領は、彼を大統領に指名したエリツィンに会い、プーチンには民主主義の心は無いと伝えている。そのエリツィンは死の間際プーチンを指名したことを後悔してると言い残している。

その後もプーチンは、メディアを国家の管理下に置き、自分に刃向かうものを排除し、独裁体制を打ち立てる。多くの政敵が暗殺されたり、不審死を遂げたりしている。暴力と戦争を使って、自分の野望ー偉大なロシア復活ーに向かって突き進み、ウクライナ侵攻に至った。彼の途方もない野望のために何千人何万人の命が失われた。

「暴力と戦争を人々を抑圧するための道具として進んで使ってきた。それがプーチンの大統領としての実績なのだ。彼は21世紀最悪の殺人者たちの仲間入りを果たす」とドキュメンタリーの中の一人は語っていた。

「ロシア兵が何人死のうが、Ukraine の兵士や市民が何人死のうが関係ないのです。彼は辱めを受けるつもりはない。そこが恐ろしいのです」
「私たちはプーチンをどうすべきなのでしょう。彼はこの戦争に負けるわけにはいかないのです」と。

これに対し、同じNHKBSドキュメンタリー「戦時下の大統領ゼレンスキー」の彼の言葉には、胸打たれるものがあった。

メディアのリポーターが「どのくらい持ちこたえられるか」と聞いた時、

「わからない。考えてもいない。そんな問いは今は意味をなさない。質問が間違っている。今は戦いの最中なんだ。国民は一丸となって最後まで戦う。それだけだ」とゼレンスキー大統領は答えている(随分無神経な質問だと思う😤)

「最大の関心事は平和である。自由のためには戦わなければならない、常に」

「自由と尊厳以外に我々に失うものなどない。それが最も貴重な財産だ」

「子どもたちに受け継がせたいのはUkraine の威信です。私たちがどう行動したかという記憶なのです。世界中の人々が我々がとった行動を記憶に刻むことでしょう。その記憶がUkraine の子どもたち孫たちを助ける力となるのです。新たな国難の際にも」

ゼレンスキーのこの言葉に心打たれた。第二次大戦でイギリスを勝利に導いたチャーチルのようだ。戦いが終わり、この人の元でUkraine が復興する姿を是非見たい、見させてほしい‼️

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