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あなたも、助けたい

毎日のように増えていく感染者数、二転三転する政府の対応、漏れ聞こえてくる医療関係者の悲痛な声、自分も家族もいつ感染してもおかしくない状況

noteで何かを書くこと、SNSで発信すること、どれもずっと自分に自信が一つもないために、避けてきました。
今も匿名なのは、最後の自信を持つことができないからです。
ですが、あの3.11とは別の方向性で、心も身体もじわじわと蝕まれるような現状に、どうしても、今何かを書かなくては、生きていることすらも保てないような気がしています。
ただの自己満足、自己保身ですが、こんな日々があったことをいつか笑い話にできるように、今の気持ちを書き連ねます。

コロナウイルスが武漢で猛威を振るっている、というニュースを耳にし始めたのは、1月の末頃だったように思います。
その頃、私は大方の方と同様に普通の風邪と大きく変わらない、インフルエンザの方が危険、夏前には収束するだろう、と日々の業務に当たっていました。
2月も半ばを過ぎたあたりから、マスクが一斉にあらゆるお店からなくなり、同僚の中には今の状況で平気で会社に来て、密集した状況での会議や業務が行われいることに対して不安の声を上げる人も出てきました。
それでも、私はマスクを一つも買わず、業務を進めていました。
3月になっても、仕事は増えるばかり。むしろ年度末、ということもあり、業務量は他の月と比べても増えていたように思います。会社から、なんとなく在宅を促すような連絡が増え、あれだけ遅くまでオフィスにいた人たちがだんだんと少なくなっていく雰囲気を実感しました。
明確に潮目が変わったのは、やはり志村けんさんが亡くなったことだったでしょう。
ほとんどの仕事が延期になり、在宅が必須になり、家に閉じこもりました。
寝ることでしか使っていなかった家には、料理道具はほとんどなく、出前、Uber Eatsに頼る生活が始まりました。誰とも話さず、ただただ面白いのかも判別できていないYouTubeを見て、家から一歩も出ず、過ごす日がありました。忙しい、という言葉では足りないほどの激務の時に、いつ気を失ってもおかしくない、と思ったことがありましたが、これほどまで社会に隔絶され、誰からも指示も与えられず、自分自身でも何も思いつかないような時にも同じような状態になるのだと、知りたくもないことを知りました。同時に、世界には自分一人のような感じる時間とは裏腹に時たま外に出た時に目にする群がっている人たちに、自分と同じ人間なのか、信じられなくなるような、気持ちを知りました。

私は幸いなことに、同じ都内に実家があり、明確に隔離スペースを作ることができる環境があったため、2週間自宅に籠もったのち、実家へ戻りました。隔離されている、とはいえ、誰かの気配を感じること、食べる・寝る・仕事を同じ部屋で行わないことがどれほど、精神衛生上いいことなのかが分かりました。社会との繋がりを、うっすらと感じることで、自分自身の存在を確かめることができます。人の手の入ったご飯は、自分で作っていたカップラーメンの何倍も何十倍も美味しいです。


少しばかり、心と身体が落ち着いて、ようやく、助けなくてはいけないたくさんの人たちのことを思い出しました。
#Stayhomeしなくてはいけないこと 、そのことで生きていけなくなりそうな人たちのこと。
エンタメ業界、観光業界、飲食業界、それ以外にも多くの困っている!を発信されている方々がいます。

私は、映画が好きです。ミニシアターにも足を運びます。#SaveTheCinemaに署名もしましたし、Mini Theater AIDにも少額ですが寄付しようとしています。

SAVE the CINEMA ミニシアターを救え!SAVE THE CINEMAは映画と人、映画館と人、人と人、すべてを繋ぐ大きな架け橋になることを目的として活動をしておりsavethecinema.jp



私は、旅行が好きです。HOTEL SHE.などを運営されている龍崎さんの凄まじいまでの様々なプロジェクトを心から応援しています。同時に、年齢の変わらない彼女が、あそこまでの行動を、このスピード感で成し遂げていることに、途方もないほどに憧れ、意味のわからない嫉妬をしたりします。


私は、音楽が好きです。#SaveOurSpaceにも署名しました。

Save Our Spacesave-our-space.org



私は、演劇が好きです。生身の人間のどうしようもない生きている様に心を動かされたいです。
私は、本が好きです。本屋に行ってこんな本が出ているんだ、とか、買うつもりじゃなかったのにポップに心を動かされてついでに買ってしまったりしたいです。
私は、電車に乗って、どこかに行くことが好きです。いますぐ、昼過ぎの電車に飛び乗って、まどろみたいです。熱海に一番行きたい。
私は、美味しいものが好きです。行きたいお店がたくさんあります。いつも妙に愛想のいい店員のいるお店とか、ずっと行きたいくせに一人で行く勇気が持てなかったお店とか。

私は、陸上や野球を始めとしたスポーツが好きです。日本代表を決定したマラソングランドチャンピオン(MGC)でゴール近くでトップを走って行くあの選手を見たとき、これまでずっと人知れず応援していたことを全員に言いたくなりました。理不尽な理由で、マラソンコースが札幌に変更された時も、その選手の気持ちを思うと、気がおかしくなりそうでした。
東京オリンピックが延期され、そして、その延期する保証されていない現状の中で、その選手はもちろん、全てのオリンピックを目指してきた選手の方々、そして今も目指している選手の方々、応援している関係者のことを思うと、何の利害もないくせに、泣きたくなります。泣きます。

他にも、好きで好きで、優先順位をうまくつけられず、私程度にできることなら助けてあげたい、助けさせてください、と思う場所・人・世界があります。
助けたい、ものが多すぎて。
私が大金を持っている人間なら、助けられたかもしれない。
月20万程度のしがない会社員が助けるには、どうしても多すぎて。
かき集めた砂を集めて、手に乗せようとしてもどうしても溢れてしまう、そんな気持ちをずっと感じています。
そもそも、私自身の仕事すら、いくつかの報道にあるように2022年まで定期的な外出自粛が必要になった時、どこまで続けられるのか、わかりません。
今の強い助けたい、という気持ちだけで、なけなしの財産をかけて、半年後や1年後に自分がどうなるのか。それを考えられる程度の理性を持ち合わせてしまっています。

そして、今年こそ、と何かに燃えていた多くの方々。
学生のスポーツ大会や、入学式、文化祭など中止が相次いで、生きていく時にいつか心の支えになる1ページを失っている人がいると思います。学校が全て幸せとは勿論限りませんが、学校でかけがえのない時間を過ごした方は少なくないでしょう。
今年は、メイクを上達させて、自分のお気に入りの服をたくさんきて、いろんな所に行ってやる、といった他者から見たら本当に小さなこともあったかも知れません。
私も、そうです。形を変えて、今できること、をどうにか考えて考えるしかありません。ない頭を使って、今を充実させるしかありません。

自分の無力さが、あの3.11から9年も立っているのに、何もできないことが、どうしたって、許せません。
私にできることは、私の知っている支援の方法をできるだけ、自分の生活を確保できるレベルで行い、何の生活の足しにもなりませんが好きを伝え続け、どこかにいる1人で生きていくことが苦しくなり始めているあなたのことを考えるしかありません。


終わりがあることを信じます。
私が好きなものたち、そしてそれ以外のものたちが終わった時によりよいものになるためにできることを考え続けます。

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