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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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#創作大賞エッセイ部門

今日ときめいた言葉57ー「過去にどんなことがあったかなど、あなたの『いま、ここ』には何の関係もないし、未来がどうであるかなど『いま、ここ』で考える問題ではない」

この言葉は、「嫌われる勇気」(岸見一郎・古賀史健 著)の中に記されている。この本は、哲人と青年の2人による会話形式でアドラー心理学の考えを解説したものである。 タイトルの言葉は、人生を線としてとらえる従来の考え方ーーつまり、「いつどこで生まれて、どんな幼少期を過ごし、どんな学校を出て、どんな会社に入ったか」と言うように、人生を因果律に基づく物語としてとらえて、だからいまの私がいて、これからのわたしがいるという考え方(フロイド的な原因論の考え方なのだとか)ーーを否定して、発せ

今日ときめいた、ではなく思い出した言葉42ー「あなたにおばさんと言われる筋合いはない」

日々の暮らしの中で、フッと思い出す昔の出来事や言葉がある。今振り返ると大人げないことだったかなと思ったりもするが、その時は私も必死で、自分を省みる余裕もなかったのだ、と自分に弁解している。 今日思い出したのはそんな出来事の一つである。英語の専門学校に通学していた時のことだ。その学校は、その頃東京では、ちょっと名の知れた3年制の英語学校だった。会社の委託授業なんかも請け負っていたので、休み時間はスーツ姿のサラリーマンが大勢たむろしていた。 クラス分けのテストがあって、下のレ

今日ときめいた言葉ではなく出来事41ー「孫が来た!」

「孫が来てすごくうれしい。でも帰った時はもっとうれしい❣️」 綾小路きみまろのギャグだ。ジジババの心境をずばり表現していて名文句だと思う。 Covidのためにアメリカへの渡航を自粛して、もう3年がたってしまった。長女の第4子は会えない間に生まれ、すでに3歳になっていた。この6人の家族が、静かに暮らしていた我々夫婦の日常を破壊した。 朝は時差もあってか5時過ぎから騒ぎ出す。起きたらすぐ朝食の準備。ソーセージだ、ベーコンだ、ゆで卵は半熟じゃないと食べない、と注文の多い食堂の

今日ときめいた言葉37ー内館牧子さんが言われた言葉「あなた、やめないと私みたいになっちゃうわよ」

(2023年4月13日付 朝日新聞 “一語一会”「あなた、やめないと私みたいになっちゃうわよ」脚本家 内館牧子氏の記事から」) これは内館さんが会社で働き続けることに疑問を持ち始めていた時、先輩女性社員から言われた言葉だ。「根無し草になる」という怖さが先立ち、大手企業をやめて生きていくということに決心がつかずにいた時である。 内館さんは、私よりちょっと歳上だけど、ほぼ同じ世代だ。だからこの言葉を言った先輩の思いも、その時の内館さんの気持ちもよく分かる。当時の私も同じだった

「イーオット」だけど「超ドジオット」

「イーオット」この言葉は、投稿者の「ゆきものがたり」さんが彼女のパートナーを語る時の呼称である。この表記がなんとも可愛らしくて、すごく気に入ってしまいました。だから使わせていただきました。どうぞお許しを🙇‍♀️ 私の夫は、本当にいい人である。ベストパートナーであると下記の拙文にも書いたけど、ドジなのがたまにキズである。結婚前からそして結婚後もその輝かしい武勇伝は数えきれない。 結婚する時、そのことを義父から「よろしくお願いします」と言われたけど、深く考えもしなかった。が、

少子化って経済だけの問題なの?

補助金が出たり、手当が出たり、制度が整備されたら少子化が改善されるのだろうか?子供を産み育てることは、もっと個人的なことだと思うのはあまりにナイーブかしら? この問題を経済的な視点で議論する限り、何ら改善には向かわない気がする。生活レベルが上がり、経済的にゆとりが出てきたからといって、いざ子作り、子育てということにつながるだろうか。 子供が可愛い、子育てが楽しいという個人のレベルで感じなければ子供を産み育てる気にはならないだろう。私など「子供が可愛い」と思えるようになった

教育とは日々の暮らしの中で手渡されるのだと実感した日−2023年1月1日

アメリカはまだ大晦日。年越しそばを食べているのは、長女の家族(下の2枚)と次女の家族の食卓(上の写真)。 長女のうちは、うどん。 こちらは次女のうちの食卓 年越しはお蕎麦を食べなさいと教えたわけではないけど、長いマレーシア滞在の後、日本に戻って家族5人で過ごした短い生活の中で娘たちが感じ取っていたアイディアなのだと思う。 マレーシアのインターナショナル・スクールにいた時、「子育てで大切なのは、良い教育と栄養のある食事」とアメリカ人のママとよく話した。 日本に戻った時

汚水浸水、獣医師の注射、泥棒そして寄生バエ😱ー私だけかもしれないレア体験

私はタンザニアでボランティア活動をしておりました。ここでは思いもよらないことが始終起こります。停電や断水は日常のことでさほど気にもなりません。 ただ、汚水管が詰まり、我が家(5階建ての2階)から上の階の汚水が我が家の排水溝から吹き出し部屋という部屋を満たし、水深が30センチぐらいになった時はさすが絶望しました。私一人では打つ手もなく、その汚水に満たされた部屋のベッドの上で三日三晩過ごしました。 この時ばかりはタンザニア人の不道徳を呪いました。でも正義の味方が現れ汚水管を開

関東弁と関西弁、アクセントが違うだけではないー声優になるために克服しなければならないこと(⁈)

昔、日本語教育長期研修を国立国語研究所で受けていたときの一コマである。カラスの鳴声「カー」。文字に表すと同じなのに、音声にすると違う。一人ずつカラスの鳴きまねをさせられて気がついた。当時日本語教師に求められていたのは、いわゆる「共通語」というか東京方言。ま、関東とりわけ東京山手(もう死語かな?)あたりの発音だった。 先生が聞き分けて、失格になったのは「関西圏」の出身者であった。その時気付かされたのは、関西のカラスの鳴きまねは「有声音」で、関東のは「無声音」だということだ。こ