LTV で計測する広告運用手法ご案内
昨今 Cookie や広告 IDの制限が話題になる中、「Amplitude を用いてどのように広告運用ができるのか」についてお問合せが増えてきました。ここでは、Amplitude を用いた広告運用についてご案内します。
なお、今回ご案内する手法は、以下の特徴があります。
● Cooke 不要
● 広告 ID 不要
● 機械学習を用いた獲得数予測
● LTV による計測
以下にて順を追ってご案内いたします。
1 | 新規ユーザー獲得件数による計測
Amplitude では UTM を用いて流入元による新規ユーザーの測定をする事ができます。また Adjust、AppsFlyer 等の計測ツールと連携しキャンペーン毎に計測する事もできます。
以下は、Amplitude で、流入元別に過去過去4週間の新規ユーザー数の推移を集計した内容になります。
こちらの例では、オーガニック(赤) と比較して以下である事がわりました。
● メディアA (青) からは、新規ユーザー獲得件数が多い。
● メディアB (紫) からは、新規ユーザー獲得件数が少ない。
なお、Amplitude では機械学習機能を保有しており、蓄積したビッグデータから、以下のように「今後のユーザー獲得数予測」や「獲得数異常値」を確認する事ができます。
● 将来のユーザー獲得予測 (赤枠)
機械学習で今後のユーザー獲得数の推移を予測します。
● 異常検知 (黄)
Amplitude では、過去のビッグデータより、ユーザー獲得数のトレンド範囲を求めてくれます。この範囲を超えた獲得数があった場合、その日付を異常値として検知します。
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なお、異常値があった場合、Amplitude は原因を自動抽出してくれます。以下のチャートは、先程の異常値の原因を自動抽出した結果になります。
今回の例では、以下が判明しました。
● 英語圏のユーザーが多く流入している。
● 特定コンテンツへアクセスが集中している。
● コンテンツをアクセスした後 SNS 起動ボタンを押している。
この特性を元に、さらに調査をした所、どうやら著名 SNS でこのサービスがで取り上げられたのが原因である事が判明しました。その為、多くのユーザーがコンテンツアクセスした後に、サイト内の SNS 起動ボタンを押下している模様です。
なお、SNS で取り上げられた内容を確認すると、今まで訴求していなかった違った角度でサービスを評価してました。今後の訴求ポイントとして参考する事にしました。
2 | リテンションによる計測
Amplitude では、流入元別にリテンションの比較をする事もできます。
オーガニック(赤) と比較すると以下になります。
● メディア A (青) からの新規ユーザーは、低いリテンションといった結果になりました。
● メディア B (紫) からの新規ユーザーは、非常に高いリテンションといった結果になりました。
先程の獲得数と総合すると以下となります。
● メディア A は獲得件数が多いですが、リテンションが低い
● メディア B は獲得件数は低いですが、リテンションが高い
この計測範囲では、どちらのメディアにマーケティング予算をより多く配分すれば良いか判断が難しい状態です。
そこで、今回ご案内する LTV による計測の登場になります。
3 | LTV による計測
Amplitude では「レベニュー LTV」といったチャートを準備してます。ARPU/ARPPU 等を自動集計してくれます。先程の流入元毎に LTV を集計してみました。
オーガニック(赤) と比較すると以下になりました。
● メディアA (青) は低い LTV といった結果になりました。
● メディアB (紫) は高い LTV といった結果になりました。
メディアB (紫) からの新規ユーザーの LTV をメディア A (青) と比較すると、以下である事が判明しました。
およそ 2.5 倍の高い LTV を計測
高い LTV であった為、今回は「メディア B 」マーケティング予算を多く投下して、より多くのユーザーを獲得する事にしました。
また、LTV が判明しますと、最適な CAC (Customer Acquisition Cost) も計算する事ができます。今回、メディア B では高い LTV を計測しましたので、より高い CAC を設定し、さらに多くの新規ユーザーをメディアBから獲得できるように予算配分を見直しました。
4 | LTV による経過測定
ここでは「レベニュー LTV」の別の利用方法についてご案内します。以下のチャートは次の LTV を集計しています。
● 過去 120日に新規獲得したユーザーの LTV (青)
● 直近 30日に新規獲得したユーザーの LTV (赤)
こちらを確認すると「直近 30日に新規獲得したユーザーの LTV(赤)」 の数値は、30日以降に 0 になっていますが、それまでの数値がトレンドラインに沿っている事がわかります。
すなわち、直近30日に新規獲得したユーザーは、このトレンドラインを見る限り、今後の LTV がどのように増加するか期待値を予測する事ができます。
LTV の先行指標として利用する事ができます
5 | 最後に
ここでは、最近良くお問合せ頂いる「Amplitude では、どのように広告運用するのか」についてご案内しました。
今回、どのメディアにマーケティング予算を投下するかを判断するかを中心にご案内しました。なお、予算投下をするメディアが決まりましたら、次に行うのが獲得したユーザーのエンゲージメント向上になります。
このエンゲージメントを高める方法につきましては、動画でご案内しています。このブログからは登録不要で閲覧できるようにしていますので、この機会にご覧になって頂けますと幸いです。
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